雨です。雪はまだ降っていませんけれど。
今日はひな祭りなんですね。
母が施設にいる頃、そして父が亡くなる数年前に、私に買ってくれた8段飾りのひな祭りを房総の寺に寄付しました。
毎年ひな祭りになると、寺までの長い石畳の階段に寄付されたひな人形がずらりと並びます。
今日は雨だからどうしたのかな。
地元の新聞にも掲載されるほど有名です。
子供のころから3月のひな祭りになると、父が飾り付けていました。父にとっては大事な人形たちだったと思います。
娘にとっては、年を取るほどに、いつまで飾るのかという気持ちにもなっていました。ありがたみはほぼ消えていました。
そろそろ処分しようよ。という私の言葉に父はきっと泣く泣く、寺に送るための梱包を一緒に手伝い宅配便で送りました。
5000円ほどの寄付を添えたと思います。
私にとっては、いつまでも飾れないし、市のごみとして処分するより、皆さんに見てもらう中に入れてもらい、役立つならその方がいいと思い手放しました。
あの頃は家の大掃除のようにいろいろなものを処分していました。
兄は手伝うことは消してないとわかっていたので、私一人ではできない、だから2人でいる間にかたずけたいと父にお願いしました。私はかなり身勝手なことをしました。父は切なすぎた日々だったと思います。
一つ一つの品物に残る父の思いを一つ一つ処分していた毎日。
あの頃の自分の決断と、父の寂しさを今でも思い出します。「すみませんでした」と。
理容師だった父は一人で店を持ち、母と共に私と兄を育ててくれました。兄の七五三の祝いに写真館で撮影した写真が残っていました。五月人形もありました。そしてひな人形も。
トッポジージョの人形、黒いダッコちゃん、小さなパチンコのおもちゃ、けん玉、指人形、金属製の駒、けん玉、フラフープ、ポッピング?、小さなバトミントン、羽子板、自転車などなど。
そして本を読まなかった私には「家なき子」の児童書が1冊ありました。
私たちを大事に育ててくれた両親。
私も兄も、二人にとって満足いく子供ではなかったと思うけれど、でも、今は私たちは「ありがとう」と思っています。
春のお参りに行きます。