フジテレビ「ノンフィクション」で納棺士の仕事に就いた女性の4年間を紹介していました。映画「おくりびと」でこの仕事に目を向けた人たちもいるみたいです。それだけ人の死に対しての仕事は知りえないこともあります。
何の仕事でもプロになるには道のりがあり、まして死と向き合う仕事は大変だと思います。
ここ数年、もうすぐ75歳になる兄は「あと5年で実家に帰る」。「俺の葬儀代頼むな」と言い出すようになりました。もちろん妻はいて、妻が原因ですってんてんの人生になった人です。親のことは結婚してから両親が亡くなってからも、何もしてこなかった人たちです。今更ですが、「馬鹿だよね」と私も天国の両親も言っているに違いない。
妻とけんかをすれば、「実家に帰る」とのたまうらしい。
世間的にそれって、妻の言葉でしょ。笑えます。
俺の葬儀代頼むな。という軽い言葉があまりにも連呼されるので、なぜか胸騒ぎがしていました。そしてこの悪い予感が的中。
妻と暮らしていて、妻より先に兄が亡くなった時も、葬儀を頼むという意味らしく。その本心を知った私は、かなり激怒して、「私のやることではないでしょう。断る」と言いました。
兄の本心は、妻に葬儀の大変さを任せるより、すべて妹に任せる。一人になったら、丸裸になった自分をすべて妹に任せる考えが見えてしまいました。
恐ろしい。
はっきりさせておいてよかった。でも、たとえ兄が一人になって、実家に帰ってきても、私はともに生きていくのは無理だ。兄の介護、生活、葬儀すべてお引き受けすることは、そこに私のこれからの時間や資金、資源を使うことは無理だ。
両親を介護して、見取りを一人で請け負いすべてが終わってまだ8年。
父も兄もよく似ています。兄は父を嫌いだったけれど、笑えるほどよく似ている。ともに生きてきた妻のタイプも似ています。大事な話はしないままで、人任せなところも似ている。
人生道半ば、人生何が起こるかわからないもの。「かってに決めつけないで」。私は父と兄に言いたい。
自分たちの気持ちだけをかるーく押し付けないで。
いろんな思いが頭の中をヒートアップしていました。
納棺士の仕事を見て、いつかみんな死んでいくんだなぁ。なんだか涼しい風が頭の中を通り過ぎていきました。
でも、私は自分を大事に守ろうと思います。人生今から楽しまなくてどうする。