会わなくなってから20年以上は過ぎている友達から、寅年の年賀状が届いた。

今年は寅だっけ。

その寒中見舞いのはがきは、2010年の寅年の時のはがきだった。

2010年の数字を2024に乱雑に書き換えてあった。

14年前の年賀はがき。

なんて物持ちの良い人でしょう。

去年、連絡がずっと途絶えていたので、メールを出すとスマホを変えたためにアドレスが消えたとのこと。その後に再度の連絡交換。そして手紙が届き返事を送る。

まるで安否確認のようなやり取りだけど、会いたいけれど、なかなか会えない。

でも、忘れていないよ。

「いつかのんびりお月見でもしながら話をしよう」そんな言葉を最後にしたためた。

 

そして、今年14年の時を超えたハガキが届く。「お月見しながら話をしよう」の言葉が添えられていた。

 

彼女は私より3歳くらい年下の看護職の母親。結婚も離婚も2度経験している。息子さんは3人。

そんな彼女の名言が「結婚は勢い」この言葉、ある神経学会のシンポジウムで、偶然出会い、そこからずっと知り合いの状態が続いている。まことに不思議な縁。

パワフルで、心意気の熱い人。

だから慌てて寒中見舞いを出そうと思い、慌てて家中を探し回って見つけたのが14年前のはがきなんだ。

でもうれしい。この行動すべてが、くすくすとほほえましい。

不規則な看護職の仕事に追われ、まだ成人前の子供たちとの生活、「はがきを出そう」と決めてから、一枚のはがきを探し回る彼女の姿が目に浮かぶ。

お礼にメールを送る。

そして熱い返信が来る。

「この繋がりがうれしい」の言葉に、私もうれしい。

 

会えなくても、語り合う時間がなくても、繋がっていることがうれしい。

そんな友が今日もどこかで暮らしている。