定期検診の歯科へ。これが苦手で。いつも気が重くて、前回の検診から7か月もたっているので、いざと気合を入れて。

古いビルの3階にある行きつけの歯科医。この階段を上がる足取りも息がハアハアとしてきて。体力がないのもあるが、どこか心理的に嫌がっている。

男性の先生はすでに70歳代だろうか。仕事は丁寧で、上手な方です。もう20年以上は通っていると思う。それにしては、フレンドリーな感じにはいまだに到達していない。

嫌いと言うわけではない。信頼していないわけでもない。

ただただ歯科が苦手なのだ。

コロナ過なので、予約制だけれど、医師と看護師一名で行っている。

患者は途絶えずに来ていて、予約もすぐには取りにくくなっている。

 

「どうですか」と聞かれ、「歯石がたまっているのが気になって、あとは気になるところはないです」と私。

検診開始。特別異常はなく、「前歯の上下の歯石がたまりやすいから、歯磨きをまめにして」と言われて。「前歯」と聞き直す。「そう前歯」と医師が繰り返す。

歯石を除去していただき完了まじか。

「はい、噛んでみて」と言われ、

何を思ったのか、理解したのか、前歯をカチカチと合わせて、それを何回も繰り返した。

「そうじゃあないでしょう。いつも噛んでるように奥歯で」と言われ、ハット我に帰り、奥歯で噛んで。

「そう。問題ないです」

ほっとした半面、なんで前歯カチカチしたのか急に恥ずかしくなった。

「前歯の歯石がたまっている」の指示が頭に残り、「噛んで」と言われたときに、前歯がカチカチ。

緊張がずっと継続していたので、頭の中では、あの水圧の勢いが歯に沁みて痛いと感じることが多くて、そのたびに体が緊張して、足がつりそうで体を緩めようと思いながらも、体は緊張を解かない。

そうだ緊張ゆえの理解できない行動をしてしまった。

医師はどう思っていたのかな。

「この人大丈夫か」なんて感じていたのかもしれない。

歯科にかかっている患者さんは、治療中にそのまま眠ってしまう人もいる。

でも、私みたいに緊張が半端ない人も、きっと医師にはお見通しなのだ。

私は歯科デビューはかなり遅く、人生で虫歯になったことは一度だけ。その時にかかったのが今の医師です。でも、あれは虫歯だったのかと今も確信が持てない。

歯が欠けて治療に行った記憶があるけれど、医師は「虫歯」というのだ。

 

今回は一度の歯石除去で済んだ。良かった。これが何よりうれしい。

もう長いこと生きているけれど、なんと乳歯が4本今も健在で働いてくれている。医師もまれだと感心する。

「いつまでもつかです。ダメになったら考えましょう」と医師の言葉が心に残る。

頑張る。いつまでも自分の歯で食べられるように。

体の緊張をほぐすすべを取得しないと。いざメンタル強化。