「ピュリダンのロバ」というお話があります。
等しい量の「えさ」が2か所にあって、その中間にロバがいると、ロバはどちらの「えさ」も選びとることができないで飢え死にしてしまう!という話です。
ちなみに、ピュリダンとは人の名前で、自然科学ができ始める前の時代(中世)の人です。
この話は、一方を選びとることができない状況を表す話として有名で、アインシュタインの「自伝的ノート」でも登場します。
ところで近頃は「エビデンス」という言葉がよく使われていますよね。
エビデンス(証拠と言え!)にもとづいた判断を下すことはもちろん大切ですが、それだけでうまくいくのか?というと、問題があります。
初めて出会った場面では、たいてい誰でも「ピュリダンのロバ」の状況です。
(「えさ」があるのに飢え死にしてもいいのかい?)
そんなときには、自分の判断に「賭ける」しかありません。
根拠なしの「思い込み」です!
エビデンスを求めて右往左往する人たちを横目に、初めての状況を「思い込み」で飛び越えていってください。
大いに期待しています。
2021年9月
<M.I>