五月初旬からショウブとアヤメの花が咲きだした。

ショウブには強い香りと刀のような葉には、邪気を払う力があるとされ、5月5日の端午の節句は「菖蒲の節句」とも云われている。
武家時代はショウブを「勝負」「尚武」(武道・軍事を重んじること)にかけて、男子がたくましく育つことを願う節句だった。
(西東社発行「花の歳時記」より)





この花は「ショウブ」として売っていたものを買ったのだが香りは全くしない。
花丈は80㎝もある。






これは「アヤメ」のわい性種で商品名は「三寸アヤメ」。
実際の花丈は30~40㎝だ。



さて、ショウブとアヤメの花の違いはどこなのだろうか。
アヤメは花弁の付け根に、黄色に青紫の網目の模様が入るのが特徴とある。
ショウブは花の付け根が黄色く網目はないとある。

違いはどこか良く観察したが、庭の『ショウブ』の花は付け根が黄色の特徴はなく、アヤメと同じ青紫の網目の模様が入る全く同じ特徴だった。

つまり、同じ品種だったのだ。
違いは草丈・花丈の大きさだけだった。


「ショウブ」と思って買ったのにどうして「アヤメ」と同じなの?と…。
ショウブ湯の体験からするとショウブには「香り」がある。
太い茎で葉丈も高いと云う理解だったが、花は見たことがなかった。
庭のショウブは香りもないし茎は太くもない。

 
 疑問は解けた。
上記の「花の歳時記」には

5/5 『健やかな成長を願って邪気祓い ショウブ(菖蒲)』
6/26『梅雨空のもと、濡れてつややかに咲く花 アヤメ(菖蒲)』
のタイトル。

ショウブもアヤメもどちらも漢字で書けば「菖蒲」となっていた。



説明には
『もともとアヤメと呼ばれていたのはショウブのほう。
ところがショウブと葉がそっくりで花が美しい現在のアヤメが「花アヤメ」と呼ばれ、ショウブは「アヤメ草」になりました。
次第にアヤメといったら「花アヤメ」を指すようになり、アヤメ草はショウブと名を変えたのです。
アヤメの名は花びらに網目模様(文目=あやめ)があることからついたといわれます』


と引用が長くなったが、飛鳥・奈良時代にはショウブは「あやめぐさ」と呼ばれていた歴史があると云う。


 ということで、この二枚の写真は「大きさの違う」アヤメ(菖蒲)ということが分かった。




2024/05/15
<デラシネ>