教育関係労働組合の友好団体である「千葉学校労働者合同組合」の方から報告をシェアさせていただきました。
N 市教育委員会が毎年 4 月に主催する会計年度任用職員対象の研修会(服務説明会)に参加しました。
業務ご とに行っていて、私の場合は算数数学学習指導員の集まりです。
研修の内容としては1、教職員の服務 2、わ いせつ、セクハラ、個人情報管理となっていました。
ただ、これも当日行って初めて分かりましたが、会の名称 は、不祥事根絶研修会でした。
実は、この研修会は 4 度目で、昨年もこの研修会に参加しました。
その冒頭で告げられたのが、「時間が限ら れているので、質問等がある方は、この研修会が終了後に各個人で、こちらまで来てほしい。」
とのことでした 。
1回目2回目の時も、研修会の冒頭にこのフレーズを聞かされました。
そのたびに、「この職務に従事する人 たちが、年にたった1回集まる貴重な機会であり、質疑応答の時間は絶対に必要な時間です。
必ずや有意義な時 間となることは確かなところなので、そのための時間はきちんと確保すべきです。」
と言ってきました。
しかし、3 回目の昨年もまたもやこのフレーズを聞くこととなりました。
自分の意見が無視され続けることに 意気消沈してしまい、そのまま何も言わずにやり過ごしてしまいました。
そのせいか、何点か「それはどうかな・・・」と心に引っかかるものが確かにあったのですが、
何も意見を言 うことなく時間が過ぎ去ってしまいました。
このことは、いつまでも心の中にもやもやと残り、すっきりとしない1年間を送ることになりました。
「あの 研修会で、講師はこんなこと言ってたんだよ。」と、誰かに愚痴ることもありましたが、心は晴れませんでした 。
◆何かあれば、必ず挙手して言うぞ!
昨年のずっと続いたもやもやは願い下げと、何かあれば必ず手を挙げようと思っていました。
要望したいこと もいくつか用意しておきました。
研修会がスタートしました。
まずは、冒頭のあいさつの「質問等は会が終わった後に各個人で・・・・」のフ レーズが出たら、すかさず意見を言おうと身構えていました。
が、なんと今年は、それが出てこなかったのです 。
えー!そのまま崩れ落ちそうになりましたが、ここはぐっと堪えて、次なる機会を窺うことにしました。
思いが詰まった会となったので、どこか気持ちが空回りしているようなところがありました。
現職を離れて十 年近くがたち、職員会議や研修会などの改まった席で、それも大勢の人の前で意見を言う機会がほとんどなくな っていたので、
自分の思いをどれだけ正確に言い切れるかは分かりませんでした。
でも、何もなしの無風状態に 何かしらの風を吹かせられればよしと思って、以下の3点について意見を言いました。
その1 「・・管理職がやんわりと言っても、それは職務命令になる。・・」にカチン
これは、講師の教育委員会の人が「法令及び上司の職務上の命令に従う意義」という項で付け加えた話です。
これには、カチンときました。
話が終わった後に、やんわりと手を上げました。
発言を止める動きや指名され たかどうかはよく覚えていません。
とにかく意見を言い始めました。
「現在の学校は、いろいろな身分・職種・職務の人たちが一緒になって協力して働いて成り立っています。そ して、それぞれの人が、
自分の職責を果たすべく、最大限の努力をはらって働いているのは確かなところです。
それなのにですよ、それらの人たちの思いや行為を管理職という学校の一部の業務しか担っていない人が、
やん わりとした一言で全否定して葬り去るとはなんとも失礼というか、
それをはるかに超えて、協力・共生の場にお いてはあってはならない行為といえます。また、それを、
こんな公の席で教育委員会の人が堂々と言い放つ N 市の教育はどこに向かおうとしているのか と疑いたくなります。過大解釈にも程があります。」
講師の教育委員会の人も、ちょいとまずいと感じたのか、
「そんなことがあなたの学校で起こったのですか。 そういう事例を示して下さい。」と返してきました。
暗に〈根拠のないことを軽々しく言うな〉とばかりにプレ ッシャーをかけてきました。
「事例云々ではなく、あなたの言ったことがそういうことを示している。」のだと返し、「学校の中では、いろ
いろな人が自由に意見を言い合えるそういう関係が望ましいですよね。」と確認して、ここはしめました。
その2 年休の次年度への繰り越し分は、校長か教育委員会が明確に示すこと
現在、N 市の会計年度任用職員には、年休の繰り越しの規定はあるものの、それを裏づける仕組みが整ってい ないので、上記の要望をしました。
返ってきた答えは、「各自で繰り越しの日数や時数を覚えておいて請求する ように」というものでした。
こんなあやふやな権利を誰が行使するというのでしょうか。
もし、間違えたらどうしようと思い、私でも躊躇 (ちゅうちょ)してしまいます。
任用通知書には、何年度の年休は何日と明確に示されているのですから、繰り 越し分の年休についても、同等の扱いが妥当なところのはずです。
後日、私の繰り越し分の年休をはっきりとさせたかったので、教頭を通して市教育委員会に問い合わせると、
すぐにも3日と3時間との答えが返ってきました。
すぐできることなのに、なぜやらないのか。
年休をできるだ け取らせないようにするためか。
その3 年度末の異動希望調査票に希望校名をかけるように
昨年度末から、この異動希望調査票の形式が、突然がらっと変わってしまいました。
それまでは希望する学校 名を書くことができるようになっていたのですが、地区名だけを書くようになってしまいました。
それも、市内 を4つの地区に分けた3つまでを書くというもので、ほぼ市内全域を網羅し、何のための希望かなという感じで す。
また、私たち算数数学学習指導員は、市内の小学校の算数か、中学校の数学のいずれかの学習支援に入るので すが、
この2つのどちらに入るかでは大きな違いがあり、本人の希望がはっきりとしないことにはミスマッチが 起こってしまい、
本人だけでなくこの制度自体のねらいにも大きなマイナス面を生じさせることになってしま います。
これについては、「検討していきます。」との答えでしたが、ここまでの経過からしますと、不安がいっぱいと いうところです。
◆研修会を終えて
帰りがけに一人の方が寄ってきて、「私も年休の繰り越し分が何日あるかなんて、わかりませんねえ。」といっ て声をかけてくれました。
研修会では、私以外の人の発言は全くありませんでしたが、こんなふうに私の発言が 他の人の心と共鳴して、
もくもくと何かが沸き上がってきたとしたら嬉しいなと思いました。
私としては、できはともかく、当初の目標を達成し、すっきりとした気分で会場を後にすることができました 。