ふたたび琉球列島が戦場に! ウクライナの現実をどう受け止めるか?

6月11日 明治学院大学白金キャンパスに行き 集会に参加しました。
この“つどい”は複数の団体の共催で、毎年開かれているそうです。 
会場は60人ほどでしたが、ZOOMでの参加もありました。

「ジュゴン保護キャンペーンセンター」の宮城しょう子さんの開会のあいさつ
司会者は「丸木美術館」の小寺隆幸さんです。


報告① 1959年宮森ジェット機墜落事件について 「宮森・630を伝える会」牛島貞満さんの報告 
ミルク給食時間中の宮森小学校に 空から米軍ジェット機のエンジンが突っ込み火が付いたジェット燃料が降り注いだ。
周辺の民家も巻き込み、18名の死者、多数の重軽傷者、そして数千人の心に傷を負わせた大惨事。
1999年に米軍報告書から事故原因は修理ミスと整備士のチェックミスと判明、しかし米軍は事故原因を未だに公表していない。

報告② 現地辺野古の闘い 水沢澄江さん 
水沢さんは辺野古に通い続け、カヌーで海上から埋め立てに抗議し続けている。
道路では工事トラックを通さない闘いが続く。
抗議する人数が多ければ、彼らの排除⁈に時間がかかり、その日の土砂等の搬入は阻止できる。
抗議する人々も高齢化が進み、いつまで活動できるかわからないが、歯を食いしばってがんばっている。
 

メインの講演 
演題は「南西諸島ミサイル要塞化」が沖縄にもたらす危険と国民的無関心
講師 川端俊一さん(ジャーナリスト 元朝日新聞記者)

今、奄美大島、宮古、石垣の3島で地対空・地対艦ミサイル基地の建設が進んでいる。
ミサイル基地建設の真の狙いは何か、台湾有事の際に日米共同で中国軍に対峙するためである。
米軍は台湾近海での中国艦船の行動を封じるために、同盟国日本とともに対艦ミサイル攻撃・対潜水艦戦・サイバー攻撃を駆使する戦略をとる。

さらに嘉手納基地などに中国がミサイル攻撃をする可能性を想定し、在日米軍の主力航空部隊はグアムまで退避することも検討されている。
もし米中の軍事衝突が起きれば、最前線で戦うのは自衛隊と米軍残留部隊である。
現に2018年に創設された自衛隊水陸機動団は今、米海兵隊と離島奪還のための過酷な合同訓練を繰り返しており、
辺野古新基地完成時には両者が共同使用するという密約が明らかになっている。

もちろん米中とも全面核戦争にエスカレートさせるつもりはない。
米国本土も中国本土も無傷のまま、台湾と沖縄での局地戦(今のウクライナのように)を経て停戦に持ち込むだろう。
そこで犠牲になるのは台湾と沖縄の民衆である。

2012年に防衛省が作成した「機動展開構想概案」では敵が石垣などの離島を占領した後に自衛隊が奪回するシナリオが示されているが、
「国民保護は自衛隊が主担任ではない」と明記されている。
石垣市は「石垣市国民保護計画」を作成しているが、5万の島民をすみやかに避難させる(どうやって?どこへ?)ことなどできないと、
頭を抱えている。

「軍隊と住民が渾然一体となったもとで苛烈な地上戦が行われ、多数の犠牲者を生んだ沖縄戦の再来」そして停戦の見通しがたたない、
現在のウクライナ戦争が 沖縄でも現実になる。

しかし、島民の想いは複雑だ、自衛隊の基地なら仕方ないのではないか と思う島民もいる。
仕事の少ない沖縄では自衛隊は若者の就職先でもある。

石垣市大本小学校6年生 当名航羽君は詩の中で、こう綴った。
 
山けずられ、自然がこわされ、どんどん、変わっていく。変わっていくことが、悲しい。そして、怖い。・・・
「基地」が作られることで、島が二つに分かれている。とても、悲しい。・・・
日本中、世界中から「基地」がなくなることが、僕が思う「平和」。


大人、子供関係なく「平和」について考えることはできる。
 考えることをやめてはいけない。・・・



この講演の演題の一つは「国民的無関心」
本土・沖縄世論調査の数字はここに書かないが、その差は歴然としている。

沖縄に米軍基地を集中させたことが大きな要因だろう。
沖縄への差別意識もある。

さらに新たな自衛隊基地を南西諸島に作り、ミサイル要塞化を進めるには「国民的無関心」が必要なのだ。
(つまり 無関心は作り出されている。)


この学習会で私が一番心動かされたことは 山城 博治さんのビデオメッセージだ。
山城さんは現場から 工事車両等の行きかう騒音の中、赤銅色の肌、しわがれた声、
他の団体の音声が混在する中で、はっきりと届くメッセージを伝えてきた。

「今度の選挙で、勢いをつけた改憲勢力が 憲法改悪をすれば、沖縄はますます苦境に立たされる。」       



―O.K―