
東京新聞がサンデー版の「世界と日本 大図解シリーズ No.1240」で「若者の選挙権」をとりあげていました。
日本でも今年の夏の国政選挙から18才と19才が投票可能になります。
すでに世界では、およそ9割の国が18才から選挙権があります。
国によってそれぞれが抱えた課題も異なりますが、成人年令や他の法律の関係等々も絡むため今後の展開が注目されます。
日本の「18才選挙権」は、当事者はもとより主権者の要求の高まりがそうさせたと言うより、世界の傾向に合わせたという感があります。
いわゆるグローバル・スタンダードです。
そして、あえて付け加えるなら、「憲法改正国民投票法」という改憲を目指すために作られた法律が18才以上と規定したことが直接的な契機となったのは皮肉なことです。
ところが、選挙年令を引き下げた諸外国の事例を見ると、引き下げ年の前と後を投票率で比較してほとんどの国が引き下げ後に投票率全体が低下しているというショッキングな事実に気付きます。
必ずしも選挙権年令の引き下げが、政治への関心を高めることには繋がっていないのです。
もっとも、選挙することだけが政治ではありませんので一概に投票率だけで断言することはできませんが、政治意識のバロメーターであるし、実際に選挙によって国の政治や身の回りの生活環境も決められてしまうことを考えると決して軽視してはなりません。
ドイツでは、18才~20才の方が21才~24才より投票率が高いという結果が示されれいました。
これは、学校教育の影響力が残るより若い層が関心が高いし、まだ親と同居しているであろう若者が親たちの影響を受けて投票率を上げているということも考えられます。
果たして日本ではどうなるか興味深いのですが、最近の衆議院選挙の投票率を見ると、20才~24才の投票率は平均しておよそ30%で上のどの世代よりも低くなっています。
ちなみに、投票率は年令とともに上昇し70才~74才でピークに達し、およそ70%に届くほど高まります。
ドイツの同様の調査では60才~69才が80%近くでピークですから、全体的に低いとは言え政治参加の高年令化では日本が上回っていると言えます。
この様なデータだけでは生身の政治は見えてきませんが、その国の社会・政治状況を反映したある種の意識調査を見る様な思いに駆られます。
「投票したところで、生活や政治は変わらない」とする若者の存在が容易に想像できます。
革命やクーデターの様に物理的に形を変えることだけが変化ではなく、またそれも以後の政治運営は時間がかかるものですが、自分の生きてきた時間の短さから若者は時間の経過を長く感じ、選挙で政治を変えるなんていう地道な方法をウザったく感じるのかもしれません。
また、政治を自分たちの身近に感じていないのかもしれません。
高齢者は否が応にも自分自身の体状況をはじめ、多くの場面で政治の現実を感じているのでしょう。
しかし、若者を取り囲む社会の状況は彼ら自身に何の問題意識も感じさせていないのでしょうか・・・・?
低賃金・不安定雇用・非正規労働・長時間労働・年金不安・・・・、これらは若者に大きな不安要素として存在しているのではないでしょうか。
また、学生にあっても高い学費や生活費に困窮して、頼りの奨学金も後々借金地獄に突き落とされるという許しがたい現実もあります。
学園闘争が勃発しないのが不思議なくらいです・・・・・。
今、アメリカでは大統領選挙に関わる民主・共和の党員集会や選挙が行われていますが、民主党のバーニー・サンダース氏は学生を中心にした若者から圧倒的支持を受けています。
格差拡大に強硬に異議を唱え、TPPには反対し、公立大学の無料化等を主張しています。
こんな74才を学生中心の若者たちは熱狂的に応援しているのです。
日本以上に格差社会が進行するアメリカにあっては当然なのかもしれません。
日本でもSEALDs旋風とも言うべき動きが次第に若者を政治に目を開かせています。
しかし、まだまだ動きは小さく限られています。
18才選挙権を機に、大きく飛躍してほしいと思います。
日本の選挙権の歴史を見ると、その歩みは大日本帝国憲法が発布されてから45年経って初めて男女平等の完全普通選挙が実現しています。
つまり、第二次世界大戦に敗戦した後のことです。
それから何と70年経過して、ようやく世界標準の18才選挙権に到達したのです。
国の政治が、ごくごく一部の特権者階級に牛耳られていた過去の歴史を振り返るならば、今、手にした選挙権を有効に活かさない手はありません。
既に小学生から主権者教育は始まっています。
高校生に主権者意識が育たないはずはありません。
高校生の政治活動を規制する動きが活発ですが、それが政治の動きなのです。
だから、身近に政治が関わっているのです。
そんな抑圧こそ突破するのが若者です。
今こそ権力の攻撃を打ち破って主権者の心意気を示す時です。
若者たちよ、選挙に行こう!!
<すばる>