
オモトは日本の東海道以西の暖かい山地に自生する常緑の多年草である。
根茎は太く短く、太めのひげ根があり有毒である。
オモトは漢字で万年青と書くように、いつも青々とした葉を付けている。
そのため花や実ではなく、斑入りや縞の入った葉を観賞の対象としている。
万年青は古典園芸植物として、昔から観賞用として栽培されていた。
古くは徳川家康が江戸城に入るとき、農民が献上したという説と家臣が献上したという説がある。
家康は万年青を大切にしたので、大名や庶民にも広がったと云われている。
文化文政時代のころには、縞(しま)の入ったものや矮性(形の小さいもの)のものも栽培された。
それらが利殖の対象となり、一芽百両という値段が付くものも出て売買禁止令が出たという。
明治になって万年青の栽培は武士階級から富裕層に移ったが、一鉢千円(今の一億円)という値段がついた例もあり投機的な要素のある植物だったと云える。
写真の大きい鉢の万年青は、25年前に知人から一株貰って増やした朝鮮産の万年青である。
小さい鉢の万年青は、30年前に学校の花壇の隅に捨てられていたのを戴いてきて5~6株に増やした一つである。
いずれも戴いたものなので、たいした値段ではないと思うがちょっぴり期待もしてみたい。
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