《ネット支持が多かったのは》
反原発の二人に比べ、田母神氏の得票数は意外と「多い」という気がした。
ネットユーザーの支持率が圧倒的に多く、20~30代の得票数が多かったという。
嫌韓・嫌中、国防など石原氏が真っ先に支持した候補者だが、メディアは「私は怖そうに見えるけど、本当は優しい人なんです」という映像を流し、「秘密保護法は必要」「憲法9条を変える」などの本音を覆い隠し彼のイメージアップに尽くした。
若者の中に嫌韓・嫌中の排外思考が広がっているのかも知れない。
彼を応援したNHK経営委員の百田氏が田母神氏以外の候補者は、「人間のクズ」と何度も選挙カーから言ったことをメディアは何処も取り上げていない。
他の候補が「人間のクズ」になるのか、経営委員としての資質を聞いた有田議員に、安倍首相は「聞いてないから知らないと」居丈だけに開き直った。
《高齢者と女性の支持は正しい選択だったのか》
舛添氏は親の介護をしたという一点からなのか、60~70代の支持と保育の待機児童解消など福祉でも女性票の支持が多かった。
しかし、「女は生理の時は異常だ」「カネを持っている奴らジジ・ババからカネを取るために消費税を上げろ」など、女性蔑視・老人蔑視・弱者蔑視の発言は非常に多い。
そんな彼に一票を投じた高齢者や女性は舛添氏の本音を知らない。
ここでもメディアは、保育児を持つ女性に声をかける姿や高齢者が大勢集う商店街を練り歩く姿を放映しイメージアップを造り上げる。
こんな風にメディアは、放映の公平と称しながら放映する映像を意図的に操作している。
「東京オリンピック」で介護や保育など弱者への社会保障をとことん削ってきた石原・猪瀬都政を受け継ぎ、「世界一の都市・東京」を訴える舛添氏に「弱者救済の福祉」は期待できそうもないのだが。
《都議選の結果から思うこと》
細川氏の反原発の訴えに60代の支持が多く、20~30代の得票率が極端に低かったという事実。
憲法改悪と集団的自衛権を訴え、徴兵制も言い兼ねない田母神氏を20~30代の若者層の得票率が高かったこと。
女性蔑視、老人蔑視、弱者に冷淡な舛添氏を高齢者や女性が多く支持したという今回の都議選の結果は、どのような未来像を描いていくのか、都民だけでなく国民に課せられた課題ではないのか。
<F>