福島県民15万人は2年7カ月経ったというのに未だ帰ることができません。
自分の住みかへの。
フクシマ以外の宮城、岩手の人々は猛烈な津波に飲み込まれ、たくさんの命、財産を持って行かれはしたけれども、「復興」を合言葉に、一日一日と以前のふるさとを取り戻しつつあります。
同じ被災地ですが、大きな大きな違いです。
なぜなのでしょうか?!
そうです。
人間の手には負えない放射能のせいなのです。
人は自然界から1年間に1ミリシーベルトの放射能を浴びるといわれています。
フクイチではどうでしょうか?
いたるところに100ミリシーベルトを超える高い放射線量の場所が点在しているということです。
1時間で10ミリシーベルトを浴びてしまうこともあるといいます。
仕事にもよるのでしょうが、一般に1日仕事をすると2ミリシーベルトを浴びるようです、フクイチで働く労働者は。
これは何と一般人が自然界から浴びる量の2倍、すなわち1日で2年分の放射能を浴びていることになります。
これは大変なことです。
そして、原発で働く労働者は年間50ミリシーベルトを超えるとその年はもう原発で働くことができない決まりとなっています。
だから、起こるのです。
浴びた線量のごまかしが・・・線量計を鉛で包んで作業するなんていうことも報じられてきました。
今全国の原発は点検のためにとまっています。
そこにはフクイチで働く労働者と同じように線量を浴びつつ、連日作業に当たっている人がいます。
原発は「被曝する労働者なし」には動かないのです。
フクイチで働く労働者はたくさん必要です。
大量の線量の中で働かなくてはならないのですから。
しかし、原発で働く労働者の人数には限りがあります。
しかも、1年間に浴びてもよい放射線量も決められているのです。
50ミリシーベルトと。
この数字は自然界から浴びる線量の50倍。
すなわち、50年間分の放射線を浴びることに他なりません。
放射線は浴びれば浴びるほど体に悪影響を与える代物であることはよく知られているところです。
こうして年間線量をオーバーした原発労働者はお払い箱となり、切り捨てられ、棄民となっていくのです。
しかし、何度でも言いますが、原発は「被曝労働者」で成り立つのです。
いや、「被曝労働なし」には「動かすことのできない代物」。
これこそが「原発」なのです。
とにかく被曝を厭わない人が必要です。ここで、今、一生懸命に交渉しているTPPの登場です。
TPPは食料問題としてとらえられることが多いのですが、さにあらず。
保険、医療、人材など多岐にわたっています。
少子高齢化の日本において高齢者の介護の問題が喫緊の課題。
だから、この分野で働いてもらおうと考えているのだろうと、当初私は想像してはいました。
しかし、フクイチの収束が思うようにいかず、それどころではなくなってしまったのです。
介護には人が必要ですが、フクイチの収束のためには、絶対に労働者が必要なのです。
しかも、ここで働く日本人には限りがあります。
そうです。
だから、TPPなのです。
加盟国の人々に来てもらって被曝労働に従事させるのです。
これなら、労働者を確保することができます。
しかも、低賃金で。
先日水俣で開催された「水銀に関する水俣条約」を採択したの世界大会。
安倍首相もこれに対しメッセージを出したにもかかわらず、「放射能の人体への悪影響」に対しては頬かぶり。
こんな人を選んだのはまさしく国民。
でも、政権党である自民党を支持している人は国民の4分の1。
25%。75%、国民の4分の3は支持していないというこの事実。
ちょっと前まで「30年後には原発をゼロに」が日本の国是になったと思っていたら、自民党になった途端、「原発ゼロ」なんて言葉は忘却の彼方へ。
残り少ない高額なウランを輸入し、使用済み核燃料の最終処分場も決まらない、捨てることの、処分することのできないごみを抱える日本。
地震もあり、津波もある日本、地殻変動の激しい日本。
そして何と言っても世界唯一の被爆国である日本が、「ノーモア、ヒロシマ、ナガサキ」と言い続けてきた日本が「被曝労働なしには動かない」と言っても過言ではない原発をまだ続けようとしているのです。
本当にこれでよいのでしょうか?
こんなことが許されてよいものなのでしょうか・・・・・?
<いと、おかし>