引き続き“円安”のことについて考えていこう。

よくニュースなどに取り上げられる業種として自動車・家電メーカーがある。
円高だと売上が落ちて、利益が削減されるとのこと。
なるほど輸出する企業だからそうなのか。
と単純な私などは思っていた。

でもよく考えるとトヨタ自動車などは円高であっても天文学的な利益を生み出していたのである。
その利益を内部保留にして何兆円も溜め込んでおいて、労働者には微々たるものすら還元しない。
円安よりそのことのほうが利益としては大きいのではないか。
(そうした企業が円安になったからといって私たちにどれほどの恩恵があるのだろう。)

また家電メーカーの不振は円高という問題よりテレビや白物家電・ゲームに重きを置いた製品作りの誤りによって生まれたものである。
ソニーの没落とアップルの成長がそれを示している。

現在の円安は意図的に作られたものである。
そんな状況が長く続くことは決してない。
私の乏しい経済知識でも通貨の状況は経済の状況が生み出すものであって、景気が良くなれば円高になり、景気が悪くなれば円安になる。

デフレのところでも言ったが、因果関係が逆なのである。
景気を良くすれば必然的に円高になるのであるから、景気をよくしない方が円安のままでいられるかも。
じゃずっと景気は悪いまま、自己矛盾になってしまう。

円安のまま景気が良くなり、労働者の賃金も上がり、消費税が上がっても物価は上がらず、国の借金が1000兆円を超えてもまだまだ借金を続けられる。
そんな社会であればひょっとすると政府や役人、そして経済学者などはいらないんじゃないの?
そうか!それならそれもいい。
 

<T.O>