学校現場の第一線を退き、今は非常勤や時間講師や介助や理科支援等をしている者たちが集う機会があった。
つまり、昔仲間の飲み会である。
現役最後の職種や立場は色々であるだけにこの会は面白い。
その日の話題は、「今の学校はどうしようもない連中ばかり」という内容だった。
Aさん曰く、「私が今行ってる学校は悲惨だよ。校長は行政経験が長く現場のことを良く知らないし、副は真面目一本のエリートコースあがりだし、教務は経験不足で校長の顔色ばかり伺ってるし・・・」
そう、この職場に限らず最近の多くの学校は、いわゆる経験不足というか若い時に激論を交わしたり奔放な体験をしたことのない教員が増えてきたようだ。
何でもそつなくこなすが冒険はしない、お利口さんタイプの教員といってもいいかもしれない。
Aさんの話によると、こんな感じだ。
校長はそれなりに若手に気を使って彼らの創造性に期待しているようだが、若手は勝手気ままに実践することはせず、いちいち校長にお伺いを立ててから行動している。
職員会議も闊達な議論はない。
企画委員会でほぼ決まり、若手が反旗を翻すようなことは絶対ない。
年齢構成が50代は2人で40代が1人、30代が3人で残りは全て20代という極端に若い職員で構成されている。
運営組織はピラミッド型ではないが、(リーダーシップを執れない)教務・生活指導以外はトップがおらずほとんど係分担制になっており、ある意味では管理職以外はみな同等という「民主的」な組織である。
ところが、これが開かれた民主制ではなく競争する自由みたいな平等主義である。
一見、仲が良さそうだが、根本のところでは繋がりがなく、自分の成果を上げることに汲々としている様な状態とのこと。
組合がない集団の典型的な姿なのかもしれない。
これは校長にとっては好都合なのかもしれないが、彼が期待する成果は上がらないという皮肉な結果しか残らない。
しかし、これは当然である。
学校というところは、横の繋がりがなければ本当の意味で成果など上がるはずはない。
言うところの協力協働である。
残念ながら現場経験の浅い観念主義の校長は、本当の意味で若い職員を自由で開放的にはさせていないのだ。
Bさんの勤めてる学校でも似たような話であった。
違うのは、そこの若手はけっこう横のつながりがあって、よく飲みに出かけたりもしているらしい。
ちなみに、Aさんの所は管理職を祭り上げての飲み会がほとんだとのこと。
Bさん曰く、「うちは若い連中が元気で仲がよく、しょっちゅう放課後にスポーツをやったりしてるよ。ただ、おじさんおばさん連中とは距離を置きたがってる。何か言われたくないんだろうな。その結果、みんなドングリの背比べって感じだな。おかげで子どもたちは荒れ放題・・・」
なるほど、ベテラン連中が一定数を占めているとそこを避けて固まれるのか・・・。
もしかしたら、その連中はまだ可能性があるかもしれない。
Aさんの所と比べれば・・・。
でも、今のままではここも協力協同体制が組まれることなく質の低い職員集団として終わってしまう。
しかし、Bさんの所のベテラン連中は何やってんだ?
嫌われてもいいから若手の中に入って行って、自分の仕事観やらノウハウやら示していけばいいのにと思う。
若手だって、感性に響く何かが発せられたら受け止めるものは持っているかもしれない。
近頃増えてきた若手にあまり気を使う必要なんてない。
逆に気を使わせてやればいいのだ、おじさんおばさんがもっと自信を持ってドンと撃って出ればいいのだ。
次々に所属する学校の実態が話された。
どこから手をつけたら良いものやら、その解決策を真面目に話し合うところまでは至らず酔が回ってしまった。
<やったるで>