暑さも峠を越した感じがする。
真夏には勢いのあった蝉の声も、日毎に弱々しく聞こえてくる。
朝夕も涼しくなり、代わって虫たちが元気よく鳴き始めてきた。
季節の移ろいを感じるひと時である。
猛暑で思考停止状態だった私の頭脳も、徐々に機能回復してきた。
記録的な猛暑・極端な小雨・局地的豪雨など、今年の夏は異常続きだった。
どれも甚大な被害を、多くの人々にもたらした。
熱中症で命を落とした方も多かったと聞く。
家にいると1日中エアコンを作動するし、外は立ちくらみする程の暑さで耐えられない。
快適な涼を求め、新聞・週刊誌・雑誌が無料で購読できる公立図書館に、さして仕事の無くなった団塊世代は殺到する。
税金も払っているのだし、利用するのは当然のことである。
涼しいし一日いても良い。
年金の節約にもなり、知的欲求も十分満たされる。
家族にも感謝される。まさに最高のオアシスと云えよう。
しかし、毎日通っていると飽きてくる。
同じような世代の見慣れた顔ばかりが気になってくる。
気分を変えよう。
たまにはお金も使わないとダメになる。
そうだ!喫茶店がある。
団塊世代は何より喫茶店が好きなのだ。
昔は喫茶店が最高の場所だった。
彼女との待ち合わせも、仕事の話や同僚との議論の場としても、喫茶店は青春時代のオアシスそのものだった。涼しいし今も快適に違いない。
読み残した本でも持っていき、コーヒーと軽食で充実した時が過ごせるだろうと・・・。
でも、通い続けるとここも飽きてくる。
やはり、似たような見慣れた顔が気になってくるのだ。
みんな同じこと思っているのかと。
うーん。
何かが違う。
ここも自分の居場所ではないと・・・。
人と関わらないで誰とも喋らず、一人で気ままに過ごすことは、限界があるのだと気付くが、さて、漂流地を何処に求めたら良いのか。
思案している方に男性が多いのでは・・・。
(続く)