20代以上の男女の約4割が「生活が苦しい」と感じ、ゆとりがあるのは1割弱。

今日公表されたこの調査結果は、厚生労働省の国立社会保障・人口問題研究所による「生活と支え合いに関する調査」で、5年ごとに行われ、今回は昨年7月に実施。
つまり、民主党政権時代に行われたものだ。

全国約1万1000世帯、20歳以上の約2万1000人が回答した。

現在の暮らし向きについて3割が「やや苦しい」と回答し、「大変苦しい」が1割あった。
一方で「ややゆとりがある」「大変ゆとりがある」は合わせて1割弱にすぎなかった。
残りの約半数は「普通」と答えた。

できたら、今の時点でもう一度同じ調査をしてみるといい。
安倍政権で、「生活にゆとりがある」が「苦しい」を上回るだろうか?

政治はその国の人々を幸せにするために為されなければならない。
「生活が苦しい」という者が多かったらそれを改善しなければならない。
そのための経済政策はとても重要だ。

「お金より命」というキャッチコピーは、お金がなくても良いのではなく命を最優先するための経済策を求めてのことだった。
株価をつり上げたり(原発も含む)輸出産業を振興したりして、その結果儲かった一部を国民に・・・といった政策を批判したものなのだ。

非正規労働者が2000万人を超えたというのは、つい最近のことである。
言うまでもなく生活の苦しさは、このことと密接に絡んでいる。

ところが、「生活保護費」は減額される。
正規労働者だって、大半は賃金が減らされている。
他方、税や社会保険料はじわじわと増額されているのだ。

円安でガソリン価格がどんどん値上がりする等、諸物価が上がって出費が嵩み生活は確実に苦しい方へ向かっている。
参議院選挙前の各種調査でも、「良くなった生活実感がない」という声が多かった。

それでも、安倍政権は信任されたというわけだ。

日銀総裁や政府の財政担当者、そして財界指導者たちが口をそろえて言うのは、「賃金は一番最後に付いてくる」という言葉だ。
これに、有権者の大半はしてやられたのであろうか。

まず企業に儲けさせる。
事故を起こした東電だって役員を中心に高額の給料を支払う。
一般の労働者は、今は我慢して働け!
そのうち、少しは給料も上がるから・・・。

しかし、仮に給料が上がっても物価や税金も上がるから、またしても、「生活が苦しい」状態は変わらないこととなる。

今後、次の国政選挙までの間に、私たちは「経済」も正面から政策対案を作成しつつ現政権と対峙していくことが重要である。
言わずもがではあるが、「経済」はそれだけを切り離して論じるのではなく、人々が生きていくための全ての要素を関連させた総合的な政策の中で構築されていくべきである。

資本主義社会に生きる私たちにとって、生産手段をはじめ様々な面でアドバンテージを握られているのは辛いことではあるが、脱原発エネルギーを生み出す産業に関わる等、資本主義にあっても哲学を重んじる発想を大切にしながら進みたいものである。
そのために、志を同じくする多くの人々と様々な知恵と力を出し合って協同政策を編み出していこうではないか。




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