5月30日のブログで、東京タワーで開催された「世界記憶遺産 山本作兵衛展」①②を紹介したが、それがドキュメンタリー番組として放送されることになった。
(15日 15時55分からTBSテレビで放映)

7月8日の東京新聞には、次のように紹介されている。
記録映画「三池 終わらない炭鉱の物語の監督で知られる映像ジャーナリスト・熊谷裕子さん(62)が、ドキュメンタリー番組「世界記憶遺産 山本作兵衛からのメッセージ 炭鉱絵師がつなぐ未来」を撮り、15日TBSで放送されるとある。

また、熊谷さんは「三池終わらない炭鉱の物語」を2005年に完成させ、著書「むかし原発いま炭鉱 三池から日本を掘る」を執筆中、福島第一原発事故と山本作兵衛の世界記憶遺産のニュースに接したという。
『炭鉱は文化を生み出したが、原発は文化を生み出さなかった』 と熊谷さんは語る。

この番組は過去の話ではなく、現在と未来を強く意識して制作したという。
現在も掘られている北海道・釧路炭鉱やベトナムの炭鉱も取材。
真っ黒な指で作兵衛の画集をめくり、「自分たちと同じだ」と目を輝かせるベトナム人炭鉱労働者の表情が印象的と紹介されている。
見る価値のある番組と思うし、録画して多くの人たちに見てもらいたいと思う。

奇しくも、9日福島第一原発の元所長吉田昌郎さんが亡くなった。
まだ、58才の若さである。
彼が東電本社の指示を無視して、原子炉への海水注入を決断しなかったならば、もっと悲惨な状況を招いて違いない。
チェルノブイリの10倍の悲惨な事故になる。
日本は放射能被害で三分割されると言っていたそうだ。

決死の覚悟で現場指揮を行い、放射能を大量に浴びていたであろう吉田所長と、ベント開閉のために決死隊として原子炉に突入した現場作業員の命をかけた行為を私たちは、忘れてはならない。

しかし、吉田所長の食道がん死を東電は、被爆上限の250ミリシーベルトの範囲内の70ミリシーベルトの被爆量だから、原発事故との関連は低いと説明としている。
許せないことである。
彼の崇高な死を、科学的根拠のない数字に置き換えて良いのか怒りを感じてならない。

「命より金」「金こそ命」という体質の東電や安倍自公政権は、福島の原発被災者15万人の生活をないがしろにしたまま、原発再稼働に向かって邁進している。

吉田元所長の被爆による死を無駄にしないためにも、また憲法改悪・TPPなど、日本の進路を危険な方向に導こうとする安倍自公政権に「反対」の意思を示すためにも、今回の参議院選挙は重要と思う。
投票しない行為は、今の生活や現状を結果的に容認することと同じであり、低い投票率の結果で、日本の進路が決められていくことに一人ひとりが終止符を打たねばならないときと思う。


〈F〉