各種の世論調査によると、阿部内閣の支持率は衰えることなく、ある最新調査によると76.3%にも達しています。
この世論調査という代物は実にやっかいなもので、ある種の意図を持ってすれば一定程度の願望を満たす結果が得られものです。
しかし、世論調査に様々な欠陥があるにせよ、これだけの人々が安倍氏のやり方を支持しているのは事実だと思います。
支持の理由もいくつかあげられていますが、その一つに「円安・株高」傾向の続くことが好感をもって受け取られているようです。
テレビのニュース等でも、一般投資家がニコニコ顔で「阿倍さんのおかげで儲けが出ました」とか、「みんな(景気が)良くなったと思ってるんじゃないですか」とか、「例年より高い花見弁当が売れている」等々の映像を流しています。
他方で、「生活が向上した実感がない」という人々が多いのも事実のようです。
かと言って、満足派と不満派に二極化させてるわけでもなく、全体的に世の中に「幸せ感」が垂れ流されているような感じがします。
財政出動と金融緩和の「二本の矢」を放った結果が凶と出るか吉と出るかは別問題として、アベノミクスと言われている政策で人々は幸せになれているのでしょうか。
私個人の場合で検証しても、ガソリン代や電気代等の諸物価は上がっても給与は下がり年金も下がっいます。
今後、消費税は上がりこそすれ収入は決して増えることはなく、円安で儲けることもできないし株も持ってないから配当金を得ることもできません。
確実に経済生活は悪化します。
実態は、かつての「一億中流社会」にすら及ばないのが、アベノミクスに浮かれる現在の格差社会ではないでしょうか。
虐げられている人々は決してメディアに取り上げられないし、自ら声を出す機会や手段すら奪われていると言ってもよいでしょう。
経済一つとっても大多数の生活は良くなってないのに、労働現場や「教育」を見回すとさらに悪化しているのが現実です。
皆さんが指摘してるように、原発事故は収束どころか依然として危険な状況は続いています。
ネズミで停電したり、大量の汚染水漏れ事故を起こしても当の東電や政府に危機感は見えません。
ですから、阿倍内閣を支持するような多くの「国民」にも当然ながら問題意識がないのでしょう。
民主党時代のあの「国民的」脱原発の高まりは虚構だったと言われても仕方ない現状です。
少しでも安全な場所に移転すべき人々が多数存在しているにも関わらず、政府や東電は責任を未だに放棄したままです。
移転したくてもその費用や生活を補償するものは何もありません。
阿倍内閣を支持する人々は、その辺りのことを見ようとしてないのかもしれません。
株高に喜ぶ人々がいるなら、その利益をフクシマに回せとは言えませんが、少しは想像力を巡らせて欲しいものです。
せめて安倍氏には、「アベノミクスでフクシマを救え」と言って欲しいのです。
自分だけ幸せならそれで良しとするのでは、「美しい心」とは言えないし、「美しい国」なんかになれるはずがありません。
声を大にして訴えたいです。
円安・株高でうかれてる場合じゃないでしょ!
円安・株高で今の私たちは決して豊かにはなれません!
心も懐も……。
〈西〉