
3.23原発のない福島を! 3.23県民大集会に参加した。
東京から福島市までバスで約4時間余り。
車中では福島原発事故の現状と今後と題する講演と学習が行われた。
「たんぽぽ舎副代表」山崎久隆さんの講演・学習は、福島原発の危機的な状況が刻銘に伝わり、事故が何一つ収束していないことを伝えてくれた。
セシウムなど放射性物質は、今も毎時100万から1000万ベクレル放出しており、原子炉内部に溜まっている核燃料を冷やす為に毎日480トンもの水を注入している。
これが膨大な量の汚染水として溜まり、タンクから漏れ出す危険性もある。地下に流失している汚染水は地下水に流れ込み、汚染をいっそう拡大している。
もっとも危険極まりないのが、使用済み核燃料棒の処理が何一つ進んでいないことである。
1号機から4号機まで使用済み核燃料プールには、3100体以上の核燃料棒がある。
4号機は燃料プールがむき出し状態であり、3.11と同様の地震や津波がくれば、首都圏のみならず関東・東北全域が高濃度の放射能に汚染され、全住民避難という大惨事になることは容易に予測がつく。
放射能の被害は環境汚染を引き起こし、何世代にもわたり人々を苦しめる。
障害をもった新生児の誕生や子どもの甲状腺がんの増加、食品からの内部被爆など、今後予測される低線量被爆による様々な影響も懸念される。現に甲状腺障害の子どもは見つかっている。
事故後26年も経っているが、チェルノブイリ原発の30キロ圏内は、放射線量が高く今も人が住めない居住禁止区域になっている。
子ども達の甲状腺がんも、5年を過ぎて一気に数が増加している。
ベラルーシでは身体の抵抗力が落ちて、ちょっとしたことでも様々な病気になってしまう「チェルノブイリ・エイズ」と呼ばれる症状が、増加していると云う。
未熟児・早産・死産・先天性異常などの出産に関わる影響も増えているそうである。
しかし、安倍首相は政権の座につくや原発再稼働を表明し、経済界やマスメディアはいち早くその方向を受け入れた。
原発30Km圏内はふるさとに戻って、生活を再建できる希望も展望も奪われており、金銭的な生活補償も代替地の補償もない。
住まいも生活もままならない避難民が福島だけで15万人もいるというのに。
マスコミの多くは原発はいらないという多くの国民の声をないがしろにしている。
絆・復興・一時帰宅・放射線管理地域の解除・帰村など将来への明るい展望があるかのように報道し、原発事故がまるでたいしたことで無かったかのように、収束の方向に世論を大きく誘導している。
騙されてはいけない。
放射能は今も原発から毎日吐き出され、撒き散らされている。
福島第一原発の状況は大量の水を注水して、核燃料の暴走を沈めているだけのことであり、沈静化しているわけでもない。
安全など永遠にありえないことだ。
福島を忘れてはいけない。
そして原発という時限爆弾がまた爆発する日は、明日かもしれないという危機感を持つことも忘れてはならない。
今の一時期が、日本列島壊滅前夜のつかの間の静寂状況だったと、誰しも後悔しない為にも再稼働を容認してはならない。
そんなことを思いつつ、とても実のある学習でした。
「たんぽぽ舎副代表」山崎久隆さんに感謝します。
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