「物から人へ」というキャッチフレーズで始まった民主党政権。
誰もができうる限り同じラインからスタートできるように格差を是正しようとしてきた。
その一環としての「高校無償化」。
公立高校は、無償化され、私立高校に対しても補助金のような形で公立学校の授業料相当額が各個人に支払わる。そして、一条校ではない各種学校に位置づけられる外国人学校においてもその対象として念頭に置かれていたのは紛れもない事実だ。
ところがこともあろうに制度施行の直前になって、「『朝鮮学校のみ適用を先延ばしにする』という差別的措置を決定した」のは記憶に新しいことである。
その後、対象校の指定に当たっては「外交上の配慮など」を介入させるべきではないという議論は起きたが、先延ばしされ続けてきたという経緯がある。
この3月、朝鮮学校以外の日本に学ぶすべての高校生が2010年4月来の「高校無償化」制度の恩恵を受け、高校を巣立っていった。
そしてまた、朝鮮高校の生徒だけが政府が決めた「高校無償化」の適用から除外されたまま、卒業式を迎えたのである。
当該生徒たちはどんな思いで高校を巣立っていったであろうか?
1年生の時、自民党政権時より「人にやさしい」新たな政権が発足して「高校無償化」が決まり、「私たちも当たり前に受けられる」という期待感を持たされ、お預けを食らう。
この時の気持ちは如何ばかりか!?そして、街頭で訴える。
駅頭で訴える。
「朝鮮高校だけ無償化が適用されないことへの理不尽さを。」
高校生。
弁当を持って学校へ行き、授業を受ける。
放課後は部活に汗を流す。
自宅へ帰る前に仲間とコンビニへ、ファストフード店へ。
おしゃべり。
部活の事、気になる彼氏、彼女のこと、バイトのことet c・・・そして、自宅で明日の予習、スヤスヤ…こんな日々が続くはずなのだが、朝鮮高校生には先ほど述べたことがプラスされる。
街頭での訴え、署名活動。
それだけでない。
それどころか、すぐに適用しない民主党政権に対し不信感を持つ。
それを支える日本人に対して違和感を覚える。
どうして私たちだけが・・・やるせないばかりか、怒りを抱くのが当たり前なのではないだろうか!!
朝鮮高校の生徒が何をしたというのか!!
拉致をしたり、ミサイル飛ばしたりしているのは、朝鮮民主主義人民共和国であり、日本で生まれ、育ち、学ぶ、朝鮮学校の高校生には何の関係もない!!
彼らはただただ高校生として勉学に励む人たちなのだ。
日本にいる無償化適用されている生徒と何ら変わりないのである。
この日本という国が国連人権規約違反をし、国連憲章も守らず、そしてまた、子どもの権利条約を批准しておきながら、それを反古にする。
何ともけったいな国である。
国際社会において笑いものにされてしまうようなそういう国なのであることを認識せざるを得ない。
本当に恥ずかしい国である。
昨年12月自民党政権となり、より一層の差別を朝鮮学校に対してしている。
朝鮮学校を高校無償化から排除するために「高校無償化」の省令を改悪したからである。
その理由として、下村文科大臣は「拉致問題に進展がないから」等としている。
「下村文科大臣、あなたは先日の62次教研集会あいさつでのお言葉をもうお忘れか?」
「体罰を禁止するための指導の徹底、いじめ等の問題を解決するための教育相談体制の充実」等の言葉を。
朝鮮学校高校生に対し、全く関係ない理由で、難癖を付けて「高校無償化」から排除するそのやり方=体罰そのものだと言わざるを得ない。
真摯に学ぼうとする子どもたちの心をどんなにか傷つけていることか・・・
感受性の強い年頃の子どもたちに対してなんてとんでもないことを・・・
と同時にこの「国家による朝鮮学校高校生への高校無償化からの排除」は、すなわち「いじめ」そのものでもある。
あなたはあいさつの中で「いじめ等の問題を解決するための教育相談体制の充実」という言葉を使っていた。
「いじめを解決する」のではなしに「国家が『いじめ』をしてどうする?!」本末転倒なことだ。
国家自らが平気でいじめをする、差別をするところでは、国中いたるところで四六時中、いじめや差別が起こっても不思議ではない。
だってそれを推奨しているのが、先頭切ってやっているのが「国家」なのですから。残念ながら・・・
もういっぺん言いたい。
いや何度でも言いたい。
「国家が差別を推奨してどうする!!」と。
差別感はすぐに戦争に繋がっていくのだから。
日本の危険な歩みを立ち止まらせよう。
立ち止まって周りを眺めること、一息入れること、足元を確認すること、とってもとっても大切なことと思います。
<話がきけん?!>