
私たち江戸川区教組は、江戸川区平和運動センターに参加して区内外の平和運動を他団体や区民と協同で推進しています。
今年もまたあの日がやってきました。
それまで15年間続けてきた、アジア太平洋地域への日本軍国主義の侵略行為が終末を迎えようとしていた頃です。
1945年3月9日深夜から10日未明にかけて、アメリカ軍の爆撃機B29による大規模な爆撃がありました。
B29には通常の爆弾搭載量の2倍にあたる6トンの高性能焼夷弾が満載されていたとのことです。
これが合わせて325機も到来して、23区の三分の一以上を焼き尽くしたのです。
東京には、前年の11月から延べ100回以上にわたる空襲がありましたが、この3月10日を中心に4月に2回、5月の2回行われた空襲が特に大規模だったと言われています。
3月10日の空襲のねらいは、軍事工場を壊滅させるという口実で実際は人口が集中する東京の下町地区を狙い撃ちしたものです。
記録によると、アメリカ軍は事前に攻撃目標の日本家屋がどのように焼失するか等の実験を、ハワイから畳のある木造家屋を取り寄せて実施したそうです。
そして、3月10日を選んだのは、日本のこの時期の季節風を利用して延焼効果を高めるねらいがあったとも言われています。
また、北西の季節風のため炎に巻かれるのを防ぐために東側から爆撃を始めたとも言われていますが、焼夷弾による大規模火災はまるで火山の噴火のような様相を呈し、それまで超低空で正確に狙い撃ちしていた爆撃ができなくなり、次第に高度を上げた爆撃になり当初予定になかった荒川周辺や葛飾区や江戸川区の一部にまで被害が及んだとも言われています。
いずれにしても、このアメリカ軍による意図的な爆撃によって約10万人もの命が失われたのです。
これは、明らかに人道を無視した犯罪行為に他なりません。
日本軍が15年戦争で犯した大量殺人行為と合わせて、永遠に許せない、そして忘れてはならない出来事です。
この時から68年目になります。
江戸川区平和運動センターでは、3月3日に恒例の戦災慰霊碑巡りをします。
名付けて「慰霊碑巡り・江戸川平和行進」です。
午後一時半に安楽寺に集合して、「小松川さくらホール」のある「世代を結ぶ平和の像」前まで歩きます。
そして、3日10日には、午後二時から「小松川さくらホール」で「東京大空襲68周年・江戸川区犠牲者追悼式」を開催します。
この二つの催しに、是非たくさんの方々の参加を呼びかけます。
折しも政権が自民党に移り、極めて危険な阿倍内閣が憲法改悪を始め様々な右翼的政策を実現化させようとしている今、私たちの草の根的な平和運動が求められています。
広く行政をも巻き込んで、平和の大切さや戦争の悲惨さを訴えて行きましょう。
一つ一つの小さな行動が、人間を非人間化する戦争政策を抑止することになるはずです。
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