東京湾の入江の北北東部、大きな千葉市と船橋市に挟まれた小さな街、習志野市。
ここには、いくつか手頃な散歩コースがある。
今回は、「谷津干潟」と秋津公園の一角にある「平和の広場」を紹介する。
前者は、ラムサール条約にも登録されている国内有数の野鳥の楽園である。
四季折々に、多くの野鳥たちが遠方よりやってくる。
干潟の南側には観察舎も整備されている。
ここからは望遠鏡で野鳥をつぶさに観察できたり、様々な催しが行われる。
喫茶室も備わり、半日くらいは飽きずに過ごせる。
また、干潟の周りは整備されており、野鳥の観察はもちろんのこと干潟に住む他の生き物や潮の満ち干きも観察できる。
さらにランニングやウォーキングが楽しめる遊歩道も設置されている。

ここから湾岸道路沿いに千葉方面に歩いて行くと、秋津公園がある。
ここは、高速道路と住宅地を挟む緩衝地帯のような役割を果たすためなのか道路に沿うようにして細長い公園だ。
テニス場や野球・サッカー場等の運動施設とともに市民の憩いの場となる深い緑地帯がある。
この一角に「平和の広場」はある。
1982年、習志野市が「核兵器廃絶平和都市宣言」をしたのを機に作られた。
広島・長崎から贈られたモニュメントを含む、小さいながらもとっても意味深い設計になっている。
広島で奇跡的によみがえったアオギリの木の種から育ったアオギリの若木が植えられている。
毎年、被爆記念の8月6日と9日には習志野市によって平和記念式典が開催される。
地域の小中高校生や市民が参加して平和を祈る。
普段は気づかず通り過ぎてしまうような公園の入口であるが、存在の価値は非常に大きい。
「憲法改正」とか「国防軍」とか、勇ましい声が聞こえてくる昨今にあっては、二度と戦争の愚を繰り返さないと誓うこの宣言の意味するものは大きく尊い。


