神奈川県も朝鮮学校への補助金を打ち切ることになったようだ。
朝鮮民主主義人民共和国による核実験の実施に伴い、それまで行われていた朝鮮学校への補助金が新年度予算から除かれることになった。
東京都が補助金の打ち切りをしてからも、神奈川県は続けて実施していただけに残念なことである。
人間そのものを抹殺する核兵器や、生物細胞を破壊する放射線放出のリスクを孕んだ核実験には断固反対すべきである。
しかし、日本に住み生活する在日の子どもたちが、大人の政治的な争いに巻き込まれるのは決して容認できない。
核のリスクは人間存在を根底から否定するものである。
つまり、人権を無視したものである。
そうであるならば、今、生きて生活している目の前の子どもたちが「北朝鮮」にルーツがあることで差別されることを看過することはできない。
これほど明確な人権侵害が放置されてよいはずがないからだ。
どんな理由をつけようと、この差別(区別と言いかえても)はイジメそのものである。
現にネット上では、とても口に出しては言えないような言葉でその国や在日の子どもたちが侮辱罵倒されている。
また、学校や街中でもこれに同調する行為が見られる。
「竹島」問題と合わせて、ここ最近の在日韓国朝鮮人に対するイジメは激しさを増している。
安倍政権の最重要課題である「教育改革」では、「子どもたちが夢や希望を持ち、日本に生まれたことに誇りを持てる教育にしたい」とうたっている。
しかし、ここに在日の子どもは含まれていない。
国際人権規約や子どもの権利条約28条を持ち出すまでもないが、まだ独り立ちできない子どもにあっては、その成長のために教育は経済的負担も含めて機会均等に用意されなければならないし、民族的アイデンティティーを保持する権利もあるはずだ。
ここにおいて、外交上の配慮などを理由に判断すべきではない。
もし、このままの状況が継続するなら、日本は世界の笑いものに化すであろう。
それより何より深刻なのは、この国のイジメ状況がますます悪化し、全ての子どもたちが生きにくい社会になっていくことだ。
政府の御墨付きでイジメが放置されるからだ。
〈西〉