安倍晋三は、第二の憲法と言われた教育基本法を改悪した極悪人である。
このゾンビも驚くような首相が、またまた「教育」をいじり始めている。
「教育再生実行会議」というお抱え組織を作って提言させ、場当たり的な法律を議員立法で成立させようとしている。

まずは、「いじめ」を取り上げ、「いじめ防止対策基本法」なるもの作ることから始めるらしい。
これに関連づけて道徳教育をさらに「充実」させるため、教科化していくとか。
基本的には教科になると、教科書と評価が導入され免許法ともリンクされることになる。
どこまで踏み込んでくるかは不明だが、教科にするということは道徳の強化に他ならない。
つまり、「心のノート」に象徴されるように心が「教育」されてしまうわけだ。

「僕ね、道徳の成績が上がったんだよ…」なんていう会話が家庭でも交わされる光景がパロディーで終わればよいのだが……。

そもそも、この阿倍なる人物はいったいどんな能力があるのか分からない部分がある。
アベノミクスなどと言われ経済通かと思いきや、そんなことはなく、ただ金融緩和を進め無制限に金を作り出し、公共事業へ財政出動させつつ民間投資を強化しているだけの話である。
これは、バブルが発生して最後は崩壊し財政破綻につながって行った過去の自民党政治の二の舞である。

専門筋では、この予定調和的な政策を見越し、先手を打って儲けようとする者から次に控える深刻な経済危機を予測して警鐘を鳴らす者まで様々である。
ただ言えることは、「経済が良くなった」と感じるのも「おこぼれ」を少々もらっているだけで、展望のない一過性のものだということだ。

安倍がゾンビのごとく出てきたのは、天皇本人がどう感じるかは無関係に天皇制の復活をテーマとしている。
そのために憲法を変える。
そのためには民衆に小銭を与えて喜ばせたり、学校を六日制にしたりいじめをなくして教育を良くすると言って民衆を騙したりすることが極めて重要になる。

そして、教育は将来の有権者である子どもを洗脳するためには有効な場である。
しかし、道徳を使うというのはあまりに露骨な戦術だ。

阿倍は過日の議会答弁でこのようなことを述べた。
「国民の7割が憲法を変えて欲しいと願っても、国会議員の三分の一わずかの人々の反対で変えられないというのはおかしい。」
これは、憲法の規定を逆転させて正論のように見せかける詭弁である。
内閣支持率70%とメディアに持ち上げられた度胸がそのようなことを言わせているのであろうが、これは、明らかに憲法99条に違反した発言としてメデイアが叩かなければならない。
おそらく、ドイツではこのようなことがあれば首相失脚どころか政治の舞台から永久追放されるであろう。

ある意味、「教育」いじりを得意とする阿倍をこのまま政権に居座らせることは、この国が子どもから年寄りまで全てを不幸に導くことになる。

心配なのは、最近の学校現場が何の抵抗力も持てない若い教員が大半を占めるようになってきたことだ。
彼らは、上から言われたことを忠実に実践する。
まして道徳なるものに全く違和感を持っていないだけか、それを得意とする者や好きな者が少なからずいる。
こんな中に道徳が教科化されたら、瞬く間に定着してしまうだろう。

抜本的「いじめ」対策は天皇制を解体することだが、安倍内閣は逆に天皇制を強化する方向で臨んでいる。
道徳を教科(強化)化しても、「いじめ」はなくならないどころか、「いじめ」の構造が一層強固なものになるだけである。



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