今、日本国のメディアは中国の報道機関が共産党政府による言論弾圧にあっていると伝えている。
「南方週末」という週刊誌の記事を当局が改ざんしてしていることに業を煮やした記者たちが抗議行動をしたというのだ。
また、これに止まらず北京の有力紙の社長も社説の差し替え通達に抗議して辞任する等、混乱が続いているようだ。

これら一連の動きはインターネットの普及による情報の拡散も背景にはあるだろう。
このネット世論は、当局の弾圧に対しても激しく抗議して、処分を躊躇させるまでに至っているようだ。

日本政府は今のところ表立って中国政府を批判するようなことはしてないが、マスコミは中国のこの事態を鬼の首でも取ったかのように連日報道している。
中でもNHK は、自らが数年前に政府高官の圧力で番組を改ざんさせられたことを忘れたのか、何事もなかったかのように中国の共産党機関の横暴さを伝えている。

「言論統制だ、表現の自由の抑圧だ」と当該中国の記者が叫ぶのは当然だが、NHKをはじめ日本のメディアが大きな声で言えるだろうか。
原発事故でも今回の総選挙に至る過程でもそうだが、この国の大手メディアは体制擁護の御用機関に成り下がっているではないか!

自らの報道姿勢や権力とのスタンスを振り返ることができないくらいに腐敗し切ってしまったのだろう。
社説記事の差し替えとか権力からの通達というようなドラスティックな弾圧ではなくても、自主規制や政財界の権力意思を受ける形での報道は一貫している。

弾圧に抗議してストライキに立ち上がる中国の記者たちの意気込みに、本当に連帯する気持ちがあるならば、日本のマスコミ状況も大きく変わるはずである。




〈すばる〉