学校にも「OJT」なるものが導入されて数年たつが、これを若者たちは既定のものとして受け入れている。

何でも同じだが、彼らには学校でやらされてることを「疑う」という目がない。
いや、もしかしたらあるのかもしれないが、それに異議申し立てする者はいない。

さて、「校内研究」でいやというほど時間をかけて指導案づくりに精を出している彼らだが、やっぱり何か物足りないのだろう。
管理職によるOJTが終わった後、これからも自主的にそれを実施していこうということになったらしい。
・エンカウンターの在り方
・国際理解教育について
・サッカー型ボール運動の指導例
・読書指導の方法
・理科実験の実際
どれも実践的なテーマでの研修だ。

若手教員の中でも先輩連中がまず講師役を務めるというわけだ。
お互いに自分たちの特技を出し合って学びあうという、実に理想的なパターンの自主研修である。

しかし、そこからが彼らの限界領域。
実施時間は勤務時間が終了して、さらに残業も終えた午後6時開始。
管理職は、この計画を褒めこそすれ指導はしない。
だから、ほとんどの教員が参加する。
いや、もしかしたら帰りたいと思ってる者がいるかもしれない。
しかし、若手リーダーたちが主導権をとってる中では、さらに若い連中はみんな素直に参加しているようだ。

例え自主研修とはいえ、学校での研修は仕事である。
仕事が好きなんだ・・・と思うしかない。
勤務後の時間が暇で持て余してるような若者には都合がよいのかもしれないが、だったら、早く職場を出て飲み屋にでも行けばよいものを・・・・。

そういえば、仕事を終えて気の合う者同士で飲み会に行くなんてこともないようだ。
飲み会と言えば、研究会や行事の後に幹事役が職員全員に回覧板を回して呼びかける。
云わば公の飲み会である。
こんなのも時にはあってもいいが、これでは管理職や先輩の悪口も言えない。

例えOJTという当局に押し付けられ、推奨されているものであっても、彼らがそれを利用して今日の教育状況に異議申し立てをして校内から変革していこう・・・なんてものに転化していけばよいのだが、そんなことはなくただ教育のノウハウを身に着けたい一心での研修だ。

子どもを何とかしたい。その場その場を乗りきりたい。成果を上げたい・・・・。
純粋に前向きに進もうとするのがモチーフであろうことは容易に想像できる。
だがしかし、これでよいのだろうか・・・・・。

今日もまた、遅くまで彼らの仕事は続く。
今日は、仕事が終わらないのか自主的OJTなのか・・・・・。



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