滋賀県の中学校で起きたいじめ問題が連日連夜テレビ、新聞、マスコミに大きく取り上げられている。
学校で起因したいじめに対して、学校、学年、クラス、教員も子どもも、そして保護者も状況を把握し、いじめがだめなことを分からせることが大事である。
いつも、自分たちの身の回りに潜む問題にアンテナを高く張りつつ、対処していかなくてはならないのは当たり前のことだ。
しかし、私たち教職員を取り巻く環境は果たして「ゆとりを持ち、子どもの、保護者の要望を聞きつつ、日々の学習を、学級の運営をしてきている」と言えるのであろうか?否。いつも、校長の監視下に置かれ、「ほうれんそう」よろしく、毎日の日案、週案の作成、報告に追われる。
そればかりか、各々に割り振られている校務分掌、テストの○付け、ノートの点検、授業準備、区教委への数々の報告文書、はたまた区教委から下りてくるアンケート調査、報告など数えればきりのないほどの仕事量を背負いこんでいるのが現実。
毎日の中で必ずや取らなければならない休憩時間の取得が文科省調べで平均7分という。45分間の休憩時間が保証されているはずなのにもかかわらず。
こんな中毎日子どもたちと関わる私たち教職員は休む暇なく、疲労困憊状態で教壇に立ち続けているのが現状だ。そして、あまりにも膨大な仕事量のため、事務仕事に追われに追われ、対応が遅れてしまうため、あってはならないことが起きてしまうのであろう。
さて、実はこの報道、公務員攻撃の一環をなすものである。民間と公務員との退職金格差、年金格差、「公務員は優遇されているキャンペーン」を貫徹するための方策なのだ。
民間は非常に大変なのに公務員は・・・ということで。消費税の値上げも、原発の再稼働も日本にとっては仕方のないことと国民を欺く・・・・
これまで、日本をより「だめ」にしてきた自民党、公明党と組んで消費税を上げる、政府民主党。
東日本大震災の教訓を全く生かそうとしない大飯原発の再稼働。
だから、いくら「いじめ問題」がクローズアップされようとも、格差社会の弊害、私たち教職員の多忙化に起因しているというふうには収まらない。
こんなことが二度と起きないために、「教職員の仕事量を適量=勤務時間内でこなせる量にしよう」、というふうには・・・・
結局、いじめをした子どもをたたき、それを見抜けなかった教員を糾弾し、また、知っているのに見て見ぬふりをした周りの教職員をなじり、いじめをする子に育てた保護者の責任を問う。
そして、校長が謝り、市長が謝り、多額の損害賠償と二度とこのようなことが起こらないようにするための方策を確認して一件落着する。そこには、これまで以上に厳しい管理が全国津々浦々の学校に波及し、ますます息苦しい学校現場となるのである。
主たる原因である、格差社会の弊害、学校現場の多忙化には目をつぶり、教員を競わせ、協力、協働を学校現場から奪い去りながら。
そして、また同じようなことが起こる・・・必ず・・・・
<つかれたもの>