「さよなら原発10万人集会」が炎天下の代々木公園で開かれた。
各駅から会場まで長蛇の列。12時を回るころには会場が満員、移動も仲間探しも容易ではない状況。
メインステージの他にも第二ステージや反原発各種ブースが立ち並び、もうメーデーの比ではない。
主催者の発表によると、参加者は17万人ということ。NHKによると、警察発表は7万5000人と報じていたから、どんなに少なく見積もっても目標の10万人は優に超えていたであろう。NHKでさえ映像を添えて、最近では最も大規模な集会であったと報じた。
デモに出発する時、近くのステージでは、保坂展人世田谷区長が「この運動は政治を動かすことができる」と力強く語っていた。
また、精神科医の香山リカは、「原発を止めるという一点であらゆる人々と協力していこう。顔も見たくない人とでも共通の目的があれば共に闘おう」と述べていた。
デモ出発の前にメインステージの方からは、90才になる瀬戸内寂聴が「大逆事件という、体制に反抗する運動が起こってから100年たちましたが、マスコミは報じません。私は、青鞜運動とかも新聞に書いてきましたが、最近の若い人は新聞も読まないんでしょう。だから、本にしました。」「私達は税金を払ってるのですから、きちんと言いたいことは言いましょう。すぐには変わらないかもしれませんが、おかしいと思ったら言い続けましょう。必ず変わります。」
と、こんなことを話していたようだ。
どんなにマスコミが無視しようと、歪曲して伝えようと、事実は事実として存在する。
今日、代々木に集まった人々はもちろんのこと、同じ思いを抱きつつ別のところで生活していた圧倒的多数の人々は、東電・政府の嘘と無責任さを許さない。
民主主義という言葉が、今日ほど新鮮なことはない。
数十年ぶりにおとずれた政治権力と民衆との闘いは、不幸の中から始まったとはいえ日本の歴史に大きな足跡を残すことになるだろう。
<西>