自らの労働条件は自らの手で!教え子を再び戦場に送るな!日教組・東京教組と共に闘おう!
NEWS 江戸川区教組2025/10/1 NO.2506 江戸川区教職員組合 (江戸川区東小松川3-35-13ニックハイム船堀204)
9月まで猛暑日が続いた長~い夏も終わり、やっと「天高く馬肥ゆる秋」「灯火親しむ秋」季節になりました。
学校では、様々な芸術や文学に触れる機会が増える季節でもあります。その分、教師は忙しくなります。
皆さん、健康第一で活躍してください。そして、私たち自身も学校の外に出て、見聞を広げたいものです。
◆江戸川区教組が取り組んできた2つのことを以下の集会で
報告します。
①「江戸川区教組夏の合宿『奥能登を訪ねて』」
・10月10日(金)13:30~日退教の組織活動交流集会の分科会で報告します。
②「集団フッ化物洗口」~なにが問題?~
・10月25日(土)14:15~東京教組秋の教研集会、分科会で報告します。
◆'25夏の合宿~石川県奥能登を訪ねて~の感想
前回、合宿の報告をしましたが、今回は参加者の感想を載せます。
① 能登合宿~和倉温泉~ (M.H)
仮設住宅を見た時、人の住まいとしてはこれ以上簡素な建物はないだろうと、又、残念ながらこれ以上お金はかけられないだろうと思った。
殺風景で人の息遣いが感じられないような硬い空間に思えた。
が、プランターから、植物(たぶんアサガオ)のつるが伸びているのを見た時、マジでほっとした。
植物の成長を愛でる人が確かにいる。いつくしむ人がいる。
植物の成長で心が癒されているのではないか。
住む期間が長くなるにしたがって、こういう草花を仮設住宅スペースの周囲に置くことは、災害関連死を防ぐことにもなるので、予算をつけて欲しいなぁと思った。
私も団地のアパート住まいで、ベランダでゴーヤやアサガオ、ミニトマト、マツバギク、日日草、ゼラニウム、ピンクマーガレット、フウセンカズラ、シクラメン、サンスベリアなど、ささやかに育てているが、実に癒される。
また、自治会長さんの話を聞きながら、むしろ自分の方が鼓舞されているような気持ちになった。
個人のプライバシーが守られることはもちろんだけれど、狭い空間に閉じこもるのではなく、みんなが気軽に集まれるような集会所の建設を役所に要望したという。
これは、すごいことだと思った。
話している自治会長さんの背中側にホワイトボードがあり、そこに人の名前が書いてあるのが気になっていたらやはり、この集会所を使って遊びのようなこともやっているとのこと。
個人の居場所を確保すること、トイレや体の清潔を保つことは勿論、その次に、誰でも使える共同の場所を作って顔を合わせられるようにすること。
これって本当に大事だと思う。
自治会長さんは、「ここがこじんまりした小さめの仮設住宅地でコミュニティーの強い地域だったからやれたんだと思う。」と謙遜していたけれど、実行力のある温かい人柄に触れて、ここでは災害関連死という言葉は聞くことがないだろうと思った。
② 能登、再び…(和倉・奥能登・珠洲) (K.N)
一年ぶりに能登に行った。日差しは強く猛暑だが、東京と違い湿度の低いカラッとした暑さだった。
昨年は、倒壊した建物・道路は走行する中央部分以外の両端はそのまま。
主に復旧途中の外観を観てきた。
そして、施設の方や石川県教組の方と懇談した。
今回は、建物の多くが撤去され、仮設住宅も増えて復旧が少しずつ進んでいるように感じた。
仮設住宅の自治会長・市議会議員・現教職の方等から当時のこと、現在の様子を伺うことができた。
自治会長からは、仮設住宅の人たちの暮らしや集会所を中心にコミュニティを築いてきたこと。
教職員からは、地震発生時の様子や児童・生徒の安否確認、変則的な授業形態、他へ避難している子の当該校とのやり取り等。
生活の中での生々しい話に苦労がしのばれた。
話を聴いて、復旧にも時間を要し、復興までには長い長い時間がかかると感じた。
今年は、集中豪雨(水害)の被害が多く、復旧・復興に輪をかけて大変になっている。
夜は、恒例のレポートを持ち寄り学習会。
多岐に渡る問題提起に各自の意見や感想で盛会だった。
帰京時、能登の人たちが一日も早く元の生活に戻れることを願った。
外観だけでなく、人々が戻り生活の場としての能登として・・・。
③ 能登半島で実見した自然の驚異 (T.S)
江戸川区教組友の会の合宿に参加し、初めて能登半島を訪れた。
2024年1月1日の地震、9月の集中豪雨と二重の災害の影響はどうなっているのか、ドキドキしながら新高岡駅に向かった。
はじめに仮設住宅を訪問して、自治会長から被災時の様子や仮設住宅での問題点等をお聞きした。
様々な地域から集まっているため互いを知らず、役所からは入居者の情報を個人情報だからと教えてもらえず、孤立を心配されたそうだ。自治会を作ることで希薄だった人間関係が縮まったとのこと。
非常時こそ人間関係が大事だが、互いに不安を抱えながら過ごすのは、本当に心細くつらいことだと思う。
2日目の朝は和倉温泉を見学。
海沿いの大きな旅館は地面が割れ、水が噴き出している状態だった。
私達の宿泊した旅館でも、温泉のパイプを地下から掘り探すのに4ヶ月かかったとのこと。
仲居さん達が話す地震時の話からも状況のすさまじさを知ることができた。
午前中は石川県教組奥能登支部で、被災した輪島の町の様子や学校の状況を伺った。
小中学校では生徒の半数が自主避難し、集団避難を募り金沢で授業をしたが、生活リズムや規則もなく2か月を過ごしたそうだ。
学童疎開を想起させた。
震災直後の児童たちの精神状態、何のための避難か…と災害の多い日本では、予想して考えることの必要性を感じた。
見附海岸への道々に見られる電信柱は傾いたまま、名所の見附島は、Hさんが昔撮った写真と見比べると、大きな岩が崩れており揺れの大きさを知った。
ここから、市議さんの案内を受けた。
倒壊建物の下敷きや津波、そして豪雨で97名もの方が亡くなったとのこと。
市議さんの友人宅の1軒は川沿いで傾き、もう一軒は裏山からの土砂で埋まっていた。東側の海岸線を走ると白い部分があり、それらが隆起した跡だと教えてもらった。
道路やトンネルが土砂に埋まり、海岸の傍に作られた道路を走ることもあった。
山側は、土砂崩れや倒木の散乱が見られた。
地震で緩んだ地面に豪雨では、ひとたまりもない。
その後、原発建設予定地だった所へ。
静かな海の傍の漁港は隆起して陸地化し、使えなくなっていた。
「人権東京の会」で「能登半島に学び、脱原発を考える」渡辺敦雄さん(元原発術者)の話を聞いたばかりだったので、ここに原発を建設させないで良かったと心から思った。
3日目の朝早く、宿泊した能登半島の先端、禄剛崎の灯台まで散歩した。
灯台を真っ白に輝かせる明るい陽光と青く澄んだ海の色は美しく、災害の影響を忘れさせた。
けれど、足元には地震による亀裂のため立ち入り禁止の表示があった。
朝食後、段差の多いくねくね道路を走り、白米の千枚田を見学。
千枚田は地震の影響で棚田が崩れていた。
長い年月をかけて築いたものが、かくも簡単に壊されてしまうとは。
携わってきた人たちはさぞ無念だったことだろう。
輪島の町に入ると、去年も訪れた人たちが歓声を上げた。
ずいぶん整備されたそうだ。
まだ壊しきれずにある場所や壊した為に櫛の歯のように空いた場所もあった。
道の駅を訪れたが、週末だけ開くという所ばかり。
人口減少とともに観光客も少ないせいではないだろうか。
災害で能登半島の人々の生活が大きく変わってしまったのは明らか。
働き場所が減り、若い人の流出も多くなった。
災害の恐ろしさを実感し、できることは何かを考えた。
また、夜の学習会では色々な方の提案を伺い、刺激を受けた。
④ ’25夏の合宿in奥能登に参加して (K.H)
昨年に引き続き、被災地能登半島を訪れた。
2024年1月1日から1年半。被災地はどれくらい復旧したのだろうか。
七尾や珠洲の被災状況はどんなだったのだろうか。
今回は、居住している方たちから被災状況を生の声で聞けるという。
「奥能登で、見たこと、聞いたことを伝えることも被災地支援」だ。(石川県教組委員長)しっかり、見て、受け止め、そして伝えたい。
そんな思いで参加した。
七尾、珠洲、輪島市と見て回り、あちらこちらに倒壊家屋を公費解体した後の更地が目についた。
仮設住宅が増えていることにも気づいた。
高齢の方たちは住宅再建もままならないだろう。
珠洲の漁港では海岸が隆起して、船が出せず漁業を廃業せざるをえなかったという。なりわいまで地震で失った方たちがいる。
奥能登支部の教員の方の報告では、地震後に転出した子どもたちが多く、輪島市では小学校6校を1校に統合するという。
地震によって、生活を一変させられてしまったリアルな現実を仮設住宅の自治会長さん、各地区の市議さん、奥能登支部の方たち、旅館の仲居さんたちから聞くことができた。
珠洲のFWでは、地震後の9月の大豪雨によって、大量の土砂がなだれ込んだ家屋に案内してもらった。
大量の土砂は時間を経て硬くかたまり、いまだ撤去されていないままだった。
温暖化の影響の異常気象とはいえ、地震後のケアは適切だったのだろうか。
国や地方自治体の長は、そこに生き、暮らしを営む人を何より大切にした行政をおこなってほしい。
いや、おこなうべきだと強く思った。
現地に赴き、体感したことを周りの方たちに伝えていこうと思う。
石川県教組の委員長さんには、今年もいろいろお世話になり、ありがとうございました。
◆【お勧め映画】
ドキュメンタリー「黒川の女たち」 松原文枝監督
「戦時下性暴力と差別を告発」「尊厳回復の道のりを記録」という見出しで、新聞や雑誌で何度か取り上げられたドキュメンタリー映画「黒川の女たち」を観ました。
岐阜県旧黒川村の満蒙開拓団が、敗戦直後に現地住民から襲撃を受ける中、未婚女性を差し出して旧ソ連軍に助けを求めました。
帰国後、性接待を強要された女性たちは、故郷で「向こうでやられた女」として蔑まれ差別を受けた上、長い間性暴力はなかったことにされ続けていました。
女性たちが声を上げ始めたのは、2013年。
松原監督は、2018年に『朝日新聞』で佐藤ハルさんの証言集会の記事を見て作品を制作することにしたそうです。
映画を観ながら、女性を差し出させた開拓団男性幹部たちの誹謗中傷や世の中の偏見、差別の中で、声を上げた女性たちの強さに目頭が熱くなりました。
そして、新しく開拓団遺族会会長になった藤井さん(父親が団員)が、加害に向き合い、犠牲になった女性たちのための碑文を建立して謝罪をされた。
彼女たちの尊厳回復はここから始まるのだと、再生への第一歩を踏み出されたのだと、胸がギュッとなりました。
満蒙開拓団の犯した罪は、国の政策によるものです。
しかし、国は戦後80年を過ぎた昨今、近隣国の武力攻撃に対する防衛力強化、防衛費増額等、新たなる理由を付けて戦争への道を着々と切り開いています。
政治を担う多くの人たちに、是非とも「黒川の女たち」を観て、戦後80年の振り返りだけでなく、その前の戦中の日本が何をしてきたのかを正しく理解し、国の政策が戦争につながるものとならないよう考えて欲しいです。
◆ 今後の予定
〇10月03日(金) 分会代表者会
会場:タワーホール船堀 405室 18:00~
〇10月10日(金) 日退教組織活動交流集会分科会
会場:ラポール日教済 午後
〇10月11日(土) 「障害」児教育分科会(東京教組)
会場:ラポール日教済 13:30~16:30
〇10月14日 (火) 江戸川区教育委員会定例会 傍聴
場所:教育委員会 13:30~
〇10月25日(土) 秋の教育研究集会(東京教組)
会場:ラポール日教済 12:00~16:30
〇10月29日 (水) 江戸川区教育委員会定例会 傍聴
場所:教育委員会 午後の予定
〇11月07日(金) 分会代表者会 会場:タワーホール船堀 405室 18:00~