らぶとらいおんの大衆、そしてブロガーこと
かおちゃです。お久しぶりです。

雨が続き、気分も憂鬱になりそうな今日この頃ですが
皆さんいかがお過ごしでしょうか。
私は、5月後半から6月14日まで実習で大学を離れていました。
実習の2週間は、人生で忘れることのできないものとなりました。
本題にうつりたいと思います。
本来ならば5月16日(木)に発表させていただく
私の新書プレゼンでしたが、自らが体調管理きちんとできず
欠席し、このように日時をずらしていただきました。
まずは本来ならばとるはずのない時間を私のせいで
割いていただくことを、ばっち先生、ありぴょん、まみい、まる。、
むーあ、りおに、心からお詫び申し上げます。同時に、誠に感謝致します。
今日私が発表させていただいた本はこちらです。
田中克彦『エスペラント:異端の言語』(岩波書店、2007年)
http://www.iwanami.co.jp/hensyu/sin/sin_kkn/kkn0706/sin_k358.html
【タイトル】
人間の希望、”エスペラント”
1.ことばの現状 「国語」とは
現状:「国語」を美しいとほめたたえておけば良い、という現状がある。
<「国語」がもたらした不幸>
・ことばは消してものごとを正しく把握するようにはできていない
→言語批判を生んだ。(ことばそのものにかかわる根本的な問題とされる)
・ことばの数が増えれば増えるほど、言語の壁は厚くなり、 人々を分断する。
→政治的な問題を内包している
<言語の壁を乗り越える手身近な方法>
Ⅰ それぞれの自分の母語を捨て、既存の有力な言語へ乗り換える
(例:日本語→英語へ!)
Ⅱ 中立の言語をつくり、すべての国の代表が使う。
⇒エスペラント:人類の希望の言語 の登場へとつながる。
・国境を超え、民族を超え、ことばの違う諸民族を結び付ける言語となった
・アナーキスト(国家の隔てから自由になろうと目指す人たち)にとっても理想の言語
⇒言語学的にも、政治学的にも、エスペラントは異端とされた
*エスペラントの歴史は人間史の重要な側面を映し出す鏡である。
2.ことばは誰のもの
*ことばは神が、そしてつくった
・言葉は神がつくったもので、人間はかえてはいけない
・ダーウィンの進化論に言語学をあてはめる
→人間は言語の主人では無く、「神にあたえられた」あるいは
「自然によって与えられ、」「人間の意思の外にある言語」を
ただ受動的に使わされるだけになった。
*制度として、人の手へ。
・言語を「社会制度」としてみた。(フェルディナン・ド・ソシュール(1588-1923))
・諸制度の中で、言語という制度が最も変化しにくい。
”「社会大衆の生活と一体をな」している"
<様々な言葉>
●ア・プリオリ(a priori 経験に先立つ)言語
・「大衆」ではない哲学者や論理学者が考えた言葉。論理を表すのにふさわしい。
⇒現実に基づかず、現実と妥協せず、声に出して話せない、あくまで家庭の言語
●ア・ポステリオリ(a posteriori 後で、後から)言語
・「国民国家」誕生により、方言も国語になる
・単に話されるだけのものが文字で書かれるようになり、政治性を持った
・具体的にあるものを経験し、そのあとでそれに基づいて構想する。
改良言語案
・既存の言葉を簡単にして使用する。
例)イングリック→「正しい英語」ではなく「伝わる英語」
⇒馬鹿にされる。露払い言語にならざるをえない。
計画言語案
・「計画言語」(人工語)↔「民族語」(自然語)
⇒民族語の地位とは全く影響を与えることなく、諸民族互換の媒介。
例)「ヴォラピョーク」(ヨーハン・マルティン・シュライヤー(1831-1912))
⇒絶大な人気をもったが、話すには難しすぎた。(文法の変化が複雑)
3.希望の言語「エスペラント」
・1887年に発表された
・目的:自分の外国語の知識や知らない文字の知識をひけらかすことではなく
わかりやすく、わかりあえる。
・易しさ:読むのは簡単。能動的に使うのは難しい。
・国際補助語としての役割だけでなく、文学作品も作れる。
特徴
・すべての名詞は「o」で終わる。 (lingvo(リングヴォ):言語)
・すべての形容詞は「a」で終わる。(simpla(スィンプラ:簡単な)
・アクセントは常に最後の2つ目の音節となる。
例) Esperanto estas simpla lingvo.
エスペラントは簡単な言語です。
Rozo estas bela flono.
薔薇は美しい花です。
エスペラント批判
:民族言語は批判できないが、計画言語は批判できる。
・発音をあらたべるべきものがある
・民族語と近いので、混乱をおこしやすい。
・改革案もある。
例)ノヴィアル(Nov International Auxiliari Lingue)
→1928年、デンマークの言語学者がエスペラントを土台に創作。
より多くの語彙をロマン語と英語からとる。
エスペラント博士の言語的背景
ルドヴィーゴ・ザメンホフ(1859-1917)
・ポーランド出身(当時リトアニア所属、ロシア領)
・何度も国家的貴族をかえられた結果、さまざまな言語が話されていた。
・民族相互の対立と憎しみが日常的
⇒言語の対立を除くために、中立言語を求めた。
4.日本で受け入れられたエスペラント
・アジアに最初に普及したのが日本。
(ヨーロッパで生まれた言語のため、はじめは
広がると思われていなかった。)
日本人×エスペラント
●柳田国男
・日本の方言研究の第一人者および民俗学者
・ラムステット(在日フィンランド大使でエスペランチスト)に影響を受ける。
・新渡戸稲造とともに、エスペラントが国際連盟に採用されるよう尽力。
・エスペラントを国際連盟の公用語にまでしようとしたがフランスに阻止。
⇒言葉の壁を乗り越えるための動機。
外へ出て行くための手段
●宮沢賢治
・ラムステットの講演を聞いて、自らの作品をエスペラントに
(外に知られたいという思い。)
・試みに終わった。(日本人ならではの文法的誤りが多数)
・応用力が並ではない。
⇒自らを言語的に解放するという内的な目的。
今まで気づかれなかった感性を開きたい。
5.異端の言語:エスペラント
多くの言語学者は自らの根底を掘り崩されるのをおそれ、
エスペラントを批判した。
例)
カールス・フォスラー:当時の政治状況とエスペラントを結びつけ警鐘をならした。
⇒エスペラントが製作者の意図をはなれ、いかに政治と結びつくかを見ることができる。
アントワーヌ・メイエ:エスペラントを一種の応用品と位置づけ
市民権を与えようとした。
エスペラントを学ぶことの効果
外的で社会的な効用
・計画言語を話すことで、外国語に対する脅迫観念のような怯えから解放される。
・ヨーロッパの諸言語から色々取り出した宝石箱のように感じられる。
内向きの、こころに向かっての解放
・自らを母国語の足かせから解き放つ。
(表現の可能性へと、人々の衝動を解放する魅力。)
―人間の解放はこころの解放に行きつく。
こころの解放はことばの解放と一体になっている。(p.206)
******************
発表内容についてはりおが詳しく先に
書いてくれてます(*^_^*)ありがとう、りお。
http://ameblo.jp/2012asaba/entry-11557239049.html
↑こちらから合わせてご覧ください!
りおだったらこういうタイトルの付け方をするのか!と
興味深く思いました。ありがとうございます。
ディスカッション内容
まみい: この本を読むまで"エスペラント"がどういうものか知らなかった⇒確かに!私も名前と、どういうものかは簡単には
知っていましたが、背景であったりだとか詳細については
知らなかったので本当に勉強になりました。
りお:案内本のようなものだと感じられた。⇒これまで、らぶとら!の皆で様々な種類の本を読んできたけど、
個人的にこの新書のような案内本にはわくわくさせられますよね^^
もっともっと、自分の時間をコントロールして、色んな本を
読みたいと思います
まる。:エスペラントはなぜ普及してないの?(知らない人が多かったため)⇒これは、あの時のディスカッションで答えられなかった質問です。
調べてみたのですが、やはり一概に「こうだからだ!」と明快に
答えることはできません。やはり、本書で見たように言語学的にも異端とされ、
政治的にも国際的に民族自決が謳われており、国際共通語は英語だと
されている現在では、難しいものがあったり、など、様々な要因を予測することはできます。
(きっともっと本気で調べればわかるかもしれませんが、
今の私には不可能でした。申し訳ありません。)
なので、ここでもはっきりと答えを述べることはできませんが、
現在のエスペランチスト達の活動の一部をここでシェアさせていただきたいと思います
日本エスペラント協会(JEI)
http://www.jei.or.jp/hp/titolo.htm (最終アクセス日6月24日)
⇒現在のJEIの活動や、これまでの軌跡を見ることができます。
1906年から、しっかりと今日も活動されているのだな、ということをしっかりと
見ることができました。
ちなみに、エスペラントの現在の話者ですが、これは正確にはわからないそうです。
なぜなら、日本語は日本人が使う母国語だから、その国に住んでいる人数と同じ!
という事ができますが、エスペラントは母国を持たない計画言語なので、はっきりと
わからないのです。各国のエスペラント協会に所属している人数は数えることが
可能なので、その数なら、JEIのサイトに乗っていました
各国の会員数:合計21531人
日本の会員数:合計1400人
だそうです(1996年の数値です。)
日本エスペラント協会-世界で何人の人がエスペラント語を使っているか
http://www.jei.or.jp/hp/ro9701/hori97a.html(最終アクセス日6月24日)
しかし、毎年日本で、そして世界でエスペラントの大会は催されており
その活動はサイト等でしっかりチェックすることができます。
今年、2013年も日本大会が10月に開催されるようです!
大会の概要 - JEK100 - 第100回 日本エスペラント大会
http://jek100.esperas.info/index.php?%E5%A4%A7%E4%BC%9A%E3%81%AE%E6%A6%82%E8%A6%81
(最終アクセス日 6月24日)
ぜひご覧になってください!
ばっち先生:日本語は自然言語だと思う?⇒私は、計画言語だと思います。なぜなら明治政府が日本を
近代国民国家化にする過程で、東京方言を「標準語」と位置づけ、
北はアイヌから南は沖縄まで、言語同化策をあからさまにとったからです
ばっち先生は、ここから私たちに、「ことば」についての
たくさんの問いを投げかけてくださいました。
それについてはりおが詳しく箇条書きにして、レビューを
してくれています。なのでここでは割愛させていただきます。

そんなりお
のレビューはこちらから!
まる「なんだか洗脳みたいだね
」←この絵文字まる。っぽい。
ばっち先生「アンビバレントですね。洗脳…かもしれないけれど、この日本語がなければ会話をすることもできないからね。」
本当に、この本を読んで、皆さんに向けて発表をさせていただくために
この本を咀嚼して、自分のものとして発表したかったのですが…
この本に書かれていること、「ことば」や「エスペラント」に対する
政治的ニュアンスであったり言語的なニュアンスであったり、そこまでを深く
読みとることができず、本当にもやもやしました。
もし私にもっと知識があるならば、もっとこの本を深く、そして納得して
読むことができたと思います。
この本を通してはじめて、「なるほど!そうなのか!新しい知識GET!」ではなく
疑問を持って、そして世界の広がりを、皆でディスカッションする前に、1人で
実感することができました。(いつもは皆でディスカッションして初めて気づく。)
「あれ?もしかしてこれって、あの時の国際秩序がこうだったから…?」といった感じです。
きっと、これはこのらぶとらいおん!に所属させていただいて
様々な本に出会わせていただいて、様々な知識の海に潜り、扉を
開いていただいたからだと思います。
もっともっと、このように世界の広がりを感じたい!と思うと同時に
自分で、「なんで?」を追求していきたいと強く思いました。
エスペラントの著者は、エスペラントのことを鍵のかかっていない宝箱のようだ。
と終章で紹介して下さいましたが私にとっては、新書が、本が宝箱であり、宝の地図です。
では、長くなりました(通常運転)が、
このあたりで自分のレビューを終了させていただこうと思います。
お目を通して下さり、ありがとうございました。
かおちゃ
(6月25日、書きあがりました!)