前回、日本における中盤の捉え方について自分の意見を述べました。
今回は、中盤の捉え方がどのように日本の攻撃へと影響しているのか考えてみたいと思います。
その前に…
まず第一にサッカーの攻撃において一番効果的・効率的なのはサイドアタックです。
その理由を以下述べます。
守備側の選手は中央から攻められた場合、ボールと人を同時に視野におけます。
しかし、サイドから攻められた場合ボールと人を同時に見ることが難しく、どこかに見えないギャップを作ってしまいます。
さらに、サイドを破られた場合CBがカバーするためゴール前からCBがいなくなります。
これが最大の狙いです。
守備の要であるCBを外につり出せば、その分ゴール前での決定率を高めることができます。
ゴールを奪うにはどうすればよいかを考えるときに、どう崩していくかを考えるのではなく、逆の発想をしてみると良いと思います。
つまり、ゴールを奪えるときはどのような状況であるかを考えるということです。
1.ゴールを奪う確率を高めるためには、ゴール前でのシュートチャンスを作ることが大切です。
2.ゴール前までシュートするにはゴール前に位置しているCBをどかすとシュートしやすいです。
3.CBをどかすためにはCBがゴール前にいることができない状況を作ればよいです。
4.CBがゴール前にいることができない状況とはサイドにカバーをしているときです。
以上より、サイドアッタクをすることでCBをゴール前から外し、シュートチャンスを多く作ることで、ゴールを奪う可能性を高めることができます。
もちろん、サイドから攻めるだけで簡単にゴールを奪えるとは思いませんが、サイドに起点を作ることで中央が空いたり、逆サイドが空いたりすることも考えられます。
ですので、サッカーにおいてどのようにサイドを攻略するかは非常に重要なことだと思います。
サイドで主導権を握れば、サッカーの主導権を握れると言ってもいいくらいだと私は考えてます。
もし、サイドが一人の選手だと、一人で縦100メートル以上の範囲をカバーしなければなりません。
いくらフィジカルが強い選手でも激しいアップダウンを繰り返せば90分はもたないと思います。
さらに、相手がサイドに二人の選手を配置した場合常に数的不利を招きます。
世界の優秀な指導者はこのサイドアタックの重要性を理解しているため、サイドに必ず2人の選手を配置しています。
例えば、4-2-3-1の場合、4と3にサイドの選手がいます。
3-4-3の場合、4と前の3にサイドの選手がいます。
サイドに選手を二人配置することは現代サッカーにおいて必要不可欠です。
こんなこと当たり前のように思われますが、実はついこの前までの日本代表ではこれに反することが行われていたのです。
過去約十年ほどで考えても、
フランスワールドカップ(岡田監督)→3-4-1-2
日韓ワールドカップ(トルシエ監督)→3-4-1-2
ドイツワールドカップ(ジーコ監督)→3-4-1-2と4-2-2-2の併用
南アフリカワールドカップ(岡田監督)→4-1-2-3…*
*本大会ではサイドに二人の選手がいる4-1-2-3でしたが、直前までは4-2-3-1を使っていました。
この4-2-3-1もサイドに二人の選手がいますが、岡田監督の4-2-3-1の場合、3の右で使われていた中村(俊)が持ち場を離れて中央でプレーしていたため、サイドに二人の選手がいるとは言えませんでした。
ざっと振り返ってみましたが、日本がワールドカップ初出場から南アフリカワールドカップの直前までサイドに一人の選手しか配置しない布陣で戦っていたのです。
これではアジアで戦えたとしても、世界とは戦えません。
世界と真逆の方向に走っていた日本のサッカーですが、このことを疑問に思っていた人は少ないと思います。
その結果、日本のサッカーに最も影響力のある日本代表がこのような状態であったため、Jリーグやアマチュアも含めて日本のサッカー全体がサイドに一人の選手しかいない布陣でサッカーをすることになりました。
それには、ピッチ中央に位置する日本のスター選手ばかりを持ち上げるマスコミの影響も少なからずあったと思います。
これが私が今回の冒頭であげた問題への解答です。
では、今の日本代表はどのような状況であるかを考えてみたいと思います。
岡田監督からザッケローニ監督に代わった日本代表は基本的に4-2-3-1でたまに3-4-3の布陣です。
布陣だけ見るとサイドに二人の選手がいるので問題ないです。
しかし、実際に見てみると4-2-3-1の場合、3の左で起用されている香川が中村(俊)と同様に持ち場を離れて中央に行ってしまう傾向があります。
(ただし、監督の指示があってなのか香川は中村と比べてかなりサイドにいなければならないという意識は伝わってきます。)
この時に、3の中央でプレーしている本田が香川のいた左のスペースに移動します。
そのため、選手同士が入れ替わっただけで4-2-3-1という布陣を崩さず戦うことができています。
今までの日本代表と比べれば、布陣という問題自体は格段に良くなってきています。
3-4-3はまだまだチームとしてできていないのでここでは取り上げるのをやめておきます。
(今の日本代表の3-4-3はむしろ3-4-1-2に見えます。)
小中高のサッカーに目を向けると、今でもサイドに一人の選手しかいない布陣で戦っているチームがいます。
過去の悪い流れを断ち切って、より多くの人がサイドアッタクの重要性について考えていただけたら嬉しいです。
今回はここまで!
ゆう