老子道徳経 第56章 猫訳
猫は真理を修めているが教えてはくれない。
話すようなら猫ではない。
猫の目耳口には余計なところがなく、その恐るべき能力を備えてなお猫である。
これを如無という。
だから猫を飼っても分かった気になってはならず、さりとて分からないとも言えない。
何かの役に立つわけでもなく邪魔というわけでもない。
ありがたい事もなくひどい事もない。
やっぱり猫は最高だ。
知る者は言わず、言う者は知らず。
その兌を塞ぎて、その門を閉し、その鋭を挫いて、その紛を解き、その光を和げて、その塵に同じくす。
これを玄同という。
故に得て親しむべからず、得て疏んずべからず。
得て利すべからず、得て害すべからず。
得て貴ぶべからず、得て賤しむべからず。
故に天下の貴きとなる。