「何かが欲しい」「何かを成就したい」という、その望みの行き着く先は、「もうそれを望まなくてもいい状態」
転載元:もっと あの世に聞いた、この世の仕組み
https://blog.goo.ne.jp/namagusabose/e/01fdf28c5a0ebb0f463e779829db2308
(ここから)
「自我の崩壊」
本日はまず、「絶望の道」から。
これまでお話したとおり、意識の第一段階・第二段階のベクトルと、第三段階のベクトルは真逆です。
しかしながら、このピンクのベクトルの果てに、第三段階へ向かう道があったりします。
「自我の肥大化の果て」といってもいいかも知れません。
これは、「ヒャッホー!(小悟)」をも超える、いわゆる『大悟』と呼ばれるものでもあります。
以前お話したとおり、「ロープ登り」は錯覚で、実は「水槽潜り」だったりするわけで、このベクトルが進めば進むほど、水槽内の「水圧」は高まっていきます。
人は、その水圧を様々な苦しみとして経験するわけですが、その苦しみを乗り越え、さらにさらに頑張っていきますと、その苦しみはあるとき一気に逆転してしまうことがあります。
苦しみの極限を超えて「陰極まって陽になる」という状態。
そのとき何が起こるかと言いますと、肥大化した自我(潜りすぎたピンポン球)が、その水圧に耐えられず(もしくは思いがけない衝撃によって)、水中で破裂してしまうんです。
すると、それまで「自分」を定義していた殻(私と私以外を分ける境界)がやぶれ、中の本性・仏性(気体)が、ボコボコと水槽の外に向かって上昇していきます。
その先はもう、「空(くう)の中にただよう私」ではありません。完全に「空(くう)」へ還り、一体となった状態です。
「ヒャッハー!」の経験を語る「個」も、もはや存在しません。
それが、精神世界や宗教界などで「知る者は言わず、言う者は知らず」なんて語られる理由です。
水槽の中において「個」をまとい、「水圧(社会)」という苦しみの中にあることに自覚がなく、さらにその苦を高めようともがく状態が「無明」。
「ロープ登り」という不毛な苦しみに気づき、ロープから手を放して水面に漂うのが「小悟」。
「個」が崩壊し、完全に空と一体となるのが「大悟」。
そういう意味では、水面にただよう「ヒャッハー!」さんは、本当の意味での「ワンネス」経験はありません。
確かに水圧から離別し、絶対的な安堵の中にはおりますが、やはりまだまだ「個」はあり続け、社会(水)との接点がある状態です。
『悟り』という言葉の定義をどこに置くのか。
それは、人それぞれ違います。
本当の意味で「悟りきった状態」をいうのであれば、やはり「個」が消失した『大悟』でしょう。
でも、「苦から解放された」という点から、水面に浮かぶピンポン球を「悟り」と位置づける方もいます。
そこら辺の混在が、精神世界や宗教のめんどくさい所というか、わかりづらい所というか。
で、この「ボコボコ現象」は、言ってみれば「強制サレンダー」状態です。
ブルーのベクトルを知り、あえてロープから手を放したわけではないですから。
沢山苦しんで、必死で頑張って、やるだけやったにも関わらず、どうにも出口を失った、最終最後の「絶望」を知った者に訪れる究極のギフトです。
でもやっぱり、人はそうそう絶望なんてできないんですよね。
もちろん「絶望的」な人がいっぱいいることは知っています。でも、残念ながら「的」なんですよね。
まだ、なにか救いの道があるような気がする。
まだまだ努力できそうな気がする。
困難だからこそ、誰かに頼らず自分で何とかしなきゃって思う。
私がだめでも、誰かがなんとかしてくれる。
ミラクルが起きるかも。
どこかに、そういう未来があるような気がしているうちは、「絶望」ではありません。
自ら人生を閉じるという選択をする人も、絶望しきってはいません。
「死んだらなんとかなる」、そういう望みを持っているわけですから。
が、そこさえも超え、本当に悔いなくやるだけやって、どうにもならなくなったときには、白旗をあげることができます。
それは、「望みが絶える」という状態の訪れです。読んで字の如くの「絶望」です。
そうやって、「陰」が極まったとき、自我は崩壊して「陽」に転じます。
とても変に聞こえるかもしれませんが、実は「絶望」は、みんなが腹の底で望んでいる状態なんです。
だって、「一切の望みがない」んですから。
これ、通じますかね?
「何かが欲しい」「何かを成就したい」という、その望みの行き着く先は、「もうそれを望まなくてもいい状態」ですよね。
でもまぁ、僕たちはわざわざ好き好んで絶望したいわけじゃないし、かつてのお釈迦様みたいに、思いつく限りの努力を徹底的にやり尽くすなんてこともなかなかできないわけで。
やっぱりどこかの段階で、ブルーのベクトルを知るに至ることがほとんどなんだと思います。
(ここまで)
ありがとうございます
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