ああ青年よ。汝が男とは、只名のみなりし時、汝が痩せこけたる頬を富士颪に晒して、孤影悄然たりし時、汝が頻頻として、病魔の為に呻きし時、而して汝が「茅棒」と侮辱せられつつありし時・・・、誰か汝が、今日の強健體を想像し得しものぞ!?汝を生める母、汝を育てたる父、汝が周囲の人々、扨ては・・・・汝自身すらも。抑も・・・・・こは・・・・・何を?意味する乎???
病弱瘠痩の同胞諸君よ!!失望し給ふこと勿れ!!!如何なる體軀と雖も、不断の努力を積まば、全く、全く、全く・・・・改造し得べしとの確證これなり矣。
というとても熱いあっちーメッセージから始まる大正14年、肥田春充著「川合式強健術」と昭和11年同著者の「聖中心道肥田式強健術」を久しぶりに読んでみた。手元にあるのは何れも拡大復刻版。ずっと本棚にしまいこんでいて随分埃を被っていた。
「肥田式強健術」とは肥田春充氏が考案した心身鍛錬法で腹と腰を重視し、正中心いわゆる丹田を鍛えあげることを目的とする。健康を突き抜け、強健となり一個人の健康問題だけではなく心理社会的な健康とはなにか?人間とはなにか?を問う。悟り系健康術だ。ヨーガや気功にも通じるかもしれない。
大正から昭和初期にかけては流行っていたらしく天皇陛下もお読みになったらしい。
創始者の肥田春充氏は幼少期の頃は病弱でひきこもりであったが、一念発起し健康に関する様々な本を読み漁り実践。ついに強健体と成り、早稲田、明治、中央という3大学、法、政、商、文と4つの科を卒業。肉体が強健になっただけではなく、IQまで強健に。後に体育家、思想家、哲学者、著述家として多方面に影響を与えたという。
その強健ぶりは透視や予知能力というオカルトか!?と思わせんばかりの方向もあるのだが、肥田氏は正中心を得れば可能と語る。肥田氏に言わせれば、世の超能力やら霊能力とやらは全て科学的に説明がつき、全てトリック。まるっとお見通しだ!
肥田式強健術というと超自然的なパワーばかりが注目されてオカルト誌にも登場するようだが、まず肥田氏にはジャンルを問わず膨大な知識があったことを知っておかなくてはならない。肥田氏は正中心を悟れ!そしたらOK!といったようなことばっかり垂れているが、これは色んな勉強して論理的に自分で考え身に着けなさいということであろう。国を憂い、国士としても活躍し、その最期は人類を憂うあまり絶食し亡くなった本人が人を縛り付けるようなことはせんであろう。
ところで何故私がこんなマニアックで超マイナーな健康本を持っているかというと、健康のことなどあまり関心のなかった学生時代に奇しくも通っていた学校の先生が肥田式強健術の副会長をやられていて、もの好きの友人の誘いで体験したことによる。武術の型のような動きと気合でこ、これはっ!?何か凄い・・・とその時は感じた。半年位だったが週一の間隔で美術室で教わった。先生はとても嬉しそうだった。初めて上京した時もその先生の紹介で本部道場の体験もさせて頂いた。
先生は4年程前に亡くなられたが、肥田式強健術との出会いが私の生きていく上での礎になったことは間違いない。東京という様々な人間と情報が流れ集まってくる日本の最下流で元来ひきこもりヲタク体質の私が精神崩壊せずにそこそこやっていけてるのもこういった体験があったからこそだと思う。積極的に生きる。強健になる・・・。肥田式は本当の体育だと思う。
人を全人格的に観るホリスティックというコンセプトと、強健というコンセプトは相通ずるように感じる。
積極的に情報を集め、活用する。ヘルス・リテラシーも最終的には頭から降りて行って、自分の腹と腰でキメなければいかん。そう正中心で!脳ばかりが人間じゃないんだよ?
強健術はコンセプト!!
渾身是鐵!!筋骨柔軟飛鳥の如し!!
同胞諸君!!肥田式強健術の一読をお薦めするッッ!!
如何なる體軀と雖も、不断の努力を積まば、全く、全く、全く・・・・改造し得べしとの確證これなり矣!!


