本屋さん(Buchhandlung)の店舗デザインに注目
落ち着いた赤い壁面に内照のチャンネル文字
側面にはBuchhandlungの書き文字
(内照=中にライトが仕込まれていて光るもの)
(チャンネル文字=立体的な文字のこと)
(書き文字=壁に塗料で直接書かれた文字)
ドイツ店舗のデザインはかっこいい。
日本の看板屋で働いたことのある私。
こんなデザインは日本ではなかなか成立しない。
町で色のトーンが揃っていない日本では、
看板はばっちり目立つように自己主張しなければいけない。
そうしないと他の看板に負けてしまう。
町全体で、少しくすんだトーンのグラデーションでまとまっているドイツの町では
ピンクや水色や茶色や、いろんな壁の色があっても
全体としてのまとまりがある。
だから、その壁面に小さな文字や看板を付けるだけで
そこに視線が自然と向かう。
なんというか、たとえれば
日本→オープン棚に物が沢山つまった整理された部屋
ドイツ→扉付きの棚に物が整理されている部屋
という違いのような気がする。
ドイツでは何もない壁面の面積がとても多いので
小さなものでも見つけやすいのだ。
日本の場合、所狭しと情報や色や装飾が埋めこめれているのでそうもいかない。
大きな文字でラべリングしないといけない。
看板屋に勤め始めたころ、
ヨーロッパの街並みを何度羨ましくおもったことか。
目立つように、目立つようにデザインをする現実。
そんな中でも現状を受け入れ、より効果的なものを作ることへと
気持ちを切り替えてやっていたが、
やはりそんな仕事から離れてのんびりと町を眺めた時、
ドイツの街並みにあこがれを抱かずにはいられない。