ホーエンツォレルン城への小旅行を楽しんだ後は
近所のイタリアンレストランへ。
ドイツ料理ではなくイタリアン。
ドイツ料理も良いが、ドイツで食べるイタリアンも良い。
ドイツ料理では見かけないスパゲッティもあるし、
ボロネーゼのようなトマトソースベースのもの、
ハンバーグに似たもの等があり、
なんとなく、なじみの味のように感じる。
だからか、両親はちょこちょこと
この、家から徒歩五分のレストランへ
通っていた。
父はもっぱら
「ピルツ」
と言って淡色のビールを注文していた。
これは日本のビールに近いのだそう。
だが、やはりビールの国ドイツ、
味わいは格別だった。
テーブルに一つ一つ燭台が置かれ、ゆらゆらとろうそくの火が揺れる。
バックミュージックは人の気配のみ。
音楽はかかっていない。
これはドイツの他のお店でも同じだった。
どこも人の語らいが主役なのだ。
ほろ酔いでおしゃべりに花が咲き、
夜が更けていく。