EURO2024通信簿 グループA | BBGのブログ

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スペインの優勝という形で幕を閉じたEURO2024。
このブログでは毎日1試合ずつとあまり多くの試合の記事を上げることは出来なかったのですが、記事にはせずとも大会中は大半の試合を欠かさず観戦させてもらいました。
なので、今大会もこれまでと同様に出場24カ国の通信簿を更新させてもらいたいと思います。

まずはグループAの4カ国から。よろしくお願いします!


【EURO2024通信簿 グループA】

ドイツ 3勝1分1敗 11得点4失点
『昨年までの大混乱は影形もなく。新監督のもとで完成度抜群の試合を披露。』

基本フォーメーション

【各セクション評価】
【FW】90点
【MF】100点
【DF】90点
【GK】80点
【指揮官】90点
【総合点】450点(2位)
【MVP】ムシアラ
【今後への期待度】A


カタールW杯ではGS敗退に終わり、昨年の親善試合では4失点を喫し日本にまたしても敗戦。
この敗戦をきっかけにフリッツ監督の解任が決まるなど大会前の「大混乱」を考えれば、今大会の結果は最大限の評価に値すると言っていいだろう。

GSでは初戦のスコットランドを5-1と一蹴すると、その後も危なげない戦いで堂々首位通過。
これまでの引いた相手を崩せないドイツの姿はそこになく、ブロックを敷いて守るスコットランドやハンガリーをまるで苦にしない姿は大きなインパクトがあった。

攻撃の中心を担ったのはバイエルンで急激な成長を遂げるムシアラと、今季「無敗優勝」を成し遂げたレヴァークーゼンで10番を担ったヴィルツ。
これまでのドイツに欠けていた「縦への強さ」と「創造性」を発揮する補完性抜群の両翼は、試合中も巧みにポジションを入れ替えながら相手を幻惑。
彼らにある程度の自由を与えつつ、ギュンドアンやハヴァーツといった献身性の高いサポート役を前線に配置したナーゲルスマンの選手起用もお見事だった。
また、空中戦の強さを武器に貴重なジョーカー役を担ったフュルクルクも今大会のドイツを語る上では忘れてはならないだろう。

レヴァークーゼンでビルドアップを磨いたターや、大外からの攻撃参加を得意とするミッテルシュテットの抜擢などもあり、ナーゲルスマンも自身の戦術を短い時間で見事に仕込んでみせた。
スペインと共に今大会完成度の高さが際立ったチームであり、準々決勝のスペイン戦こそが今大会の事実上の決勝戦だったことは間違いない。

今後へ向けての不安要素があるとすれば、攻撃の司令塔を担ったクロースの引退だ。
ナーゲルスマンによる鮮やかな復活劇も、結局彼の代表復帰あってこそだったという感は否めない。
現状では一切代えの効かないタレントだけに、この事態を今度どう凌ぐか改めて指揮官の手腕が問われることとなる。


スイス 2勝2分1敗 8得点4失点
『安定感抜群のベテランに若手選手が巧みに融合。欧州屈指の実力を示した。』

基本フォーメーション

【各セクション評価】
【FW】70点
【MF】80点
【DF】80点
【GK】80点
【指揮官】80点
【総合点】390点(4位)
【MVP】エンボロ
【今後への期待度】B


GSでは第2節でスコットランドに引き分けと若干の足踏みもあったものの、第3節ではドイツと堂々渡り合ってきっちりと2位通過。
最大のインパクトを見せたのはラウンド16のイタリア戦であり、今大会のイタリアの出来が悪かったことを差し引いても素晴らしい内容でまさしく「完勝」となった。

ヤキン監督のもとでは初のEUROとなった今大会だが、チーム最大のストロングポイントは長年苦楽をともにしてきた主力選手たちによる冴え渡ったコンビネーション。
保持しても良し、カウンターも良しと、他国にはない幅広い戦い方を可能にさせたのは、代表キャップ50を超えるベテラン選手たちによる阿吽の呼吸あってこそと言えるだろう。

また、今大会は彼らベテラン選手に上手く融合しながら新たな戦力が続々と台頭。
セリアAで快進撃を見せたボローニャに所属するエービシャーとエンドイェはその勢いを代表チームにももたらし、特にエービシャーは崩しのキーマンとして大きな存在感を放ってみせた。

加えて、これまではどこか「ポテンシャル負け」という印象のあったエンボロが前線のキーマンとして躍動。
2得点を挙げただけでなく、最前線での駆け引きやボールを引き出す動きなど多岐にわたる活躍で攻撃を牽引した点も忘れてはならない。

それだけに、近年の国際大会ではどうしても超えられないベスト16、ベスト8の壁がもどかしい。
もはや欧州屈指の実力国の仲間入りを果たしていることは間違いないだけに、次のワールドカップでこそ大きな成果を掴みたい所だ。


ハンガリー 1勝0分2敗 2得点5失点
『描いた試合展開が最後まで叶わず、組分けの不運にも泣いてGS敗退に終わる。』

基本フォーメーション

【各セクション評価】
【FW】50点
【MF】60点
【DF】50点
【GK】50点
【指揮官】60点
【総合点】270点(21位)
【MVP】ソボスライ
【今後への期待度】D


予選では8戦無敗という成績で首位通過を果たし、国民からの高い期待を受けて臨んだ今大会。
しかし、本来の力を発揮することは叶わずグループステージ敗退という結果に終わった。

大会の肝となる初戦のスイス戦で1-3と厳しい結果に終わったことが全てだっただろう。
ブロックを敷いて守り、カウンターからゴールを狙うという青写真が12分の失点で決壊。
そこから慌てて前に出る姿勢を見せたものの、攻守両面でスイスのタレント力に屈し90分を通して完敗に近い結果に終わってしまった。

続くドイツ戦も前半22分に失点を喫してしまい、最後まで自分たちのリズムで試合が出来ず。
ある程度「耐えてこそ」というチームスタイルだっただけに、2試合を通じて堪えきれなかった守備陣には不満が残る。

とはいえ、ドイツとスイスがそれぞれ今大会有数の好チームだっただけに組み分けに恵まれなかったという見方もできるだろう。
不運だったのは試合順の早いグループAに振り分けられたことであり、最終戦のスコットランド戦はどうしても得失点差を意識した試合運びをすることが出来なかった。
結果的に1-0で勝ったものの、得失点差に泣いて同じ勝ち点3のスロベニアに敵わずGS敗退という結果には悔しさも強い。

ロッシ監督にとって2度目のEURO挑戦はまたもGS敗退という結果には終わったものの、ソボスライを筆頭に20代前半の選手たちが今大会はレギュラーとして貴重な経験を積んだことは間違いない。
次のワールドカップこそを最大の焦点に定め、まずは86年以来となる本大会出場を目指す。


スコットランド 0勝1分2敗 1得点8失点
『初戦の大敗でほぼ全て。国際大会で結果を残すには指導者層の成長が必須だ。』

基本フォーメーション

【各セクション評価】
【FW】50点
【MF】60点
【DF】40点
【GK】60点
【指揮官】40点
【総合点】250点(24位)
【MVP】マクトミネイ
【今後への期待度】E


開催国のドイツとの開幕戦にて1-5の大敗を喫した時点で今大会はほぼ終了となってしまった。
受けに回った結果多彩なアタッカー陣を誇るドイツに蹂躙され、シュート数では1対20という散々たる内容での大敗。
加えて試合内容に苛立ったかDFのポーテアスが悪質なファウルで一発退場と、世界中のサッカーファンに恥をさらしてしまった感は否めない。

続くスイス戦では勝ち点1を挙げGS突破に光を見出したものの、得点を挙げたマクトミネイの個人能力以外にはゴールの可能性を感じることが出来ない試合だった。
狙いとしていたショートカウンターはハマらず、逆にスイスのプレッシャーにDF陣はたじたじに。
前線の軸をアダムスに定めたクラーク監督の選手起用も機能したとは言い難く、ロングボールを収めた所に2列目3列目の選手が飛び込む予選での得点パターンは発動にも至らず終了した。

ハンガリー戦ではボールを持つ時間が増えたものの、ポゼッションで相手を大きく上回りながらシュート本数が「3対12」という結果が攻撃の行き詰まりをわかりやすく物語る。
DFラインからのビルドアップも極めて不安定で、90+10分に失点という「始まりと終わり」の印象値が極めて悪い大会となってしまった。

ロバートソンを筆頭にマクトミネイやギルモアなど下の世代の選手たちも続々と台頭しつつあるが、国際大会での結果は極めて厳しい結果が続いている。
戦術面で他国に大きく引けを取っている感は否めないので、これからは指導者のクオリティを高めることが求められてくるだろう。