2022年東京ヴェルディ通信簿 | BBGのブログ

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J1、J3はまだリーグ戦が続いている状況ではありますが、J2はひと足早く先月末にリーグ戦42試合が終了となりました。
私の応援している東京ヴェルディは9位フィニッシュということで今年も昇格は叶わず。
プレーオフ進出も果たせなかったので、例年通り早々と「通信簿企画」を更新したいと思います。

シーズン途中での監督交代など今年は例年以上に波の激しいジェットコースターのような一年となりましたが、いつもと同じく所属全選手にAからEまでの5段階評価をつけさせてもらいました。
例年通り辛口での寸評になるかと思いますが(苦笑)最後までお付き合い頂ければ幸いです!
それではよろしくお願い致します!!!


【2022年東京ヴェルディ通信簿】

■ゴールキーパー部門


1 マテウス 評価 B
2022年シーズン成績 20試合1800分出場 17失点

怪我で出遅れる幕開けとなったが、復帰以降も堀監督は一切起用せず。
城福体制に変わると即座にレギュラーを掴み、以降は正GKの座を守り抜いた。
終盤戦は数々の好セーブを披露し、5試合連続クリーンシートの立役者に。
リーグ有数のセーブ率を記録するなど、実力の高さを存分に示してみせた。

21 長沢祐弥 評価 D
2022年シーズン成績 5試合450分出場 9失点

堀体制では5試合に先発出場を果たすも、結果は9失点とほろ苦いものに。
彼に起因する9失点ではなかったが、インパクトは少ない5試合となった。
城福体制では出場機会を得られずも、2ndGKの座は最後までキープ。
決して首脳陣の評価は低くないだけに、腐らずに努力を続けたい所だ。

31 高木和徹 評価 D
2022年シーズン成績 15試合1350分出場 26失点

マテウスの出遅れもあって開幕スタメンを掴むと、序盤は見事な活躍を披露。
ビッグセーブを連発し、8戦無敗とチームの快進撃に大きく貢献してみせた。
しかし、チームの調子が崩れると責任を取らされるような形で守護神剥奪に。
その後は怪我の影響もあり、ほとんどベンチ入りも果たせずに一年を終えた。

41 佐藤久弥 評価 D
2022年シーズン成績 2試合180分出場 3失点

8節に味スタでプロデビューを飾ると、デビュー戦で大分を完封し勝利に貢献。
大きな一歩を刻んだものの、その後は続かず2試合のみの出場に終わった。
現状では他の3選手と実力差がある感は否めず、現体制では評価を得ていない。
来季は「大学No.1GK」と言われる飯田の加入が決まり、正念場を迎える。

◎ゴールキーパー部門総評

4選手全てが出場機会を得るという珍しいシーズンとなったが、21試合で3選手を起用した堀前監督の采配はこのGKの選考が「最も不可解だった」と言えるだろう。

最も実力のあるマテウスを最後までベンチにも入れずと干し続けた点がまず最大の謎であり、自らがチームの守備を一切修正できない中で、その責任をまるで高木和に押し付けるかのように守護神の座から降ろした点もあまり良い印象を抱けなかった。
その後も起用が定まらず、4選手それぞれにとって前半戦は難しいシーズンになったと言えるだろう。

6月に城福監督が就任すると、以降の正GKはマテウスにて「一本化」。
マテウスも指揮官の期待に応える例年以上のパフォーマンスでチームを引き締め、最後の6連勝におけるMVPとも呼べる存在に。
改めて能力の高さを示してくれただけに、前監督がもう少し早く彼を起用していればそれこそPO進出もあり得たのではないだろうかと悔いが残る所である。

先述したように来季は既に大学No.1GKの呼び声高い飯田雅浩(国士大)の加入が内定。
J1からもオファーのかかっていた実力者であることを考えればマテウスとの併用はやや贅沢がすぎる感も否めないが、今季のパフォーマンスを見るとマテウスは手放し難い存在であるのもまた事実。
飯田に押し出される選手の選考も含めて、チームの決断には大きな注目が集まっている。


■ディフェンダー部門

2 深澤大輝 評価 C
2022年シーズン成績 32試合2320分出場 3得点2アシスト

2番を背負った今季は昨季から出場機会を倍増させレギュラーに定着。
時にゴール前まで進出する積極的な攻撃参加でとりわけ存在感を放った。
その一方で終盤戦は奈良輪にポジションを譲るなどやや息切れの印象も。
攻守両面において来季はあと一歩「突き抜けた」活躍が求められてくる。

3 ンドカ・ボニフェイス 評価 A
2022年シーズン成績 32試合2611分出場 3得点1アシスト

昇格しかないと宣言して挑んだ今季は、個人で見れば出色の出来を披露。
若手の起用を重視した堀体制ではやや不可解な形で出場機会を伸ばせずも
城福監督からは全幅の信頼を受け、終盤戦はキャプテンの座も任された。
気迫や情熱を全面に押し出し、チームを牽引する姿が何より印象的だった。

5 平智広 評価 E
2022年シーズン成績 11試合679分出場 1得点0アシスト

昨季に続いて今季も満足な出場機会を得られず、先発はわずか7試合で終了。
怪我の影響とは聞くが、その詳細は不明で更にモヤモヤの残る一年だった。
出場した際のパフォーマンスには不満はないが、とにかく出番が続かない。
一昨季のプレーを思えばまだ諦めはつかないが、現状では戦力と言い難い。

15 馬場晴也 評価 C
2022年シーズン成績 25試合2421分出場 0得点3アシスト

堀監督からは高い評価を受け、前半戦はほとんどの試合でフル出場。
その一方で守備面での軽率なプレーが批判の槍玉に上がる機会も多かった。
その後は様々なポジションで起用されながら、最終盤でボランチに定着。
積極的な配球など攻守両面で存在感を発揮し、来季へ繋がる活躍を披露した。

16 山越康平 評価 D
2022年シーズン成績 20試合1391分出場 1得点1アシスト

堀体制下ではSBとして起用され、自身初となるポジションで新境地を開拓。
堅実な守備だけではなく時に大胆な攻撃参加も披露して快進撃に貢献した。
一方で城福監督からは評価を得られず、後半戦の先発出場は5試合で終了。
ベンチに控えていると心強い存在ではあるが、立ち位置は苦しい所である。

22 佐古真礼 評価 E
2022年シーズン成績 4試合53分出場 0得点0アシスト

熱いキャラクターと誰よりもクラブを愛する姿勢でファンの人気は博するも
いかんせん実力がまだJ2レベルに追いついていないという印象は否めない。
藤枝での武者修行から復帰した今季も、出場4試合と立場はほぼ戦力外。
まずはDF、またはFWのどちらで勝負するのかを明確に定めるべきだろう。

23 谷口栄斗 評価 B
2022年シーズン成績 34試合2877分出場 1得点1アシスト

ルーキーながら開幕スタメンを掴むと、年間を通してレギュラーを維持。
両指揮官からの信頼を受け、チーム最長となるプレー時間を記録した。
CBらしからぬ高いビルドアップ能力はリーグを見渡しても有数の能力。
その一方で対人守備などでは課題も残し、来季は独り立ちを目指したい。

26 加藤蓮 評価 C
2022年シーズン成績 30試合2041分出場 3得点2アシスト

5節でプロデビューを飾ると、シーズンを追うごとに存在感を高める一年に。
線は細いが身体能力に優れ、タイミングの良い攻撃参加でサイドを活性化。
ヘッドで2得点を挙げるなど意外性も発揮し、何かと重宝する存在となった。
サイドアタックを基本線とする現体制では欠かせぬ選手。来季は要注目だ。

28 山口竜弥 評価 D
2022年シーズン成績 4試合115分出場 0得点1アシスト

昨季は攻撃のキーマンとまで呼ばれた男が、今季はわずか出場4試合で終了。
SBに推進力があまり求められなかった堀監督のもとでは一切試合に絡めず
巻き返しが期待された城福体制下でも結局先発出場は1試合のみに留まった。
個人能力は高くとも戦術理解力に難ありか。自分に合った新天地を見つけたい。

32 宮本優 評価 D
2022年シーズン成績 9試合447分出場 0得点0アシスト

ルーキー組の中では最もプロへの適応に苦しみ出場機会を伸ばせなかった。
城福監督からはボランチとしても起用されるなどプレーの幅を広げたが
どこのポジションを務めるにおいてもこれという長所がまずは欲しい所。
SBで出場した試合では失点につながる守備が散見されるなど課題は多い。

39 アルハン 評価 E
2022年シーズン成績 1試合45分出場 0得点0アシスト

加入と同時にSNSのフォロワーが10倍に増えるなど多くの話題を集めるも
選手としての実力は残念ながらJリーグで通用するには程遠いものだった。
フィジカルの弱さは致命的で、SBとしての起用は全く望めないのが現状だ。
本人は謙虚な姿勢で努力を続けているが、戦力としては構想外と言っていい。

◎ディフェンダー部門総評

谷口、加藤、宮本といったルーキーが加わっただけでなく、佐古の復帰や馬場の台頭などで年齢層が大きく若返る一年に。
堀前監督がプッシュした「谷口&馬場」のCBコンビはさすがに脆さを露呈したが、城福監督就任後はンドカがDFラインの柱となって若い選手たちを牽引。
谷口とのコンビは互いの欠点を上手く補完する機能性の高さを発揮し、その結果がラスト5試合クリーンシートという結果にも現れたと言えるだろう。

それだけに、ンドカは是が非でもチームに残したい所。
能力の高さはもちろんのこと、精神的支柱として彼が今季のチームに与えた影響は計り知れないものがある。
谷口もまだひとりでチームの守備を支えられるほどの選手ではないだけに、ンドカの去就が来季のチームに大きな影響を与えることは間違いない。

SBに関しては、深澤と加藤という若手2名がレギュラーに定着し今後の展望は明るい状況にある。
それぞれ評価はCという結果に終わったようにまだ決して満足行くパフォーマンスを残しているとは言い難いが、伸びしろは十分で今後には期待大。
特にシーズンを追うごとにパフォーマンスを高めた加藤は来季面白い存在となる可能性を秘めている。
その一方で彼らふたりの後ろに控えるバックアッパーの質には課題が残っただけに、来季は余剰戦力を整理しながら即戦力を加えたい。

インドネシアの大スターとして国内外から多くの注目を集めたアルハンは、残念ながらあまりにも実力が足りていなかった。
母国の熱狂的ファンが怖い所ではあるものの(苦笑)長期的な視野で育てればモノになるというレベルではなく、これ以上チームに置いておくのも彼のためにはならないだろう。


■ミッドフィールダー部門

4 梶川諒太 評価 A
2022年シーズン成績 39試合2842分出場 1得点8アシスト

強いクラブ愛を胸に今シーズンはこれまで以上に前面に立ってチームを牽引。
ピッチ上でも陰りの見えない運動量と献身性でチームを支えただけでなく
プレースキッカーとしても重要な役割を果たし、自己最多アシストを記録した。
城福体制ではやや適応に苦しむも、終盤ではSHとしてやはり欠かせぬ存在に。

7 森田晃樹 評価 A
2022年シーズン成績 34試合2341分出場 4得点3アシスト

監督の交代で序列が下がることが危惧されたが、蓋を開ければ真逆の展開に。
ボランチの一角として信頼を掴むと、出色のパフォーマンスで攻撃を牽引。
持ち前の推進力や展開力を存分に発揮し、チームに欠かせない存在となった。
これまでの不安定さや弱々しさが払拭され、いよいよチームの中心選手へ成長。

8 井出遥也 評価 E
2022年シーズン成績 7試合400分出場 0得点0アシスト

今季は例年以上に怪我に苦しみ、加入以来最少となる7試合の出場に留まった。
術後のコンディション維持にも苦しみ、復帰後も離脱を繰り返す苦しい一年に。
高い能力は誰もが認めるが、毎年この稼働率では戦力としては計算しづらい。
練習場などを含め、環境を変えることが本人にも幸せな選択ととなるだろう。

9 杉本竜士 評価 C
2022年シーズン成績 31試合1470分出場 6得点4アシスト

3トップの一角で起用された前半戦はフィニッシャーとして思わぬブレイク。
開幕5試合で4得点を挙げるなどチームの快進撃を牽引する存在として活躍した。
しかし、4-4-2が基本線となった後半戦は突破力などに課題を残し大きく失速。
相手選手のラフプレーでひと足早くシーズンを終える悔しい結末となった。

14 石浦大雅 評価 D
2022年シーズン成績 20試合1040分出場 1得点0アシスト

スタメンの若返りが図られた堀体制では自身初となる開幕スタメンの座を奪取。
しかし満足なパフォーマンスが残せずに、徐々に序列を下げる形となった。
19節にはJリーグ初ゴールを記録するも、プロ3年目でこの結果には不満が残る。
城福体制では更に出場機会を減らしており、来季は正念場の一年となってくる。

17 加藤弘堅 評価 D
2022年シーズン成績 27試合1210分出場 2得点0アシスト

今季も試合のクローザー役としての立ち位置は変わらず出場機会は限定的に。
監督交代後も評価は上がらず、年間を通して先発出場は14試合のみに終わった。
豊富な経験値を持つ貴重な存在だが、ボランチは激戦区だけに立場は苦しい。
終盤戦で僅かに披露した積極的な攻撃参加で新境地を開拓したい所である。

18 バスケス・バイロン 評価 B
2022年シーズン成績 28試合936分出場 4得点3アシスト

いわきFCから加入と未知数な存在だったが、結果的には思わぬ掘り出し物に。
推進力を武器に貴重なジョーカーとして機能し、多くの得点に絡んでみせた。
夏場に「個人的な事情」を理由に長期離脱するも、終盤戦はスタメンに定着。
出場時間に比例しない強い存在感を発揮し、大きく評価を高める一年となった。

19 小池純輝 評価 D
2022年シーズン成績 29試合1596分出場 3得点2アシスト

エースとして得点を量産した昨季から一転、今季は大不振に陥る一年に。
堀体制では新井(夏に退団)への依存が強かっただけに割りを食った感もあるが
そこを差し引いても存在感は希薄で、らしくない簡単な決定機逸も多かった。
城福体制では使い所がない感は否めず、僅か一年で放出候補へと立場が急転。

24 奈良輪雄太 評価 C
2022年シーズン成績 15試合1097分出場 0得点2アシスト

戦力外に近い扱いが続いた1年以上の苦難を乗り越え、遂に再始動の一年に。
城福体制発足以降は徐々に評価を高め、最後は深澤からポジションを奪取した。
天皇杯では磐田相手に強烈なミドルシュートを決めてベスト16進出の立役者に。
不遇の時期でも努力を怠らなかったプロとしての姿勢に改めて敬意を評したい。

25 稲見哲行 評価 D
2022年シーズン成績 12試合512分出場 0得点0アシスト

怪我で出遅れ、プロデビューは7月と周囲の同級生から大きく遅れを取った。
以降も満足なプレーは見せられずスタメン奪取とまでは至らなかったが
積極的な攻撃参加などで自身の特長や持ち味を発揮することには成功した。
綱島の加入や馬場の台頭もあるだけに、来季はこの長所をさらに伸ばしたい。

33 橋本陸斗 評価 D
2022年シーズン成績 3試合20分出場 0得点0アシスト

鮮烈なデビューを飾った昨季に比べると大きな物足りなさが残る一年に。
出場時間はほとんど伸ばせず、両指揮官それぞれから評価を得られなかった。
来季は「プロ3年目」と考えるのあれば、そろそろ一皮むけたい所である。
戦術理解力を伸ばし、出場0分に終わった現体制での序列を何とか高めたい。

34 西谷亮 評価 D
2022年シーズン成績 9試合434分出場 0得点0アシスト

城福監督からはその才能を高く評価され、就任直後はすぐにスタメンへと抜擢。
ボランチからCFと幅広い起用を受けたが、目立った結果を残せたとは言い難い。
まずは自分のストロングポイントを磨き、プロで通用する武器を作り上げたい。
素質の高さは伺えるだけに、焦ることなくコツコツとした努力の継続が必要だ。

◎ミッドフィールダー部門総評

堀監督のもとでは「4-3-3」の布陣が継続となったが、その中で大きな課題だった「アンカー不足」を今季は山本理仁(現G大阪)が見事な成長にて解決。
これまでにない攻守両面での力強い活躍により、序盤戦の快進撃の立役者となった。

一方で、山本と梶川に次ぐ「3人目」の選考は最後まで定まらないままだった。
主に起用された石浦と森田はそれぞれ物足りないパフォーマンスに終わり、中盤の選手の得点力という課題は解決されないまま堀体制は終焉を迎えることとなった。

城福監督も序盤は4-3-3を継続させるも、早い段階で自身の得意とする4-4-2へとシフトチェンジ。
しかし、永井・堀と長らく続いた「4-3-3仕様」の編成がここで大きな仇となり、サイドハーフ不足が新体制では大きな課題としてのしかかることに。
城福監督もここの選手起用は「週替わり」という状態が続いたが、バスケスの戦列復帰もあり最終盤でようやく「梶川・バスケス」が固定されることとなった。
とはいえ梶川もサイドハーフの選手とは言い難いだけに、このポジションは来季の大きな補強ポイントとなることは間違いないだろう。

山本が夏にガンバへと去った点は想定外ではあったものの、ボランチに関しては被害を最小限に留めたと言っていい。
城福監督の就任以降まるで人が変わったかのような素晴らしいプレーを見せた森田は今やすっかりチームの柱であり、このオフはなんとしても死守したい存在だ。
また、DFラインでは不安定なプレーが続いた馬場も最終盤でボランチとしてレギュラーに定着。
ここに稲見や加藤といった実力者が控える上に、来季は綱島の加入が内定済みと、ボランチの選考に関しては城福監督も嬉しい悲鳴を挙げていることだろう。


■フォワード部門

13 阪野豊史 評価 C
2022年シーズン成績 10試合185分出場 3得点0アシスト

補強の目玉として加入するも、キャンプ中にアキレス腱を断裂し長期離脱。
キャリア初の大怪我を負ったものの、終盤戦で復帰し3得点を記録した。
先発は2試合、出場時間185分であることを考えれば決定力の高さは歴然。
改めて長期離脱が悔やまれるだけに、来季はこの悔しさを結果で晴らしたい。

27 佐藤凌我 評価 A
2022年シーズン成績 40試合2440分出場 13得点2アシスト

2年目のジンクスも苦にせず、今季も年間を通してコンスタントに得点を量産。
FW不足のチームにおいて、2年で82試合に出場という鉄人ぶりにも頭が下がる。
城福体制下ではFWに求められるタスクが代わりやや出場機会を減らしたものの
最終節では彼らしい見事なゴールを決めて感涙。このオフでの移籍が濃厚か。

29 河村慶人 評価 B
2022年シーズン成績 28試合1658分出場 3得点3アシスト

城福監督の就任で「最もブレイクした選手」と言って間違いはないだろう。
フィジカルの強さを活かした突破力を武器にCFだけではなくSHも兼務しながら
90分間絶え間のないプレスも披露し、幅広い貢献で大きな存在感を放った。
ヴェルディらしくない熱いキャラクターで、ファンの心もグッと掴む一年に。

30 染野唯月 評価 C
2022年シーズン成績 16試合1100分出場 4得点0アシスト

城福体制での「補強第1号」として鹿島から加入し、すぐにスタメンに定着。
一時は10試合近く無得点が続くなど起用法を疑問視する声もあがったが
39節からの3試合連続得点などフィットが進んだ終盤戦に見事な結果を残した。
レンタル移籍中の立場だが、獲得に値するパフォーマンスは見せただろう。

◎フォワード部門総評

登録わずか4選手と今季も選手が不足していた感は否めないが、その中で4選手それぞれが一定の存在感を発揮する一年となった。

エースとして2年連続13得点という結果を残した佐藤のパフォーマンスは見事の一言。
ストライカーらしいゴール前での嗅覚は彼の大きなストロングポイントであることを再確認しただけではなく、天皇杯では川崎を相手に強烈なミドルシュートを突き刺すなどまたひと回り成長したような印象すら感じる一年だった。
その一方で守備のタスクやポストプレーなどがCFに求められるようになった城福体制ではやや序列を落としたものの、一切腐ることなく最終節では鮮やかなロングシュートで勝利に貢献。
得点後の感極まった様子を見ていると…残念ながら移籍が濃厚と考えるべきだろう。

そんな城福体制で大きく評価を伸ばす存在となったのが河村慶人だ。
決して技術があるタイプの選手とは言えないが、フィジカルの強さと積極性を活かした「ゴリゴリとしたドリブル」はJ2の舞台では十分相手の脅威となるクオリティ。
新井の退団、そしてバスケスの離脱と推進力のある選手を欠いた後半戦は、彼のドリブルが攻撃の生命線となるような試合も少なくなかった。

自身の周りを衛星的に動き回る河村という「良きパートナー」を得たことで、最終盤では染野も覚醒に近いパフォーマンスを披露。
所々で決定機を逃していた点は評価を落とすものの、鹿島に所属していたその実力の高さは十分に示してくれたと言えるだろう。
ストライカーらしからぬ温和な性格は欠点とも言えるかもしれないが、チームにも素早く溶け込んだだけに来季も是非残留して欲しいところである。

ここに阪野が「完全復帰」となれば来季のFW陣も楽しみな顔ぶれが出揃うが、佐藤の移籍が濃厚と考えた場合は一枚強力なタレントを加えたい。
J1昇格を本気で狙うのであれば各選手にまだ物足りなさが残るだけに、得点力はもちろんのこと「収める」力に長けた屈強なFWの獲得をチームには求めたい。


■チーム総評

例年以上にジェットコースターのような浮き沈みの激しい一年だったが、終わってみると比較的ポジティブに捉えられるシーズンだったのではないだろうか。
尻すぼみに終わることが多かったここ数年の中で、「6連勝フィニッシュ」という結果は最大限の評価が与えられるべきだろう。

自身初となる「途中就任」となった城福監督は、苦しみながらも明確な前進をチームに授けてくれた。
8月から9月にかけては勝利から遠ざかる時期が続き自身の采配も冴えのない試合が多かったが、「このチームがやるべきこと」を再整理し選手たちにそれを徹底させた点は見事。
自身が重用した河村のプレーに代表されるように、ハードワークを基調としたサッカーでチームは秋ごろからV字回復を披露した。
戦術もさることながら、どんな苦境に陥っても選手たちを奮い立たせることが出来るモチベーターとしての能力は圧巻。
最終節後のセレモニーでサポーターに向けて語った言葉からも、彼のそうした部分での能力の高さを伺い知ることが出来ただろう。

また、指揮官のこうした情熱に応えた選手たちの「プロとしての姿勢」にも拍手を送りたい。
負けが混んだ時期には例年以上にサポーターから強い「檄」が飛ぶ場面も見られたが、どんな状況下でもしっかりと対峙して彼らの熱量に応えていた姿には感心させられる思いだった。
これまではどこか感情を表に出したがらない選手が多かった中で、ンドカや河村のように闘争心をむき出しにしてプレーする選手が周りに与えた影響は非常に大きかったと言えるだろう。

その一方で残念だったのは、前半戦を棒に振る形となってしまった堀前監督の続投というクラブの判断だ。

序盤こそ8戦無敗と好スタートを切ったものの、昨年からの課題だった「守備戦術の構築」が一切進められないままではその後の凋落は当然の結果と言っていい。
城福監督とは対称的に言動からは情熱というものが一切伝わってこず、残念ながら昇格という極めて高いハードルを飛び越えるために相応しい指揮官とは言い難かった。
昨年オフの段階で既に城福監督就任の噂が持ち上がっていたことを考えると、恐らく金銭的事情で一度は続投を選択したのだろうが…結果的にはこの判断が大きな誤りであったことは間違いない。

もちろん、城福監督の就任ですべてが好転したわけでは決して無い。
最終順位も9位とプレーオフ圏内にすら届いていない現実を考えれば、まだまだ昇格を狙うに相応しいとは到底言い難いのが現状だ。

クラブが立てた「3年計画」の「3年目」を迎える来季、本気で昇格を狙いに行くのであれば市場への積極的投資と大型補強は必須条件となってくる。
クラブにその覚悟があるのかは我々には分かりかねる所だが、あくまでも来季を「勝負の一年」と捉えて次回の記事では来季の個人的展望を紹介させてもらうこととする。