2018年東京ヴェルディ通信簿 | BBGのブログ

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さて、ベストイレブンの発表に引き続いて今回は予告通り2018年の東京ヴェルディ通信簿を皆様にお届けしたいと思います。
東京ヴェルディの2018年所属全選手に対してAからEの5段階評価で文字通り「通信簿」をつけていこうという毎年恒例の企画。

2年連続で昇格プレーオフに進み、まだ昇格or残留が未確定のヴェルディではありますが
最大でまだ3週間結果が分からないので、さすがに3週間待ってから更新はできません(笑)

毎年そうですがこの「通信簿」はあくまでリーグ戦42試合に限っての評価で付けていますので
今年はプレーオフの結果を待たずして先に更新を済ませたいと思います。

それでは少し気が早いかもしれませんが今季の通信簿、早速更新していきましょう!
よろしくお願いします!

【2018年東京ヴェルディ通信簿】

■ゴールキーパー部門


1 柴崎貴広 評価 D
2018年シーズン成績 出場なし

昨年は守護神としてフル稼働するも、今年は上福元の前に「歯が立たず」。
天皇杯では3試合に出場するも、リーグ戦では最後まで出場機会が無かった。
上福元の活躍ぶりを見ると確かに総合的な部分で実力差がある感は否めないが
昨季の出来を考えればベンチウォーマーに納得できるか否か。難しい立場だ。

21 上福元直人 評価 A
2018年シーズン成績 42試合3780分出場 41失点

加入1年目にして不動の守護神として2年連続のPO進出に大きく貢献した。
難しいシュートへの神がかった反応の連続は「カミセーブ」とファンを沸かせ
何より目立ったのは高い足元の技術を生かした攻撃の組み立てへの関与。
守るだけでなくチャンスメイクでも貢献し、自身の価値を大きく高める一年に。

31 武田博行 評価 E
2018年シーズン成績 出場なし

レンタル移籍から完全移籍にスイッチとなるも、今季も出場機会は回ってこず。
昨季は年間を通して怪我に泣いたが、万全な状態でも立場に変わりはなかった。
上福元はともかくとして柴崎の立場を脅かせないとなると立ち位置は苦しい。
35歳の選手を第3GKとして抱える意義も見出しづらく、退団が濃厚だろう。

34 長谷川洸 評価 E
2018年シーズン成績 出場なし

ユースから日体大を経てトップチーム帰還を果たすも、存在感希薄の一年に。
公式戦で一度もベンチ入りできず、4番手の序列は最後まで覆せなかった。
ルーキーとはいえ、同期の福井(町田)の活躍を見れば悠長には構えられない。
実戦経験を求めて新天地を求めるのが今の彼には一番の得策だろう。


◎ゴールキーパー部門総評

大分から加入した上福元が際立った実力を証明。
シンプルに実力差が否めず、残りの3名にとっては苦しい一年となってしまったと言えよう。

まずは改めて上福元の評価になるが、加入初年度ながら今季のMVPと言っていい活躍ぶりだったろう。
驚異的なビッグセーブの数々に加えて、観る者を唸らせる美しいキックの数々。
時には強烈なスローイングで得点の起点になるなどその貢献は実に多岐にわたり、整った容姿と合わせてファンの気持ちも一年でまさしく「キャッチ」した。
ハイボールに弱いという唯一の弱点はあるものの、J2では頭ひとつ抜けた実力の持ち主。
個人的にもここまで良い選手だったとはと驚かされる活躍ぶりだった。

それだけに、来季以降の選手編成を考えるのは少し難しくなってしまった。
昨年はキャリアハイに近い活躍を見せた柴崎がこのままキャリア晩年をセカンドGKという立ち位置で満足するのかは何とも言えない状況であり、柴崎が退団となれば武田と長谷川ではセカンドGKは心許ない。

長谷川の加入は将来性を見越してという部分が強かっただろうが
GKとしては十分若い上福元の年齢を考えれば、現状では当面出場機会を与えるのは難しいだろう。

際立った活躍を残したとはいえ、上福元が一年で退団するとはさすがに考えづらく、来季の編成は柴崎の去就がまずはひとつのポイントとなるだろう。
クラブ愛が強い選手だけに恐らくは残留が濃厚だが、その場合は長谷川はレンタル移籍で実戦経験を積ませながらまずは柴崎を脅かす選手へと育て上げたい。
柴崎がもしも退団となれば実力のあるセカンドキーパーの補強も求められてくるだろう。


■ディフェンダー部門

2 若狭大志 評価 D
2018年シーズン成績 4試合249分出場 0得点0アシスト

CB、SBをこなすマルチとして貴重なバックアッパーになると思われたが…。
出場4試合とどちらのポジションでもほぼ戦力にはなれなかったと言っていい。
畠中の移籍以降も出場機会は回ってこず、3バックでは香川の後塵も拝した。
大半の試合でベンチには入ったものの、昇格への戦力としては実力不足か。

3 井林章 評価 A
2018年シーズン成績 42試合3780分出場 1得点0アシスト

今季もディフェンスリーダー、主将として最後尾からチームを一手に支えた。
鉄人ぶりも相変わらずで、今季はついに自身初のフルタイム出場も達成。
失点数41は彼の存在なくしてあり得ず、畠中移籍後は攻撃参加にも意欲。
主将として前に立つ場面も例年より増え、更なる成長を見せた一年だった。

4 香川勇気 評価 C
2018年シーズン成績 11試合738分出場 0得点3アシスト

移籍期限ギリギリで加入すると、即座に首脳陣の信頼をつかみ出場機会を確保。
貴重なレフティーとして時にはCB、時にはWGと最終盤までフル回転を見せた。
戦術理解度が高く、11試合で3アシストと素早い適応で多くのチャンスを演出。
派手さはないが貴重な存在に。保有元の長崎は降格となるも買い取りたい所だ。

5 平智広 評価 C
2018年シーズン成績 21試合2183分出場 2得点2アシスト

急成長を見せた畠中に遅れを取り前半戦は出場機会が限定されることになるが
そのままJ1へと羽ばたいた彼の退団以降はレギュラーとして不動の立場を確保。
繋ぎの部分でも積極的なトライを見せ、2得点2アシストと攻撃面でも貢献した。
とはいえ、彼が不動の立場であることはやや物足りなさも否めないと言えよう。

13 比嘉祐介 評価 E
2018年シーズン成績 出場なし

キャンプからの怪我が長引き、全ての公式戦を通じて出場機会は36分で終了。
リーグではベンチ入りも無しとなればさすがに評価は厳しくせざるを得ない。
怪我のエクスキューズを差し引いてもシンプルに実力不足ということだろう。
明るい性格でネット上では人気者だが、選手としてはキャリアの岐路に立った。

15 林昇吾 評価 D
2018年シーズン成績 10試合447分出場 0得点0アシスト

開幕直後は右WGとして抜擢され「幻のゴール」を挙げるも活躍は持続せず。
やはり攻撃面では物足りなさが、守備の部分でも強度に不安を残してしまう。
天皇杯でも一定の活躍は見せるが、最後まで指揮官の序列は上がらなかった。
貴重なレフティーだが、3年目を迎えた今季もこの結果では立場は苦しい。

17 李栄直 評価 C
2018年シーズン成績 26試合991分出場 4得点2アシスト

CB、もしくはDHとして期待されるも蓋を開ければまさかの得点源として活躍。
高さを活かし、パワープレー要員として貴重なゴールをいくつも奪った。
時にはWGの位置も器用にこなすなどそのプレーには妙な底知れなさが(笑)
強靭なメンタル、貴重なムードメーカーとしてピッチ内外でチームに貢献した。

 19 永田充 評価 E
2018年シーズン成績 出場なし

残留がやや驚きでもあったが、今季は結局出場機会が一切回ってこなかった。
天皇杯では全試合に出場。プレーを見る限り実力が劣る印象は無かったが…
膝の状態も決して悪くは無さそうだけに、まだJの舞台で十分通用するだろう。
来年は36歳を迎えるが「フランツ」と称されたそのプレーはまだ見たい所だ。


◎ディフェンダー部門総評

登録では以上になったが、ここに田村と奈良輪を加えたメンバーでディフェンスラインは形成されることとなった。

こうして見てもその内で比嘉と永田は一切出場せず。
若狭と林もほとんどポイントポイントでしか戦力にはなれず、選手間の実力差がはっきりと表れたセクションと言えるだろう。

また、シーズン途中にそれまでレギュラーとして出場を続けていた畠中がまさかの移籍となった影響は決して小さくなかった。
その後も失点数などでは大きな乱れはなかったが、守備だけでなくフィード面で効果的な働きを見せていた畠中がいなくなった影響は見逃せず
彼がシーズン終了まで所属していれば違った結果も有り得たかもしれないというのが悔しいが本音の部分だ。

そんな中、井林・平・そして奈良輪と田村のレギュラー格4名は怪我も少なくよくパフォーマンスを維持してくれたが
彼らに頼りきりだった感は否めず、所属がJ1であれJ2であれ来季はまずレギュラー陣を脅かすことのできる実力者の加入が必須だろう。

特に攻撃面で物足りなさの残ったサイドバックのセクションは大きな補強ポイント。
香川の加入が良いアクセントとなったが、その香川の去就も流動的であること考えれば力のある選手を最低でも一枚は加えたい。


■ミッドフィールダー部門

6 泉澤仁 評価 A
2018年シーズン成績 17試合1037分出場 3得点4アシスト

7月に昇格への切り札として加入すると、期待に違わぬ活躍ぶりを披露。
ゼロヒャクと評される独特のフェイントを活かした突破力はJ2では別次元であり
独力で違いを生み出せる存在としてスコア以上にチームの攻撃の肝となった。
願わくば開幕時にいてほしかったが…来季は何としても完全移籍で加えたい。

8 内田達也 評価 B
2018年シーズン成績 41試合3611分出場 0得点1アシスト

昨季に比べるとやや存在感は落としたが、ロティーナのチームには外せぬ存在。
今季も結局代えの効かない選手として中盤の底で一年間フル稼働してみせた。
怪我の多かった過去のキャリアを脱し、今ではJ2でも有数のタレントへ成長。
ヴェルディでの2年間で大きく自身の価値を高めたが、来季の去就やいかに。

14 澤井直人 評価 D
2018年シーズン成績 4試合101分出場 0得点0アシスト

昨季を怪我でほぼ全休し、いよいよ本格的に勝負のシーズンだったが…
中々戦術にフィットできず、与えられたチャンスもフイにする機会が目立った。
結局後半戦を前に提携クラブである仏2部のアジャクシオへレンタル移籍。
来年夏までの移籍だが、初めての海外移籍を機にどうにか殻を打ち破りたい。

16 佐藤優平 評価 B
2018年シーズン成績 24試合1505分出場 6得点3アシスト

チームへの適応に苦しんだか前半戦は出場時間すら与えられない時期を過ごすも
腐らずに出場機会を掴むと、思わぬ得点力も発揮して後半戦はレギュラーへ。
高い技術で攻撃に推進力をもたらす存在として終盤戦は主軸へ成長した。
苦しい時期に彼の活躍がいかに助けとなったか。陰のMVPと呼べる存在だ。

20 井上潮音 評価 D
2018年シーズン成績 23試合1372分出場 0得点1アシスト

勝負の3年目のはずだったのだが、大きく停滞する一年となってしまった。
先発した試合でもどこか存在感が希薄で、自身の持ち味を発揮出来ず。
ライバルの多いセンターハーフだけに余計物足りなさが目立った感は否めない。
終盤にやや復調するも、期待とは程遠いシーズンに。来季に勝負を懸けたい。

23 田村直也 評価 B
2018年シーズン成績 31試合2490分出場 0得点2アシスト

層の薄いサイドバックのセクションで今年は欠場期間を除いてほぼフル回転。
攻撃面で物足りなさは残るも、様々なポジションに対応しチームを助けた。
黒子ではあるが彼がいなければチームは守備崩壊というケースも有り得たろう。
34歳を迎えたがロティーナのもとまだまだ成長中。意欲的な姿勢も好印象だ。

24 奈良輪雄太 評価 A
2018年シーズン成績 42試合3650分出場 2得点4アシスト

田村と同様に層の薄いサイドバックで鉄人ぶりを発揮し全試合に先発出場した。
毎試合脅威の運動量を見せながら一年間パフォーマンスを落とさないのは圧巻。
クロス精度などの課題は抱えるも、抜群の連携で味方の特長も巧く引き出した。
プレーに加えメンタル面でも強靭さが光り、自身キャリアハイの一年を過ごす。

27 橋本英郎 評価 D
2018年シーズン成績 4試合41分出場 0得点0アシスト

昨季は試合を締める存在として活躍するも、今季は「お役御免」といった所か。
中盤の層が増し、各選手が成長したチーム内で彼の出番は必要とされなかった。
39歳を迎え、出来ることならばその頭脳を違った形でクラブに取り入れたいが…
本人はまだまだ現役にこだわっている印象がある。来季は新天地を求めるか。

29 森俊介 評価 D
2018年シーズン成績 2試合117分出場 1得点0アシスト

貴重な左利きのアタッカーとして加入し、初先発の試合で初得点とサプライズ。
しかし、次の試合を最後に出番は与えられず出場は2試合に留まった。
理由は明白であり、一辺倒なプレーは警戒を受けるとほとんど機能不全に。
伸びシロは見せたが、昇格を争うようなクラブでは正直やや実力不足だろう。

33 渡辺皓太 評価 B
2018年シーズン成績 36試合2778分出場 2得点9アシスト

プロ2年目で更に進化し、開幕から19歳にしてチームの攻撃の中心に君臨。
球際の強さ、縦への推進力と持ち味を発揮し多くの得点に絡む圧巻の活躍ぶり。
しかし、8月の代表招集が大きな誤算となりチームに復帰後は存在感が希薄に。
尻すぼみな形でシーズンを終えたが、その才能は存分に示した一年だったろう。

38 藤本寛也 評価 C
2018年シーズン成績 25試合1694分出場 3得点3アシスト

開幕戦での先発出場はやや驚きだったが、首脳陣の高い期待に応える一年に。
徐々にチームに適合すると、夏場には苦しい試合で値千金のゴールを連発。
ルーキーながらチームに勝利を授ける貴重な活躍で才能を結果に引き換えた。
チームとしては彼のもうひと伸びが欲しかったが…そこまで求めるのは酷か。

38 梶川諒太 評価 C
2018年シーズン成績 34試合2324分出場 0得点8アシスト

ロティーナ監督の申し子として今年も中盤のレギュラーは揺るがず。
昨季以上に得点に絡み、8アシストと攻撃の潤滑油として持ち味を発揮した。
しかし、やはり2年間で1得点という結果には物足りなさも残ってしまう。
終盤はサブに回る機会も増え来季は正念場。「怖さ」を身につけたい所だ。


◎ミッドフィールダー部門総評

田村と奈良輪はサイドバック、泉澤と藤本はほぼウイングといった立ち位置だったか。
残りの選手達で主に3枠から2枠のセンターハーフの座を争った印象だ。

開幕前から実力者が多く顔をそろえたという印象だったが、その通りポジション争いはハイレベルなものだった。
「我々にとってのメッシ」とまで昨季は指揮官に評された井上潮音も少しの不調でポジションを失い、
代表から帰った渡辺が出場機会を失ったのは自身の不調もさることながら佐藤の活躍があったからこそという側面も否めない。
全選手がコンディションを整えた最終盤では不動の地位を築いていた梶川もベンチへ。
センターハーフに関しては充実のラインナップだったと言えるだろう。

登録上MFで紹介した田村と奈良輪もサイドバックとして見事な活躍ぶり。
開幕前からあまりに層が薄くアキレス腱と見られていたサイドバックだが、その中で奈良輪のフル回転は特にチームにとって大きな価値を伴うものだった。
「J1では物足りない」と評されることの多い奈良輪だが、ことJ2においては十二分の存在感。
この1年で成長した感もあり、今ならひとつ上の舞台でも十分通用するのではないだろうか。
それだけに、湘南からのレンタル移籍という立場はチームにとって大いに悩ましい点でもある。

ウイングとして扱った泉澤、藤本に評価を移すと泉澤はまさに期待に違わぬ「レベルの違い」を披露。
ロティーナ監督の戦術との相性も抜群で、G大阪での鬱憤を晴らすかのように躍動した。
あとはこの活躍をG大阪がどう評価するか。少なくともJ2ではやはり頭抜けた選手であることは間違いない。

藤本もルーキーとは思えない活躍ぶり。
ユース時代のプレーを見ていると一年目からの高い期待は酷に思えたが…彼もまたロティーナの指導との相性の良さを見せたと言えるだろう。
プレーもさることながら「頭の良さ」も光った印象。この活躍は予想外だった。
それだけに、彼も11月に召集された日本代表の大会で負傷を負ったのが残念。
渡辺と良い藤本と言い、今年は代表招集がヴェルディにとっては大きな仇となる一年だった。

■フォワード部門

7 アラン・ピニェイロ 評価 D
2018年シーズン成績 27試合1251分出場 6得点2アシスト

昨年は17得点と躍動するも、今季は怪我の連続で年の半分以上を欠場した。
シンプルに10得点分を失ったことはチームにとって大きな誤算だっただろう。
怪我からの復帰後もコンディションが上がらず、最後まで低調な一年に。
緩慢な守備も目立ち、彼の悪い所ばかりが目立つシーズンとなってしまった。

9 ドウグラス・ヴィエイラ 評価 B
2018年シーズン成績 39試合3111分出場 13得点0アシスト

チーム唯一の得点源としてこちらはフル稼働し2年連続での二桁得点を達成。
しかし、昨季の18得点という成績を考えるとやや物足りなさも否めなかった。
終盤戦で貴重なゴールを量産した昨季に比べて今季は尻すぼみな印象も拭えず。
良きパートナーだったアランの離脱も彼にとっては痛手だっただろう。

10 レアンドロ 評価 D
2018年シーズン成績 10試合287分出場 1得点1アシスト

夏の移籍最大の目玉として神戸から獲得するも、奪ったゴールは僅かにひとつ。
負傷離脱を繰り返し、先発は2試合と得点の前に出場すらままならなかった。
確かにピッチに立てばその高い技術は示したが、求めていたのはそれではない。
このコンディション不良を見抜けなかったのか。獲得した強化部にも疑問符だ。

11 林陵平 評価 C
2018年シーズン成績 28試合1026分出場 7得点1アシスト

高い期待と共に9年ぶりの帰還を果たすも、その期待には100%応えられず。
タイプの似通るドウグラスとの共存に苦しみ、先発の機会は限られてしまった。
守備では奮闘するも、交代要員としても李の後塵を拝したのは小さくない屈辱。
一方で限られた出番の中でも7得点と存在感は示す。貴重なゴールも多かった。

28 菅嶋弘希 評価 E
2018年シーズン成績 1試合58分出場 0得点0アシスト

水曜日の開催となった5節で突然WBとして先発も、出場はその1試合に留まる。
天皇杯でもベンチに回り、フォワードとしては一切勝負させてもらえなかった。
夏場以降は負傷離脱だったようだが、プロ5年目でこの扱いでは擁護しづらい。
まずは自分の勝負するポジションを定め、器用貧乏を脱する所から始めたい。


◎フォワード部門総評

ドウグラスの孤軍奮闘。そう言ってしまえばそれまでのシーズンだったと言えるだろう。

何といっても誤算だったのはアランの低調なパフォーマンス。
怪我の多さもさることながら、出場した試合の中でも彼が精彩を欠き続けたことはチームにとって多大なダメージだった。

前線で外国籍選手とは思えないほど高い戦術理解度と献身性を見せた去年のアランはどこへ…
その上で年間6ゴール。あまりにも当初の想定からかけ離れた一年だったと言えるだろう。

そうしたアランの不調を穴埋めするために獲得したのがレアンドロだったはずなのだが…
こちらはさらにコンディション不良が著しく、僅かな出場で怪我を負い翌節から欠場という展開が一度のみならず二度三度という体たらくぶり。
加入直後から明らかにウェイトオーバーでもあり、去年のカルロスに続きまたしても夏のストライカー補強で大きなミスをしたという感は否めない。

11番を背負った林は前述通りドウグラスとの共存に苦しんだ。
3トップのウイングとして出場した際は守備に奔走しそのプレーは指揮官からも高く評価されるも、それは彼にしかできないプレーでは決してなかっただろう。
途中出場の出番すらなかなか与えられない中で腐らず練習に打ち込む姿勢は素晴らしかったが、恐らく現状の立ち位置には納得してないと思われる。
あとはドウグラスの去就次第といったところだろう。

菅嶋はほぼ戦力外。
レンタルで出した高木大輔も山口ではやはりというべきか中盤での起用が続いており、来季はもう少し計算できる戦力を揃えたい所である。


■チーム総評

順位で見ると昨シーズンから一つ下げるも、勝ち点で見ると1ポイントの上積み。
まぁ要するにほぼ腹ばいというのが今シーズンの分かりやすい結果だろう。

林や上福元など積極的な補強を進めた分物足りなさも残るが、まずはこの競争の厳しいJ2で2年連続プレーオフ圏内でまとめた点を称えたい。
徳島を見ていれば容易に分かるようにこの結果は簡単なものではなく、誇るべき結果だったと私は思っている。

悲願のJ1昇格を成しえているかは脇に置き、客観的にシーズンを振り返ると結局「ダブルアンザイ」の流出が痛かった感は否めない。
特に右サイドの安西幸輝。崩しの部分で戦術兵器となっていた彼の穴埋めに前半戦は苦しみ、その解決は結局泉澤を獲得するまで日の目を見ることはなかった。
森俊介や林昇吾などが代わる代わる右WGを務めたのはチームの苦しさの証とも言えただろう。

一方で守備面ではリーグ2位の41失点と昨季の49失点から大きく成長。
畠中の退団というよもやの事態もあったが、その中でも最後まで強度を落とさず毎試合着実な勝ち点増加に大きく貢献した。
守備の整備を一番の持ち味とするロティーナのチーム作りが2年目にして見事に形になって表れたと言えよう。
また、奈良輪・田村と堅実な守備を持ち味とする両SBがダブルアンザイにとって代わったことも好影響を与えたのかもしれない。

それでは自動昇格という最大の目標に届かなかった理由として一体何が足りなかったのか。
突き詰めて考えていくとやはりいくつかの補強失敗など、編成における「小さなボタンの掛け違え」が尾を引いた感は否めない。

本来ならば安西の代わりとして補強の目玉になるはずだった高井がまったくチームにフィットできずに半年と経たずに退団となったこと。
背番号10を与えるなど最大限の期待を持って迎え入れたレアンドロのコンディション不良。
そしてシーズン途中に畠中がマリノスへと去ったこと。

確かに香川や泉澤などポジティブな補強も多く、過去数年に比べれば強化部もいい仕事をしていると言えるが
22分の2という狭き門を目指すのであればそうした僅かな失敗ですら簡単には許容できないのである。
今年その枠を勝ち取った松本・大分はやはりそうしたシーズン中の補強選手をほとんど必要としなかった。
この事実を鑑みても、なるべく開幕時から万全の状態を整えておくことが大事であるということが分かった一年でもあっただろう。

さて、来季の所属リーグが現状ではわかっていない以上補強の展望を語るのはナンセンスに思えるが
J1に挑むにせよ、再度昇格に挑むせよ、今のJリーグではどちらもミッションの難しさに大差はないように思える。

それだけに、監督の退団報道ばかりが過熱している現状ではあるが
プレーオフを戦っている最中とは言え、今の段階からめぼしい選手にはしっかりと目をつけ今オフこそは完璧な選手補強を求めたい。

そうした希望を踏まえた上で、次はまた補強の展望企画でお会いしましょう(笑)
それでは通信簿はこの辺で失礼させていただきます!また!