と言いますか、このチームの初戦を見逃すことはできないですよね。
ということで、優勝候補の一角であるブラジルの初戦「ブラジルvsスイス」の一戦のご紹介です。
その2時間前の試合で同じく優勝本命のドイツが敗れるという大波乱がありましたが
同じく同組一番のライバルであろうスイスと初戦でぶつかるブラジルはどうなるのか。
それではチェックしていきましょう!
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2018ロシアワールドカップ「Today's Pick Up」 DAY4-2
BRAZIL vs SWITZERLAND
2強2弱の色濃いグループE、出来れば互いに初戦はこの相手を避けたかった所だろう。
ドイツが躓くなど初戦の難しさはどこの国も一緒。
圧倒的な強さを誇るブラジルとしてもスイスは決して簡単な相手ではない。


スタメンはほとんど両チームともに予想通り。
22人の中で予想との違いはスイスのボランチ、ベーラミのみ。
試合を観る上で個人的にも非常にありがたかった(笑)
試合はやはり初戦独特の空気を纏った立ち上がりになったと言えるだろう。
自国開催だった前回大会は異様とも言えるテンションで序盤から相手を攻め立てていたブラジルだが、この試合では非常にゆったりとした立ち上がり。
後方でボールを回しながら、両サイドをワイドに使いながらチャンスを伺おうという構え。
一方でスイスも決してブラジルを相手に腰の引けたような入り方はしなかった。
現体制では主導権を握ったサッカーを目指しているだけに、低く構えての守備は選択しない。
ファーストシュートはスイスのシャキリのものになった。
互いが互いの様子を伺いつつ、それでもどこかで牙を剥いてやろうというそんな立ち上がりだ。
それでも、さすがは技術で相手を大きく上回るブラジル代表。
10分を過ぎたあたりからじわじわと相手を押し込んでいくと、巧みなコンビネーションでいくつか決定機を創出。
左サイドから崩した11分のパウリーニョのシュートはスイスのGKゾマーが指先で掻き出し、すんでの所で難を逃れた
だが、今のブラジルには多彩なフィニッシュワークがある。
ショートパスでの崩しを軸に攻め立てつつ20分、コウチーニョがエリアの外から鮮やかなロングレンジのシュートで先制点を決めた。

左サイドから巻いて落とす、彼がプレミアリーグで得意としたまさに「十八番の形」。
良い形で彼の前にボールがこぼれてきたとはいえ、それをこの舞台で平然と決める強心臓ぶりには恐れ入る。
個人的にも彼のこの形を久しぶりに観れて何だか懐かしい気持ちにさせられてしまった(笑)
先制に成功した後のブラジルは決して無理をしない選択。
11人がそれぞれしっかりとブロックを敷いてこれまでにない組織的な守備を展開する。
スイスからするとボールを持てるのはある程度理想の展開でもあるのだが、ブラジルの守備にスキがないため攻め手が無い。
ボールを持った選手が出し所を探して右往左往するシーンがたびたび目に付いた。
その後の前半はこの展開がずっと続いた印象だ。
これがブラジルなのかという程、11人がしっかりと自陣に戻って守備をこなす姿は印象的。
ネイマールも左サイドで献身的に守備で貢献。特別な選手は誰ひとりとしていない。
ボールを握りながらスイスも徐々に自分たちのリズムをつかむが、ゴールはかなり遠く。
嫌な形で奪われるとブラジルはひとたびチャンスを作り出せるため、スイスも中々無理が出来ないのだろう。
結局リードしたブラジルはリスクを負わず、スイスとしても相手のカウンターを恐れて大きなリスクを負えずと
コウチーニョのゴールの後はあまり見どころのないまま穏やかに前半が終了した。
この展開がまだある程度は続くと思われたが、後半は予想だにしない立ち上がりを見せる。

50分、右サイドからのコーナーキックを獲得するとジャカのボールにドンピシャで合わせたのはツバー!
確かにミランダの背中を少し押してはいるが、ファウルの対象にはならない範囲だろう。
ツバーの巧みなポジション取りとしてむしろ褒めるべきポイントであるように思う。
さて、これで試合が面白くなった。
前回大会ではややメンタル的な弱さを見せてしまったブラジル代表だが、思わぬ同点弾にどう変化があるか。
直後のプレーではネイマールが露骨な苛立ちを見せるなど、少し不穏な空気が流れるが…
ここが今のチッチ率いるブラジルの「らしさ」か。今大会のブラジルは決してここで攻め急がない。
一枚警告を貰っていたカゼミーロを早々と下げるなどリスク管理も徹底しながら、あくまでじわじわとスイスを追い詰めようという構え。
徐々にギアを上げていく狡猾な攻撃にスイスの選手達はファウルで相手を強引に止めざるを得ないシーンが増えるなど、体力の低下が目に見えてきた。
そういったスイスを相手に、ネイマールを中心にブラジルの選手がややファウルを貰いに行く姿勢が目立ちがはじめ
主審が試合を上手くコントロールできなくなってきてしまったのは少し残念だが、後半も半ばを過ぎるとペースは完全にブラジルのものに。
スイスはチャンスらしいチャンスを作れない。
ブラジルからすると惜しいのは1トップに入ったジェズスが思った以上にチャンスに絡めないこと。
献身的な守備は見られたが、オフェンスではあまり機能しないので中々ゴールが生まれない。
79分、最後の交代カードであるフィルミーノが勝ち越しの願いを託されてピッチに投入される。
しかし、フィルミーノも決定的な仕事はできず
ひとつ前に投入されたレナト・アウグストはほとんど目立つこともできずと、交代は不発。
コウチーニョ、そしてネイマール、ここにマルセロが絡む左サイドは相手の脅威となったが
あと、1人・2人が上手いこと絡むことが出来ず、スコアは中々動かない。
最終盤にセットプレーから決定的なチャンスをいくつか作るも、得点にはつながらないまま試合は1-1で終了となった。
スイスと引き分け、という結果はブラジルにとっては決して充実のスタートではないだろう。
だが、試合中の交代策からも分かるようにリスクを嫌う堅実な采配が持ち味のチッチ監督からすると
残りの対戦カードも考えて、この試合で無理をする必要は決してないという気持ちもあったのではないか。
セットプレーで1失点は喫するも、その他の時間帯は相手にほとんどチャンスすら作らせず。
この堅守をベースに試合を進めながらチームとして状態を上げていけばいい。そのように捉えることもできるだろう。
残り2戦へ向けて心配な点は、この引き分けを受けて変なプレッシャーをチームが感じないこと。
周囲の雑音をしっかりと封じ、選手たちのメンタルをコントロールすることが指揮官には求められる。
スイスとしてはほとんど決定的なチャンスが無い中でブラジル相手に引き分けることが出来たのでもちろん文句のない結果だろう。
要所要所で選手達がしっかりとファイトし、相手の攻撃を水際で食い止め続けた。
攻撃面の課題はこの試合ではいったん置いておくべきだろう。
それこそスイスとしてもそこは試合を続けながら解消していきたいという気持ちのはずだ。
11thMatch GroupE
ブラジル 1-1 スイス
得点 20 コウチーニョ(BRA) 50 ツバー(SUI)
MOM ツバー(SUI)