古民家に使われている主な建築資材に【古材】があります。
戦後の日本住宅の寿命は平均26年です。
しかし、日本の木は伐ってから百年後に一番強くなり、その後200年はその強度は保たれます。
当社で行なう古材の強度検査(ヤング係数検査)では、
その強度は新しい木材を凌ぐコトが証明されます。
古材の活用は、建築廃材というゴミを出さないだけでなく、
二酸化炭素排出量の削減にも貢献できます。

例えば、すべての住宅建築において、その木材の十五%を古材にすると、
ブナの木に換算すると五百万本以上になる計算になります。
これは京都議定書で日本に課せられた二酸化炭素削減量(六%)の3分の2相当します。
さらに、古材には、経年変化による独特の味わいありますから、
新しい木材では出せないこの美しさがあり、
お店や住宅に古材を使う人や建て替えに古い家の材を再利用する人が増えています。

古民家を解体して古材を取り出すには、解体技術だけではなく、材木の目利きが必要です。
このノウハウは解体業者にはなく、材木屋さんもしくは技術ある工務店さんに有ります。
当社は、最初は、材木屋さんを対象とした【古材倉庫】のフランチャイズを展開していました。
これには古材の良さに同感してくれた全国の材木屋さんが次々と加盟してきました。
次に、解体屋さんのフランチャイズがスタートしました。
こうして古材流通の“上流”を整備しましたが、使う場面がないと古材がどんどん貯まってしまいます。
そこで、古材を使ってもらう工務店さんのフランチャイズも開始しました。
現在、100社を超えた加盟店はビジネスとしての魅力からさらに増え続けています。
財団法人職業技能振興会の主催する資格に「伝統資財施工技術士」
(平成21年2月に「古材施工技術師」から名称変更)
があります。この資格は
古民家(築60年以上の建築をいいます)から排出される
古材・古瓦・石・土壁などを再利用することの技術・考え方等を講習で学んで
検定試験を経て認定される資格です。
これから中小工務店の生き残る大きな指針になるのではないかと思います。

超長期住宅(200年住宅)の推進が取り上げられています。
過去2回採択されたモデルケースを見ますと
(独立行政法人建築研究所 超長期住宅先導的モデル参照)
これから建てようとする新築で、新しい技術を開発した建築が多く採択されています。
これらは中小工務店で開発するのは難しいことです。
採択された住宅システムは融資、減税処置等で優遇されますから
200年住宅の流れは中小工務店にとって今後厳しさが増すことが予想されます。

少子化、高齢化による住宅着工戸数の減少から、
新しい資材を活用して新築住宅を創り上げることから
使える伝統資財を一部活用して、新築、再築していくことが
中小工務店にとっての勝ち残りに繋がると思います。

戦前の古民家の基礎は石です。
石は耐震に弱いといわれますが、その表現は違うと思います。
石と土台を連結しないから地震に弱いのです。

古民家の多くは
土台石の上に柱を立てているだけですから
地震にはずれてしまいます。

石は1000年以上の耐久性がありますが
コンクリートと鉄筋の基礎はその耐久性は50年程度だと思います。

長持ちするのは【石】であることは明白ですから
それを使うことで、環境にいいだけでなく
解体費用の削減にもなりますし、
それを活用することで、家が長持ちします。
基礎は大事です