行政は「リサイクル」は取り組みますが、
「リユース」はなかなか取り組めません。
これは現場の協力の比重が大きいからです。

現場で手間を掛けて取り出し、現場で手間を掛けて使う。
これには技術が必要となります。
工場で手間を掛ける「リサイクル」と現場で手間を掛ける「リユース」どちらも大事です。

私は、古民家解体から発生する【古材】だけでなく、
【古瓦】【壁土】【土台石】
さらには、【民具】【古家具】の価値・流通に関してもチャレンジしていかなくてはなりません。
昔の建築資材はしっかりしており、現代建築においても十分再活用できるものが多いと思います。
それは古材で証明されていると思います。
実際、古瓦は手間を掛けきれいに洗って再活用する、
新しい方法を考案してリユースできるようになりました。
古瓦は60年程度の使用年数であれば80パーセントの再活用が可能です。
耐震の問題から「瓦は軽く無いといけない」との話が多く聞かれますが、
土をのせなければその耐震性は十分保証できます。
今後、これらの建築材でも新たなフランチャイズシステムや資格が生まれてくると思います。

「家族みんなを見守ってくれた家。そこにあった懐かしい梁や柱。
これらが生まれ変わって新しい家にも使われる。」

私たちの仕事は、お客様に古材というモノを売るのではなく、
“想い出”を提供しているコトだと思います。
現在は古民家を流通させる仕組みは確立されていません。

主に不動産屋さんが固定資産税と路線価格を元に価格を決定します。
古民家は固定資産税ではみえないところが多くあります。
古民家には【日本の文化】があります。その文化古民家を流通させる仕組みを作りたい・・。
建築業界だけの話ではないのですが、我々は【過去】からヒントを得て生きています。

【過去】があるから今日があります。
【過去】に物事が移っていく過程が【歴史】です。
【歴史】は大事です。
私達がしなくてはならない大事なことは【歴史】を振り返り、【文化】を作ることだと思います。
【歴史】というものは過程であり、【文化】はその過程をカタチにするコトです。
古民家は【歴史】それを【文化】として残すこと。

【歴史】を理解し、それを【現代のカタチ】にする仕事のスタートは【古民家鑑定士】です。


この資格も職業技能振興会によって創設されました。
過去から【歴史】を分析し、現代で【文化】としてカタチにし、
未来の子供たちの為に残すこと。それは現代に生きる我々の使命だと思います。