素敵なインテリアはコレで決まり! ~壁や天井のクロス~
これまでは、モデルルームを見学する際のチェックポイントについてご紹介してきました。
今度はマンション購入後の家具・照明計画・カーテンの選び方について、4回にわたってご紹介します。
第1回目は、部屋の中で占めている面積が大きいながらも見落としがちな壁や天井のクロス(壁紙)、床材についてです。
[ 床・壁・天井が呼吸しているような爽やかなお部屋のイメージ ]
◆エコな内装材で健康&快適
壁や天井のクロスは、一見何の変哲もなく、あまりにも当たり前な仕上げですが、個性的な柄や色も豊富になってきています。
実はそればかりではなく、機能的にも優れてきているのです。以前はクロスやそれを使用する糊に、人体に悪影響を及ぼすホルムアルデヒドと呼ばれる有害物質が含まれていました。
しかし、最近ではシックハウス症候群対策に伴い、それらの材料には、有害物質が含まれなくなっています。もちろんクロスばかりではなくフローリングやドア材など、目に見える建築材料から見えなくなる下地、接着剤に至るまで、すべてに基準が設けられています。ここでは、更に一歩進んだ高機能建材をご紹介します。
☆ECO(エコ)クロス
一般的なクロスは、ポリ塩化ビニールを主原料としています。それに対しECOクロスは天然素材が原料の壁紙です。焼却時にダイオキシンなどの有害ガスを発生しない、環境に優しい壁紙です。
[ クロスイメージ ]
◇珪藻土クロス
珪藻土は、植物性プランクトンである珪藻の化石で、調湿性に優れています。タバコやペットの
臭いなどの生活臭や有害物質を吸着・脱臭する機能も備えています。
◇竹炭クロス
空気中のマイナスイオンを増加させる効果があり、消臭と共に室内の空気を清浄します。防カ
ビ性、通気性にも効果があります。
◇パピウォールクロス
自然素材のコットンを主原料とし、非木材紙の原料である綿花を使用しています。適度な通気
性があり、コットン特有のソフトな風合いも特徴です。
◇ケナフクロス
アオイ科ハイビスカス属のケナフが主原料のケナフクロス。野外に放置しても土に戻る地球に優しい素材です。調湿効果があり、洋紙に比べて繊維の隙間が大きいので、優れた保湿効果もあります。
☆ECO(エコ)床材
近年、マンション床材の主流は、フローリングになってきました。一般的に使用されているフローリング材は、何層ものベニア板を接着剤で貼り合わせた複合フローリングと呼ばれるものです。デザインは豊富で、施工性も優れていますし、機能性を追及した商品も数多くあります。このような理由から、ほとんどの新築マンション床材は複合フローリングを使用しています。逆に天然の床材は、中々見ることが出来ないかもしれません。もし、天然素材の床材を使用しているモデルルームを発見できたら、そのマンションはエコな仕様にこだわりのあるマンションと考えて間違いないでしょう。
◇無垢材フローリング(単層フローリング)
木の香りや肌触りなど人に優しい心地よさを持っています。保湿性や吸湿性に優れていて、傷
が付いても半永久的にメンテナンスが可能です。
◇ココヤシフローリング
丈夫で水にも強く、カビがはえにくい性質があります。ザラッとした独特の脚触りがあり、裸足で
歩くと心地良いです。
◇竹フローリング
木材よりも弾力があって丈夫です。抗菌・防カビ効果があります。
◇コルクタイル
適度な弾力が体への負担を軽減し、万一転倒しても柔らかく衝撃を吸収します。滑りにくいの
で、お子様、お年寄りに安心です。階下への音や振動を防ぎます。冬に裸足で歩いても冷たく
感じず、夏は涼しい素材です。
◇天然和紙畳
和紙畳は、吸湿性と通気性がとても良く、変色しにくい特徴があります。イ草に比べて耐久性が
高く、ダニやカビが発生しにくい素材です。
この他には、室内の湿度に合わせて呼吸をし、結露やダニ、カビを抑制するエコタイルも人気です。
また、ビニールクロスも高機能な商品が増えてきました。
モデルルームでは是非クロスやフローリングをチェックし、デザイン+αのある健康で快適な室内環境であるかどうかもチェックしてみましょう。
<インテリアコーディネーターから一言>
天然素材のデメリットって?
無垢材フローリング(竹・ココヤシを含む)に関しては、優れた調湿作用によって素材自体が伸縮するので、
板の反りや板間の隙間ができることがあります。
また、一般のフローリングはハードコーティングがしてありますが、無垢材フローリングには通気性のある自然素材の塗料を塗らないと
長所を生かしきれません。そのため、傷つきやすく、汚れやすい、自然素材であるがゆえ色や柄(木目)にばらつきもあります。
このようなデメリットは、味わいとみて付き合っていけると良いですね。


