俺の昔からの友人に土屋という男がいる。
ある日、こいつから高校を卒業して以来なので、
もう4年ぶりになるだろう。
連絡があって、深刻そうな声で、
「 ケンちゃんにお願いがあるんだ...電話じゃあれだから、
近々会えないかな?
こんな事頼めるのケンちゃんしかいなくて...。 」
そんなこんなで、昔馴染みの頼みとあれば、
聞いてやるだけでもと、土屋と4年ぶりに会う事にした。
俺には予想はついていた。
このパターンは確実にお金の話だと。
もちろん社会人1年目の俺に、人に貸せるだけのお金なんてあるはずもない。
貸せたとしても気持ち程度の3万円ぐらいだろう。
なんて事を考えたり、ぶつぶつ言っていたりはしていたが、
大学への進学で、他県に分かれてしまったが、
高校時代仲の良かった友人の1人だったので、
会える事は楽しみにしていた。
それに、土屋が今何をしているのかなんて知らないが、
やつも社会に出ていたとしたら、俺の今の現状と思いを、
やつと共有したかったという思いもあった。
そして、土屋と会う日はやってきた。
日曜日の昼下がり、待ち合わせ場所のカフェに、
土屋は当時と変わらない姿で現れた。
俺は変わらない土屋の姿にほっとした。
その土屋の変わらないあどけない笑顔の裏に眠る
狂気にこの時の俺は気づきもしなかったのだ...