わたしもボウズもまだ20代だった頃
夏になると時間さえあれば
海やらプールやら行っていた
わたし的に泳ぎ方の難易度で順位をつけると
バタ足 ⇒ クロール ⇒ 平泳ぎ ⇒ バタフライ
(これ以外あるの?)
ボウズは上記の泳ぎ全てできる
ガチな泳ぎ方ではないが
無駄に長い手足のせいか
キレイに泳ぎやがる
それに比べて
わたしは泳げない
1日お休みの日に行く海は
日本の太平洋側にしては
波が荒いほうだがキレイだ
波が荒いが為に家族連れは
いないに等しく
ゴミも少ない
サーファーとやらもちらほらいて
見ていても飽きない
そんな海でいつにもまして
穏やかな波
調子に乗ったわたしは
ボウズと浮き輪を頼りに
気付いたら足が届かない所まで
来てしまった
それに気付いた瞬間
終わった
と悟った
ボウズにしがみつこうとしたが
浮き輪が邪魔で
むしろ離れていく
(気がした)
わたしの必死さに
全く気付かずに
ぷかぷか浮きながら
『気持ちいいね~♪』なんて言いやがる
(なんで浮けるんだ?)
わたしは助けてほしいが一心で
『怖い!もうムリ!』と叫び
上半身がムリなら
下半身だ!とばかりに
海中でボウズを蹴りまくった
叫ぶのも蹴るのも疲れた頃
やっと気付いてくれたボウズ
『戻るから大人しくしてて
暴れるなって!
あーもう死んだフリしろ!!
ホントに死ぬぞ!!!』
てめぇ言い方ってもんがあるだろ
と思ったが
実際わたしは大人しくなったし
助かったので
良かったとしよう
死んだフリって
そうそうする事ないだろと
思ってたけど
あったよ
大丈夫って言われるより
死んだフリなんで
気を失う事もなく
ほどよく力が抜けて
丁度よかったのかも
自然を甘くみちゃいけません
調子に乗っちゃいけません
数年後
311で更に実感したわたしでした