母への手紙 -2ページ目

母への手紙、十日目

昨日、
『少しでも歩きなよ。』
って言ってあったこと、ちゃんと守ってたんやね。
少しずつ便も出るようなったし、喉も渇くようにもなったし。

俺も父親も男やから、あんま気が利かないね。身の回りで足らないものが結構あることに気付いたんよ。

ちゃんと帰りに買ったから、明日行く時に持っていくから。

姉ちゃん、あんま来てないんかなっ。

よう聞かなかったけど、変わりに俺は毎日行くから心配せんでもええけんね。

もう、そんな一緒におれる時間ないんやから、もっともっとワガママになるべきやと思う。

今まで苦労してきたんやから、ワガママ言うてもええけんね。

母への手紙、九日目

ここしばらく、体調も落ち着いていますね。

でも、便が出ないのは苦しいみたいですね。

最近、ご飯を食べながら溜め息をつく母の姿をよく目にします。

ほとんど、ベッドから下りたがらない母を少し怒ってしまった。

少しでも、歩いてほしいから、怒ってしまっただけなんよ。

頭の中は病気の事でいっぱいやと思うから、ほんのチョッとでも、忘れる時間、少しずつ増やしていこう。

俺は応援してるから、最後まで不安を和らげるよう努力するからね。

母への手紙、八日目

11日間、点滴だった頃は凄く弱々しいかったけど、少しずつ食事出来るようになって凄く元気取り戻したね。

末期ガンなんて嘘のような気がしてきたよ。

みんな巻き込んで俺を更正させる為の嘘でないのって思うこともあるよ。

でも、体はますます痩せてきたね。

もう少し体力回復させて来週は抗がん剤治療が出来るといいと思う。

凄く大変な治療方法だと思うけど、抗がん剤さえ効けば、腸をふさいでいるガンが小さくなって、好きなモノ食べれるようになるしね。

食べたいって言ってる刺身も持っていく。煮魚も持っていく。

だから、頑張って!

俺も頑張るから…。