季節は夏真っ只中で毎年ながら季節は夏が一番好きなのだが、あまりの暑さに冬を羨ましく思う俺は今日も授業を無視してだいぶ前の席のキミを見ていた。


『なあに見てんだよ~』
隣の席になった慎太が俺が彼女をボーっと眺めているのに気付いて言ってきた。

『うるせ~なあ別にそんなんやないわ。』
俺が机に、ほおづえをついて言った。

『もうすぐ夏休みで池多をストーキングできなくて悲しいんかあ?』
相変わらずの冗談…まあミンナ付き合ってるの知らないからなあ。

『うるせ。つか違えよバカ。だいたいお前コソ彼女どうするんだよ。』
慎太は最近付き合ってるコトがわかった。しかも俺の次の日に…


『ああ…まだきめてねえなあ~』
慎太は天井を見て適当に答えた。


『あっそ…まあメールしてるからツラくはねえわな。』俺はため息混じりに言った。


『まあメールは燃えてるけどな。ハハ』
慎太は冗談混じりに言った。


『メールねえ…』
俺は彼女とメールをしていない…というよりアドレスすら知らない。理由はメールをしたら、只でさえ帰りに話す話題がないのに、もっとなくなると思ったからだ。



『おう。ヨシアキ』
昼休み俺はヨシアキと2人でテニス部のボールでキャッチボールをしなが話していた。


『なあ、たかのぶ…俺…』ヨシアキは妙に悩んでいた。

『なんだよ…気持ちワリィなあ』
投げ返した。


『俺さ……俺』
『キーンコーンカーンコーン』
チャイムがなり話はきれた。


そしてその日の帰り…考えてもいないコトをヨシアキが言った。


『たかのぶ…俺彼女とは付き合えねえ…』


『はあ?』
俺は聞き返した。


いったいヨシアキに何が…夏休み前半戦スタート間近…


次回第19『本当の理由』です。次回ヨシアキの発言の意味が…そして2つの恋に終わりが…
俺たちの恋は順調でクラスのミンナは知らないし、学校では毎日恋人として会えるし、塾も同じだし、週に2日2人の時間だってある。こんな幸せな時間が一生続いてくれたら他には何もいらねえんだろうなあって思ってたよ。
今の俺たちを見たらきっとあの頃の俺とキミはもっとお互いを大事にできたのかな…こんなに相手を傷付けて、本当に遠回りばかりだね。


『池多さん♪帰ろっか』
俺たちは付き合って早2週間近くたち誰からもバレないように裏門に待ち合わせしてキミを送るのが当たり前になってたね。


『うん』


いつもみたく会話はあまり続かずというより無くお互い顔が合うと照れた。


彼女の家に近づくと彼女は爆発?というか不満を俺にぶつけた。今考えればアレがキミの初めてのワガママだったんだね。


『ねえ池多さん♪』

『ねえ池多さん♪』

俺はいろんな話をするときに…ねえ池多さん…というのが当たり前になっていた。


『ねえ…その池多さんってヤメテ。』
彼女は俺を見て言った。

『えっなんで?…俺池多さんが呼びやすいんやけど…』俺は不思議で仕方なかった…事実、呼びやすかった。

『なんでって…』

『イヤなの?』
俺が恐る恐るきくと…

『イヤだよ…だって、名字で、さん付けなんて他人みたいじゃん…』
キミはそう必死に言ったね。

『でも…呼びにくいし…じゃあ…池多でいいよ。』
俺は池多さん♪って言うのが一番呼びやすかったのだが…彼女のために、さん付けをヤメるコトにした。

『もういい。』
彼女は不機嫌になってソッポをむいてしまった。


えっ?なんで違うの?俺は心の中でつぶやいた。さん付けはヤメたじゃん……他には何も………あっ。とてつもなく恥ずかしい呼び方があった…いや~まさかそれはナイよね?…いや間違いない。


『ねえ…』

『なに?』
キミは下を向いて適当に言ったね。

『俺のコト、たかのぶって呼んで。さっきのお詫びな。』
俺は恥ずかしかったが口にした。

『えっでも…』
キミは焦った。
そして…キミは笑って言った。しかもめちゃくちゃ照れて…
『うん。…私も下で呼んで』
なんか2人そろって顔真っ赤にして照れてマトモに顔なんて見れなかったね。


そして俺とキミはキミの家に着くまで話せなかったんだ。


そして…別れを言うときに…

『じゃあね…舞佳…』
笑顔でキミに言ったんだ。
『…バイバイ…鷹信』
彼女も笑って言ったんだ。

この後もお互いの名前を呼ぶコトに照れて、あんまり呼べないんだ…でもね、照れてられる間は幸せなんだ。慣れたら、なんとも思わなくなってしまうから…


次回第18話『夏休み前半戦』です。



俺は家に帰ってベッドに倒れこんだ。自分が考えている以上に疲れていたのだ。

『はあ…マヂでやったのか…俺?』
俺はベッドに顔をうずくめ、自分にきいた。


気付くと俺の意識は遠のいて眠りについていた。


『…やべ寝てたのか…』
俺は時計を見ると21時40分…まだ付き合い始めて2時間程度だがとても長く感じた。まあ寝ていたから一瞬だったのだが…笑


『夢じゃねぇよな…』
俺はまだ信じるコトが出来なかった。そう俺がキミと付き合ってるんだなあ…って実感できるのは、この後なんだ。


『オハヨ』
俺は次の日学校いつもより早く来たものの、彼女とは付き合いたての気まずさというか恥ずかしさがあり、アイサツどころか、彼女の方を見るコトも出来なかった。


『だから…』
授業もアタマに入らず、今は保健の授業で男子と女子はバラバラで教室では男子が授業をきいている。体育と保健は2クラスづつで席は出席番号順だった。
そして…神様は俺に再びチャンスをあたえた。

『おい…たかのぶの席池多のトコやん。』
男子全員から冷やかされた。
『おいおい…タカ~良かったな失恋記念に座っとけって』
『アハハハは』
みんな笑っていた。

『アホか…お前ら俺はまだフラれちゃりらい』
噛んだ。
『アハハハは』
全員大爆笑まさかカムとは…

『まあフラれたようなもんだろ』慎太久しぶりの登場(笑)


『うるせぇよ』
ワリイなミンナ実は付き合ってんだー☆でも今は2人の時間を大切にしたいから言えね~んだ。


俺は池多さんの席に座り授業中必死に考えて彼女の筆箱に手紙をいれた。


『明日一緒に帰ろ』ただこの一言をノートの切れはしに書いて。


『ねえ…』
俺は結局学校では話せず塾でキミから声をかけてくれたね。

『あ手紙気付いたよ…』
彼女は言った。


『手紙?…手紙…ああ』
完全に忘れていたのだ。

『だから明日ね』
キミはただそう言って帰っていったね。あの日俺がどれだけ次の日を待ち遠しく思ったか…


次の日、授業はとても長く感じ内容は上の空♪
キミとは瓦の立派な正門で待ち合わせをしていた。


『帰ろっか』
俺は、うつ向き加減で彼女に言った。
『うん』
彼女は感情を表に出す子ではなかった。


そのせいか会話は…うん。とか、そうだね。とかで全て切られてしまってネタもつきかけていた時にキミはこの話題には、くいついたね?

『週に何回ぐらい帰る?』俺は彼女にきいた。

彼女は俺の顔を見て…
『週に…2回は帰りたいなあ…』
俺は嬉しかったよ。キミのその言葉に、そうして俺たちは火曜日と木曜日に帰ることにした。


そして俺はキミの家に近づくにつれて寂しさが込み上げてきた…

『池多さん…はい♪』
俺は彼女の前に手を出した。
『え?』
キミは不思議そうに首をかしげた。
『だから、手つなご…』
俺は生まれて初めてそんな言葉を言った。

『………』
キミの顔は真っ赤で下を向いて手を握ってくれたね。

キミが俺の初めてで俺がキミの初めてだから、きっと俺らはお互いの色に染まっていくんだろうなあ…けっしてキミの色も俺の色も目では見えないけど、きっとキレイなオレンジ色なんだろうなあって俺は信じてるよ。


『ああ恥ずかしいな』
俺は思ったまま口にした。『アタシの方が恥ずかしいよ』
彼女は言った。
『俺の方が照れるし』
俺が言うと…

『だからアタシだって』
『いや俺のが照れるね』
こんなコトだけの初めてのノロケなのかもしれない。

次回第17話『他人みたいじゃん』
次回ついに彼女が爆発?