80歳過ぎの女性が「左のお尻がひどく痛み、足先にかけてしびれがあります」と来院されました。整形外科医院を受診しましたが、痛み止めと胃の荒れを防ぐ薬を処方されただけといいます。

女性は3年ほど前に右のお尻から足先にかけて同様の痛みとしびれがあり、坐骨神経痛といわれたので「今回も坐骨神経痛と思う」と話しました。

「坐骨神経痛は症状を示す言葉で、病名ではありません。体を動かして痛いかどうかを確かめますね」と私は言ってから、体を前に倒してもらいました。痛みはありません。続いて、体を後ろに反らしてもらいました。「腰から足先まで痛いです」

仰向けになってもらい、左足のかかとを片手で支え、もう一方の手で膝に手を当てゆっくり持ち上げるSLR(神経伸長検査)をしました。坐骨神経に沿った痛みはないとのこと。腰部椎間板ヘルニアの鑑別検査です。

「脊柱管狭窄症と思います」と話し、私も一昨年秋、同じ症状で苦しんだことを伝えました。「左の尻にひどい痛みがありましたが、私の場合、坐骨神経痛に沿った脚の裏側の痛みはなく、大腿神経に沿った太ももの前側に痛みがありました」

骨盤が前傾すると脊柱管が狭くなり、狭窄症を引き起こすことを説明しました。骨盤を前に引っ張る恥骨筋と大腿筋膜張筋を押圧すると、強い痛みを訴えます。この二つの筋肉を緩める手技をしました。

女性は1週間分の痛み止めを処方されましたが、医師からはリハビリについては何も言われなかったそうです。そこで膝抱え運動など脊柱管狭窄症を改善する運動を身をもって示しましたが、そのことは次回に。