大野真司・相良病院長は「がんとの共生社会を目指して」というシンポジウムで講演した中で、がん患者と共生する社会を実現するためには、次の三つのことを心がけて置く必要があると報告しました。

①日頃から備えておくこと②正しく知っておくこと③コミュニケーション力を身につけておくこと

とりわけコミュニケーションの力で大切なのは聴く力と強調しました。コミュニケーション力というと表現力と考えがちですが、ことばで伝わるコミュニケーションは7%に過ぎないというアンケート結果を紹介して、表情や姿勢、身振りなど非言語的な対話や沈黙が93%も占めるといいます。

がん患者の訴えを上手に聴く方法としてとくに重要なのは、ひたすら傾聴しあなたが聴いているのだということを相手に示す▽沈黙と非言語的対話を忘れないようにする(ことばに頼らない)▽早すぎるアドバイスは慎む、をあげていました。

さらに支援にあたっての注意点として、本人の意図に反して同僚にがんであることや病状を知られるという状況をつくらない▽本人の同意なしで職務配置や職位の変更▽勤務形態の変更▽主治医との面談などをしてはならないと言及しました。