「ネクストリボン2024~がんとの共生社会を目指して~」(日本対がん協会、朝日新聞社主催)のシンポジウムのオンライン配信の中で「がんは『治る』、『治らない』の二者択一ではない。がんを知ろう」と題して講演した大野真司・相良病院長(元がん研究会有明病院乳腺センター長)が、がんの摘出手術を受けた患者さんの気持ちを「串刺しの 心と書いて 患者です」という川柳で紹介しました。

この川柳は淀川キリスト教病院のホスピス棟を開設した柏木哲夫・同病院理事長(84)が著した「癒しのユーモア~いのちの輝きを支えるケア」で紹介されている患者さんの句といいます。柏木医師は回復が難しい末期がん患者の心を支えようとターミナルケアの普及に尽くしてきました。

大野院長は、二人に一人ががんになり、三人に一人が死亡している現状を説明したあと、がんは他の病気と違って失うものが出てくると指摘しました。

胃や腸などの消化器の摘出手術を受ければ、摂食障害や消化不良を招きます。乳がんや子宮がんを患えば、授乳や妊娠、出産をあきらめなければならないおそれがあります。肺がんで肺の摘出手術をしたら、呼吸機能の障害が残ります。

がん手術をして1年後も、うつなどの気分障害、社会への適応障害に苦しむ患者さんは乳がんで4人に1人、舌がんや喉頭がんなどの頭頚部がんでは3人に1人に上ると報告しました。

こうした中で、患者さんの心を表した川柳として冒頭の句をあげました。がん患者に寄り添うコミュニケーション力をどう身につけるか、という大野さんの言葉は次回に。